月曜日: 目の方は視力はでないが,目を休め休めながら普通に生活はできるようになった.今日も良い天気だったので外に出ようかとも思ったが,昨日も出かけたし目への負担を考えて止めた(今日はテレビ一杯見るし:笑).お腹はすっかり調子を戻し,庶民目標第3弾として昼にプレーンなビザに生ハムを乗せて食べた.今回は美味しかった.生きててよかった:笑.
今日は大掃除をしようと思ってたので,朝から目一杯掃除機をかけた.髪の毛はまだふさふさあるが,シスプラチンによって少しは抜ける.それがピークとなって今週はたっぷり抜けた.いやあもうびっくりするくらい.お風呂で髪を洗っていると,半分くらい抜けたんじゃないかとびびった.まあ抜けるということは,まだ抗がん剤が効いているということなので,その意味では体内の腫瘍を押さえてくれてるのかな,と良い方向に考えている.
午後からは,今日が締め切りの国際学会のアブストラクトを助教さんと仕上げ,それからポスドクが仕上げてくれた論文の再チェックをした.それから論文の査読を一つ仕上げる予定だったが,これは正月3日までなので,明日出来ることは今日しない,というポリシーの元さぼった:笑.その替わり,貯まりに貯まった郵便やら様々な書類整理,特に家族で遣う PC disk に積み上がってた封筒や葉書を整理した.いやあ大晦日だ.息子も来年早々のジュニアユースのサッカー大会の準備をしている.親子で家で仕事をしているのも大晦日ならではのこと.
除夜の鐘は,煩悩の数だけ108回鐘を突いたように記憶している.今の自分にも無限の煩悩はあるが,この正月1週間の休薬期間の間に出来ることは食べることだけなので:笑,家内と1週間の食事計画をたてた.とにかく次の入院までに体力を増強するのが目的だ.以前タンパク質はさかなと大豆でとる,なんて宣言したが,今週だけは煩悩(本能)の赴くまま食べることを許してもらおう.とはいっても高級レストランとか高級食材を求めるのではなく,引き続き庶民目標を増やして行くだけである.ラーメンとか刺身とか焼き肉とかその程度;笑.なんせ息子がいるのでその馬鹿食いぶりに触発されたようだ.
今日は,これから格闘技,ダイナマイトを見る予定.正月はやはりテレビでスポーツ観戦かな.できれば目も改善すれば,また太陽を一派浴びたいものだ.青天の霹靂だった今年も後5時間を切った.来年も引き続き皆の強いバックアップを受け(本当に強い支えとなってる,ありがとう,大感謝)精神だけは前向きに行きたい.そうすれば体も追いついてくるだろう.頑張ろう.皆で良い年を迎えよう!.
2007年12月31日月曜日
煩悩
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:43
2007年12月30日日曜日
歴史
日曜日: 目は少しずつ改善.利き目の左の方の調子が戻って来た.左の方が視力は悪いのだが,近くに関しては以前から左の方が安定していた.右目は遠くは◯なのだが近くは今イチピントがぼけていた.なので左の回復は嬉しい.お昼には息子と庶民目標その2であった吉野屋の牛丼にでかけた.無事並盛りをお新香とともに完食.この進歩.でも昨日の MACと同じようにあまり美味しくなかった.前は結構好きだったのに.それよりも息子が初めて奢ってくれた.今日は歴史的な記念日だ:笑.
歴史と言えば,好き嫌いはともかく,授業やテストに関してはまるでダメで,まともな成績をとった記憶が一切ない.娘に言わせると,それは全体の構図や関係性を理解しないからよ,暗記じゃないんだよね,と言う.それはまさに物理や数学の公式についていつもこちらで言ってることではないか.娘は理系なのであまり歴史は関係ない筈なのだが,センター入試があるので社会も大事なようだ.といいつつ,得意科目は「倫社」らしい:笑.だって近代史を理解するだけでいいじゃん,とのこと(短いってことね):笑.これこの科目だけは高校で文系を入れてもかなり上位の成績のようだ.が,理系なので倫社が得意でもねえ...と親としては複雑(冬休みも倫社をやってるらしい.うちの大学を受けるなら化学ももっとやれよ!)
家内はかなりの洋物ミステリー好きで,家にはミステリー,SF, サスペンスものの洋書に溢れている.もちろん毎日の映画( WOWOW, CS など)も彼女には欠かせない.(最近アマゾンでの洋書オーダーの仕方を伝授したので,定期便のように洋書が届く:笑)また,テレビ番組でも歴史もの特番には,和洋問わずミステリーなところが含まれているので面白いとも言っていた.ディズニー?映画の「ナショナルトレジャー」1,2が何で面白いのか,フリーメイソンって秘密結社があるんだぞ,と教えてくれた.息子に何時映画に行くのかとか,と聞いていたが,本来なら家内と映画に出かけていたのでちょっと申し訳ない.(今は人ごみを避けてる映画館は×.それ以前に今は目が見えないけど:苦笑)
自分は全く歴史には不案内で,学科や大学院の教養高い先生方とその手の話が始まると,全くついて行けず,しかもうかつな発言もできず:苦笑,いつも蚊帳の外で寂しくしている:爆.でもモノにまつわる歴史や伝統は大好きで,大切にすべきことだと思ってる.(なので「何でも鑑定団」のファンです.自分には骨董の趣味はないけど.)今は面影もないけど,会社勤めの際は,所謂トラッドなスタイルが好きでかなりこだわっていた.でも所謂 IVY スタイルは嫌で,少しモダンな要素を入れた方が好きだった.なんて懐かしいね.MENS CLUB なんかも愛読していたし:笑.
オスカーピーターソンを観たイギリスでも,帰国時間を惜しんでかけつけたのが,バーバリーの本店だった.帰国前日に行くと翌日からバーゲンということだったので,帰国時間を確かめつつ,また狙いの品物を定めつつ,帰国当日の午前中にダッシュして,狙いのレインコートをゲットした.伝統のバーバリチェックを少しモダンにしたチェックが出始めた頃で,それを格安で買って帰った.もう25年も前のことかな.もちろん物持ちがいいので:笑,機会は少ないが今も大事にここ一番の時に着るようにしている.いいものは時間に関係なく素晴らしいよね.
長い前ふりになってしまったが,実はここからがメイン:御免なさい.その時の海外出張は実は3週間世界一周の旅で,ヨーロッパに渡る前に,アメリカも訪ねた.新婚旅行で行ったハワイを除けば初の海外.サンフランシスコ,アルバカーキ,ボストン,プロビデンス,ニューヨーク,パリ,ロッテルダム,ロンドンを訪ねた.何れも当時会社で使用していたエンジニア用のソフト会社訪問と学会参加が目的だった.当時はもちろんメイルもウェブもなければファックスさえ一般的では無かった頃である(テレックスはあった,死語:笑).
そんな中で初めてだというにの,旅程を勝手に変更して,まともな英語も出来ないのに,いきなり電話してキャンセルだの予約をしていたのを思い出す.今でもヒヤヒヤするね.具体的にはボストンとプロビデンスの間にニューヘブンがあったのだが,どう理由かそこをキャンセルして,ボストンとプロビデンスの滞在を1日ずつ延ばした.ボストンでは今は高級ホテルが立ち並ぶベイサイドにある,ボストンパークプラザホテルに予約を入れた.これも歴史のあるホテルだ.1階に RED ROBSTER じゃなくて,有名な REAGAL SEAFOOD もあった.もちろんそんなところには入らず(入れず:笑),フィッシュマーケットでクラブ(カニ)サンドを食べてしのいでた.もちろんボストンの歴史を辿るフリーダムトレイルも歩いたし,フェンウェイパーウにもいって,レッドソックスのサヨナラ勝ちを地元の人達と一緒に興奮した.(ちなみにあの頃は一ドル250円くらいで,マクドナルドで食べるというのは,とても高価なことだった.)
飛行機もキャンセルし,ボストンから Amtrack でプロビデンスまででかけた.後にも先にもアメリカで地下鉄以外の列車に乗ったのはこの時だけだ.外で「プロビデンス」と駅員さんが言ってるのに,ドアが全然開かない(自分であける!)ので焦った記憶もある.さて,1日早くついたので,そのまま目的のソフトハウスを訪ねた.ABAQUS という,今では業界 share NO.1 の解析ソフトを作っている会社だ.その会社はまだ出来たばかりで小さく,普通の家だった.自分もまたこのソフトの日本人ユーザ第1号として訪ねた.
一日早い訪問にも拘らず,皆暖かく迎えてくれた.その日の夜は創業者の家に招かれ,フリーウェイを一時間弱走り,森の中の邸宅に入った.庭と言うか森と言うか,馬,犬などの動物も沢山いた.夕食になり,一家の主が皆のステーキを切り分けるといった,テレビのドラマの一場面を体験してる中,奥様が「ABAQUSはこの家で生まれたのよ」と話してくれた.ABAQUS というのは ABACUS のもじりで所謂ソロバンのことだ.社のシンボルとしてソロバンの絵も使われている.奥様は更に「あのソロバンのさす数字は,ABAQUS の生まれた日でもあり,娘の誕生日でもあるの」と教えてくれた.まさにソフトの歴史があのシンボルに築かれているのだ.この日以来,今でもウチの研究室では,(授業では使っていない!)ABAQUS を使い続けている.今では創業者も引退し,会社自体も大手に売却されてしまったが,あの創業者の想いがソフトにしみ込んでいる間は,今後も使い続けることだろう.
なんか年末スペシャルのような,超長文となってしまった.自分にとって明日ではなく今日が1年の区切りと思っている.本当は明日からが抗がん治療第3クールの開始だったのだが,主治医の先生の治療計画,と言うよりは思いやりから,明日からの1週間も休薬期間としていただいたのだ.なので,明日からの7日間は噛み締めるようにゆったりと過ごそうと思う.きっと自分の歴史の中で思い出深い1週間となるだろう.
投稿者 ngcoryell 時刻: 15:18
2007年12月29日土曜日
指
土曜日: 昨日の疲れがどっと出たのか、通常通り6時に起きた後、9時には起きてられなくなりまた熟睡。11時に目が覚めて家内と目医者に。目はまだまだ駄目だが、少なくともまっすぐは見れるようになったし、まぶしさも和らいだ。テレビも霞み目で普通に見れるし。今日は昼食に、庶民目標であった BIG MAC を食べた。問題なく食べれて食欲が普通に戻ってることに家内も驚いていた。その後シュークリームも食べた:笑。久しぶりに食べた MAC は、味が複雑であまりおいしくなかったけど、食べれたこと自体はうれしかった、今度はもっと straight forward なハンバーガーにしよう。
ところで、副作用で肌がひどく乾燥するようになり、両手もつねにかさかさだ。なので家内の化粧水やクリームを借りて女性のように潤いを与えている。手のひらを見てみると、見るからに指先以外はしわが増えており、一方で指先はつるつる、指紋がほとんど見えないくらい(目が悪いせいもあるけど)。昨日久しぶりに WINDOWS PC (think pad x61)を立ち上げてみれば、なんと指紋が認証されない。。。いやあまいった。何度やっても駄目。困った。PC の方はどうでもいいけど、これでは米国に入れないではないか!!それでなくても入国の度に何度もやり直しさせられるのに。
指といえばギターを弾くには左手も右手の指も必要。この間勢いで気持ちよく弾いたが、時間がたってみると、指がまったく動かないことに気づいた。ロボットのような指先の動きはできるのだけど、いわゆる細かい微妙なことが右も左も何もできない。ピックはまだ使ってないけどストロークはできるのかしら。。おまけに、ちょっとした接触で指が切れるのだ(あか切れ、ひびわれのように)。ちょっと悲しい。けれどいいリハビリかなと思っている、目がもっとよく見えるようになれば、新しい曲に挑戦してみるつもり。
目が見えないのによくメイルが打てるね、と言われることもあるが、そこは文字通り BLIiND TOUCH と後は脳内ソフトウェアでおぼろげな文字を認識することでしのいでいる。そんな時に pc の日本語変換は貴重だ。なぜ Think Pad を出したかといえば、愛用の MAC のことえりがあまりにお馬鹿さんだからだ(理由はそれだけではないけど)。でもこれでかなり効率が上がる。タイピングだけは、指はまだ動いてくれる。このときに、今はお馬鹿な変換でタイプのリズムを損ねて欲しくないだけだ。
といいつつ根っからの MAC FAN である自分は、iPod touch をハックして機能増強ばかり考えている。touch も指先でコントロールできる。つるつるの指先でも反応でしてくれる、可愛い愛器である。
投稿者 ngcoryell 時刻: 14:58
2007年12月28日金曜日
吉日
金曜日: 今日は2ヶ月ぶりに大学にでかけた。今日でかけることを目標に体調を整えていたので心の準備は万端。体調の方はお腹は上々、目の方は、まだ霞むが何とか持つだろう、いや今日は持たせる。サングラスをかけてアウトランダーで出かけた(家内の運転で)、狭い道をウダウダいいながら、何とかこすらずにキャンパス到着。
今日は登校可能な最終日で、うちの研究室では例年4年生の発表を行い、修士も進捗を述べて、大掃除をして忘年会に臨む。その学生の発表が終わった時点で合流した。最終日だけにさすがにキャンパスは静かだ。そのまま新棟の1室に向かい、ほとんどの学生と久しぶりの面会。いやあ力をもらった。途中、もう目が見えなくて涙がでてるのか、感激して涙がでてるのかわからないくらい。ほかポスドク、助教さんたち、それから同僚の先生方2名と歓談し、あっという間の2時間だった。
帰宅したらさすがに疲れてばったり。でも興奮して眠れなかった。3時間!ほど横になってから夕食。今日は学生は中華街で忘年会ということで、こちらも家内に黄金チャーハンをリクエストした。まあ、お腹は何とかなるだろう、学生と一緒に楽しんでいるつもりで、ゆっくりいただいた。テレビでは、ミキティと真央ちゃんの一騎打ちを放映していた。後で娘が騒ぐ前:笑、に眠りにつこう。今日はこれでおしまい。お疲れ!いい日だった。
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:28
2007年12月27日木曜日
よしなしごと
木曜日: 体調はかなり改善.まだ目はかすむが顔を上げれないということはなくなった.新聞や単行本に目を通した後で漫画雑誌を読むと,すごく絵も字も大きく感じる.明日は久しぶりに外出するので,とにかく今日は体力温存して休んだ.だいた目を休めて,と言われると,両目がぼけている身には寝るしか無いね.目を瞑って音楽を聴くだけでもすぐ熟睡するし:笑.
つまらない老人力の話を幾つか.外出用にサングラスをかけてみると,右目が見えない.あれどうした,と焦っていると,娘が,父ちゃん,値札が右目についてるよ,その後目医者にでかける時に車にのったとたん,また目がかすむ,目薬をさしても改善しないので,困っていると,家内が,サングラスが曇ってるよ,だって.万事がこのようなものである,弱者には優しくしてあげよう!
昨日のニュースでオスカーピーターソンが逝かれことを知った.彼の偉大さを述べることはメディアに任せるとして,自分には思い出深いピアニストだ.最初の国外出張でイギリスに出かけた時に,まずヒースローで雑誌ぴあのようなものを手に入れ,見に行けるコンサートを探したときに,見つけたのが彼のコンサートだった.ギターがジョー・パスだった(これも凄い!).彼の88鍵を自由に動きまくる指の見事さに見とれる反面,静かな曲でのリリカルな演奏には心が休まったものだ.
そのコンサートはロイヤルフェスティバルホールで行われたが,いわゆる入り口の切符のもぎりがない,とか,休憩時にイングリッシュティーを30分以上楽しむとか,白人の客,正装者が多い,とか文化の違いを感じたのが懐かしく思い出される.某新聞にも書いてあったが,2年前の最後の来日コンサートにはもちろん駆けつけた(当時のピアノの学生パートナーと).その時の前座が上原ひろみだったのだ.実は彼女を知ったのはその時が初めてだった.で,それ以来の彼女のファンである.モダンな今風のピアノやキーボードを弾く彼女だが,一曲だけオスカーに捧げるといって弾いたピアノソロが忘れられない.アンコールで見せた彼女の涙も印象的だった(前から3列目で見てた!).
今日は明日のためにブログを早めに切り上げる予定であったが,オスカーのことを思わず書いてしまった.冥福を祈ります.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:22
2007年12月26日水曜日
真直ぐ
水曜日; 体調の方はかなりよくなってきた.お腹の調子も元に戻ってきた.目の方はさすが医者いった甲斐があり,まだモニターは余りよく見えないものの,眩しさはなくなり,新聞や漫画は読めるようになてきた.モニターってやっぱりきついんだね.今朝はちょうど満月だったので,月光浴を少しだけした.日光浴より光が少ないので快適だ.風邪をひかない程度に切り上げて入浴した.
今日は大学で修士1年生の審査会がある筈だ.今年は2名.なんとかぎりぎりで ppt を見せてもらったけど,馬脚を表さなければいいが:笑.その後の懇親会で見せる研究室紹介ビデオも見せてもらったけど,こひらの方がはっきり言って力が入ってる:苦笑.また virtual 先生も登場してた.最近の学生はこのあたりのプロデュース能力が高いね.
今日食事の際に家内に,最近喉の通りが悪い,という話をすると,それは下を向いて食べているからよ,と言われた.確かに一杯空気も入る.そもそも眩しいから常に視線を下向きにしなければ生活できなかったわけで.でも目が良くなって来て,かなり普通にものに対峙できるようになってきた(かなり大げさ).真直ぐにものを見る,人生の基本だ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:53
2007年12月25日火曜日
眼科
火曜日: ようやくストップ・ザ・下痢。後は目だ。今日は予定通り目医者へ。有名な町医者は予約制で来年8日にならないと診てもらえないという人気ぶり。
ので変更して家内が買い物をし易い駅近くの目医者に出かけた。結果的にすいていたし、何よりガンのことをよく理解されていて、こちらの状況を把握してくださった。結果は両目角膜に傷がついているのが全ての原因。傷の原因は不明だが、少なくとも粘膜が弱っていることは確か.心当たりがあるとすれば,目を洗ったときにタオルで傷つけたか.
目への副作用として有名な,Steve-Johnson 症候群というのがあるそうだが,その場合はもと周りの皮膚がやられるということで,どうやらそれではないらしい.目薬と軟膏(何と目の中に塗るのだ)をいただいて帰宅.帰りにタイヤキを買って車のなかで食べた.食べれるようになっただけでも進歩.ささやかな自分へのクリスマスプレゼントかな.
後は目の回復を待つだけ.頑張る.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:07
2007年12月24日月曜日
クリスマスイブ
月曜日: 体調は平行線.昨日色んな方からサングラスをかけて目に優しくした方がいい,とアドバイスされたので部屋の中でもかけることにした.生憎サングラスなど社会人になってからはかけたことがないので,どうしようかと思ってたら,家内が昔のサングラスの有り場を知っているというので出して来てもらった.おーお,最初にもって来たくれたのが,例のマッカーサーがかけてたことで有名なレイバンのモスグリーンの垂れ目タイプ(本物,死語?).かなり目が真ん中に集まる感じのもの.それ以外は所謂ファッショングラス.
このレイバンかなりの優れもので,傍目からは目が隠れるが,実際にかけてみると実に視認性が良く,家の中でも左程暗くならない.外に出ても紫外線等をちゃんとカットしてくれるのだろう.これケースも残っているので,奇麗に保管しているとやがては何でも鑑定団でプレミアムがつくのでは,と思ってしまう(もちろん妄想:笑).で,家でかけていると,娘から,昔のフォーク歌手みたいだ,と言われた.exactly..昔はそれをきどってかけていたものだ.
今日クリスマスイブ.目は2時間持てば良い方だし,そうそう寝てばかりもいられないので,時間を結構持て余す.目が辛いと目を閉じている寝ちゃうし:笑.そうこうているうちに,家内がギターでも弾いたら,ちょうとサイレントギター持ってるじゃない,と勧めてくれた.そう言えば最近は全く触ってもいない.あれなら昔の曲なら多少目が霞んでいても弾けるね.ということで1時間以上時間を費やせた.勢い娘にクリスマスソングを歌ってやろうか,と聞いたら,やんわりと断られた:苦笑.メリークリスマス!
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:39
2007年12月23日日曜日
スパイラル
日曜日: 体調は相変わらず底を徘徊中.下痢は少し治まったか.目の方は最悪で,このまま焦点が全く合わなくなったらどうしよう,とか思わず考える.思わず声に出して言うと,家内から叱咤の声が飛ぶ.そう弱気ではいけない.
ほぼ同じ頃入院していた義父も無事退院しており,この間電話でお互いの体重を報告しあったら,まだキミは僕の二倍くらいあるね,と笑われた.その義父の見舞いに家内がでかけるというので,自分の車で行ってもらうことにした.なんせ乗ってないのでバッテリーがあがるのが心配だ.
それよりも心配は,スモールカーしか乗ったことの無い家内が無事大型車をぶつけられずに到着するか!?高速は快適だろうえkど,駐車場とか小回りがやはり心配,無事往きは大丈夫だったとの連絡.よかった(ちなみに車はアウトランダー!いつまでも昔の会社に忠実;笑).
ナビの使い方だけ,教えていたら,手元から上原ひろみの「スパイラル」が出て来た.探していたのだが,車にあったのか.今日はこれを聞きながら休もう.スパイラルと言えば負のスパイラルなんて言葉が出てくるが,できればスパイラルでなくてもいいから,少しずう正の方向に向かって欲しい.
目の調子が良くないので,ブログの方はしばらくはクリスマス休暇にするかも知れない.ご容赦の程を.では一日早いけど,良いクリスマスを.
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:49
2007年12月22日土曜日
ドーピング
土曜日: 状態はあまり変わりなし.下痢の方はさすがに昨日先生から幾つか薬をいただいた.聞くところによると正露丸というのは最強の下痢止めだそうだ.おそるべし日本の生薬.今回は正露丸程ではないが,ここ一番の下痢止め,普通の下痢止めそれから整腸剤,ガスを押さえる薬を処方いただいた.1週間分.この間の経験ではそのうち効いてくるはずだ.
それよりも今は目の方が辛い.見えないといえば大げさだが,焦点が合わない(ショボ目で)のがこんなに辛いとはしらなかった.手持ちの市販の何でも無い目薬が特効薬で,一滴たらせば視界も焦点も一瞬にして広がるのだが,まあそれに頼ってもねえ.昨日の話では副作用というころで,もうしばらく様子を見るが,週末改善しなければやはり医者に行こう.昨日読んだ新聞には副作用で皮膚がやられ目の角膜もダメージを受けた記事があったので心配は心配.
副作用を甘くみていたわけではないが,所謂髪の毛が抜ける,とか,気分が悪くなり吐き気を催す,とかばかりに気を取られていたが,全然甘かった.システムの基盤となる要素がちまちまと痛んで来ていて,それが蓄積して,表面化してくることがやっと分かった.これでシステムが機能しなくなるわけだが,これを防ぐ一番の方法は抗がん治療を止めることなのだろう.これは2者択一問題である.何の quality を取るかということなのか.
でも自分は,なんとか抗がん治療を乗り切ろうと思っている.何でも一気によくなるわけではない.地道に頑張る.このブログやメイルのやり取りも今は本当に限られた時間でやっている.Display は目によくないことは百も承知.というわけでもないが,最近は iTouch をよく利用している.小さいのに..ということは全然なく,自由に拡大できるし,目に優しく調光することもできる.あれが読めなくなると本当に悲しいね.
最後に,アメリカの野球界でドーピング問題盛んに報じられる.自分は使用していないが,他のガンの治療にステロイドを使う場合もある.それを使うことによる副作用,使っているときの筋肉や気分の高揚とは裏腹に,副作用が地道に蓄積しているのだ.それは競技を止めたときから現れるのだ.正常な人体なら決して使ってはならないね.これはまさに実感である.
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:09
2007年12月21日金曜日
年内最後の外来診察
金曜日: 本日も晴天なり.今日は1週間ぶりの外来診察.今日血液検査の結果を見て今後の方針を決める.体調は底を徘徊中.目はかなりつらい.寝ればドライアイのようになるし,まぶしい中では涙目になりあまり開けてられないい.今日の話によるとやはりこれも副作用らしい.
TS-1 による腸壁の破壊は絶好調で,今日は動いても腸が反応し,ガスがたまり腹痛や下痢を誘発する.往き帰りの自動車が少し舗装の悪い道を通る度に,どきどきする.でもなんとかやり過ごした.今日は先生にも,顔見知りの看護師さんにも,今日が一番やつれてる,といわれた.そうだろう,ここ1,2日殆どカロリーを摂取できていない.
肝心の血液検査の結果は,幸い良好.腎機能も落ち着き肝機能も問題ない.またガン関連の数値も改善されていてこちらは◯.白血球が少し低めでやはり免疫力が低下しているが問題のある数字ではないとのこと.問題は TS-1 による副作用が結構顕著になってきたので,先生からアメリカ人には多いんだけど,日本人では少ないんですけどね...(確かに体型はアメリカンではある:苦笑)
といことで,来年からは抗がん剤の組み合わせを変えることに.できるだけ体力をつけてから再開するということで,休薬期間を2週間から3週間に伸ばした.この1週間は左程問題ないらしく,抗がん剤の効果はこの数字を見る限り1週間延ばしても大丈夫ということであった.のでお正月は抗がん剤のお世話にならなくて済む.これは嬉しい.
明けて正月7日から再入院し(短期),新たな治療を受けることになる.この1週間の体調の変化はまるで天国から地獄のようであった(まだ続いているけど;苦笑),でもこの間良く寝て,また色々な発見があった.これはまたの機会にでも.とりあえずお疲れの日だった.
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:39
2007年12月20日木曜日
顔文字付き解答
木曜日: 今日も晴天.体調は左程変わりなし(つまり低調).多少熱気が改善されたか.目の乾燥が酷く,お腹の具合も改善なし.明日の診察が気が重い.でもこの程度で落ち込んでられない.
昨日夜中助教の方からメイルが届いた.彼には野口の後期野口の授業を2つ渡した(感謝).そのうちの一つの授業は毎回演習を行い答案を集めて採点するのだが,ある一枚に自分へのメッセージが寄せられてたということで,scan して送ってくれたのだ.
「先生大丈夫ですか?心配です!!先生の授業受けたいです!!!。・>_<・」とあった.この授業は2年生科目必修で,その他にも春も合わせれば全部で2年生科目を4科目持っており,学生への露出度は高い方だ.なので一人くらいこのような学生がいても不思議ではない.(筆跡からすれば女子学生?でも段々忘れられて研究室には来てくれない:苦笑)また,最大160名,半分のクラスでも80名いるので,なかなか顔と名前が一致しない,ので一体誰がくれたのか検討もつかない.
でもそれでいいのだ.昨日はいたく感激して楽しい夢ばかり見た(単純).そこでは元気な自分がいるのだ.昔学科の新入生に「40を過ぎるとなかなか感動を力にできないが,まだ20そこそこの君たちは,いくらでも感動を力に出来る」なんて一席をぶったことがあるが,とんんでもない(大反省),50前だって感激を力に変えてみせる.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:22
2007年12月19日水曜日
湯治宿
水曜日: 今日も体調は低調.前回の休薬期間から下痢は想定していたけど,この体全体を襲う悪寒と久しぶり?の間欠的な下腹部の痛みが少々辛い.少し我慢すれば治まるのだけど.なんか同じことを繰り返し書いてるね.でも朝はいつも元気で腕立てはやってます:笑.午後からがねえ...
親友が,湯治には秋田の玉川温泉がいい,と勧めてくれた.この温泉の効用については,この温泉をテーマに学位を取った方が7名もいるくらいのもので,とても有名なところだ.自分は,某新聞の末期がんの記者の方が掲載されていた「生けるものの記録」で読んでおぼろげに記憶していた.
少し web で調べてみると,温泉は強酸性で,また温泉周辺で岩盤浴(ラジウム石)ができるそうだ.残念ながら今の気候と自分の体力ではとても秋田まで行けないので諦めていたが,いろいろ調べてみると,熱海に(新)玉川温泉から運んで来た岩で岩盤浴ができる湯治宿を見つけた(新玉川温泉にある湯治宿の姉妹店).これならば行けそうかと,家内とほぼ決めていたが,外来診察の予定が入り,うまくスケジュールできずパーに.まあ今の体調だと厳しいかもね.でも,小さい目標だけど目標を置くことも大事だ.
と思いきや,研究室の OB が全国湯巡りといった風情の入浴剤詰め合わせを送って来てくれた.嬉しいねえ.昨日は十和田,今日は湯布院ということで,毎朝少しだけの幸せを味わっている
明後日は再び外来なので,それまでには調子を戻したい.今が底の状態であるように.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:26
2007年12月18日火曜日
もみじと夕日
火曜日; 休薬二日目.今が一番キツい時.実際に投薬してるときより,休薬の端境期の方が辛いことはしらなかった.なんというか,細かい体の変化が一気におころうとしている感じ.きっと治る力が頑張って,化学療法ででた膿みを出してくれてるのだろうと思う.ここは我慢.
もう冬も本番を迎え,紅葉も終わる頃か.12月頭の京都での国際学会では奇麗だったそうだ.また先週(かな?),元会社の同僚が京都にでかけたようで,彼女のブログに一杯紅葉の写真が掲載されていた.彼女も今は会社を離れているが,所謂才女で,仕事,音楽,写真なんでもござれである.彼女とは昔バンドやギターヂュオで10年くらいやってた.
その彼女今はフリーで仕事をしているが,なんと写真まで仕事にしてしまったようだ.京都も紅葉はおまけで,何かしらの展覧会の報道カメラマン(ウーマン?)として出かけたらしい.確かにブログに出てる写真はどれも構図にしろ光の使い方にしろ,妙に上手だな,といつも感心していた.会社当時は数多くのイラストも書いていたので,見た瞬間の風景をフレームにとらえるセンスが長けているのだろう.もともと理系だしカメラのメカにも強いのかしら.
実は最近友人から,太陽エネルギーもいいけど月もいいよ,とか,夕日に映る紅葉もいいですよ,是非写真とって下さい,とか夕方以降の外出を勧めてくれる:笑.で,月はもう一度写真に納めたので,夕日の紅葉にチャレンジ(今日でなく10日程前).近くには紅葉(もみじ)公園がある.携帯ではなくちゃんとしたデジカメを持って行ったが,腕だけではなく場所も悪く,そもそも物理的に夕日に映える紅葉を穫れる構図ではなかった:苦笑.なので写真は,「もみじ」と「夕日」別々に:今はこれが精一杯かな;笑.
大学からの依頼書類が多くそれも片付けなくてはいけないのだけど,ついついスラムダンクの2度読みをしてしまう!娘のことは怒れないなあ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:43
2007年12月17日月曜日
Seasons Greeting
月曜日: 休薬期間開始.とてもハッピーな筈だが,投薬から休薬に切り替えた当初が体のバランスが崩れ調子が悪くなるのは体験済みなので,ここははしゃがず慎重に.やはりお腹の調子,少々の寒気や熱っぽさを感じるので,今日は一日いうもより多めに寝ていた.それからショボショボする目で,新聞や本は読めるが,モニターやテレビはきついことが分かった.当分ブログも短めに切り上げる.
今年の年賀状をどうしよううか,と考えた.家族は一杯時間があるからいいじゃん,と言うのだけど,やはり添える文章を real に書くのは,枚数的にも気分的にもとても重い.かといって,白々しく「お元気」と書くのもねえ.という訳で今年は年内に書くのは辞めて,出せたら返事だけ出すことにした.おそらく正月は TS-1 を飲んでるから,どんな心境で書くのだろう.
一方,研究室では OB, OG に研究室年賀状を別途送っている.例年,年に一度の合宿の写真に文章を添えて送っているが,これは送ることにした.また,OB, OG にはちゃんと病気のことを伝えるつもりである.12月始めに行われた合宿には自分は参加していないので写っていないのだが,昨年のキャンパス祭の際に作られた先生看板が合宿に同行したようだ.集合写真には看板はちゃんと写っている:笑.この virtual 先生,合宿のミーティングの際にも椅子に座って聞いていていたようである(写真).
この virtual 先生,卒論や修論の審査にも登場するのか!?できれば生身が行きたいね.
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:03
2007年12月16日日曜日
第2クール投薬終了
日曜日: 今日で2クール目の投薬が終了.明日からは少しずつ副作用から開放される.熱をなかったし,吐き気や気持ち悪さは殆どなかったが,皮膚や粘膜系が相当弱るみたいだ.発疹の後がくっきり残るし,唇の口内炎は予想以外にきつく歯磨きの時が辛い.鼻血なんかそれこそ30年ぶりくらいに出たし,花粉症?による目のしょぼつきはかなりキツい.家内が言うに,その手のことに慣れてないのね.
ちょっと体のバイオリズムも狂ってるらしく,初めて食後に TS-1 を飲むのを忘れた.早めに朝寝に行こうとして何か忘れてることに気づいた(老人力).薬を飲むために療養しているのにね.早めに朝寝をしたら早めに起きたので,いい天気に誘われて正午前に散歩に出かけたら,富士山のてっぺんだけ見えた.奇麗だ.いたく満足して鼻水と涙(感激ではないよ)でぐしゅぐしゅになりながら30分程歩いて戻った.
いつもと早めのペースで昼寝もしたら,起きたら浦和対アフリカ代表の試合の真っ最中.今日だけは浦和の応援.このところ浦和の試合をずっと見てきて,すっかり家内も僕もワシントン選手のファンになっていた.なんかプレイだけでなく感情もあらわで好感が持てる.visual もいいしね.今日は PK も入れて3点入れたのでとても happy.来季はブラジルに帰るのが残念.
最後は Penalty 戦になったのだが,これだけは喜怒哀楽のドラマ満載で何時もドキドキする.最後浦和の GK が止めたときは本当に力が入った.浦和3位おめでとう.Penalty と言えば,息子のサッカーも Penalty で始まり Penalty で終わった.中学1年のデビュー戦で PK 戦の1名に抜擢され,ダフって(地面を蹴って)ちょろに終わった.(家内とため息をついて後で怒られた:苦笑)高校最後の試合も見に行ったが,これまた PK 戦になり,またもや息子に回って来た.殆ど直視できなかったが,見事に決めた後のガッツポーズだけは忘れない.(注;写真は PK ではないよ)
前回の休薬期間中は最初の一週間少し油断して,酷い下痢で辛かった.今回は用心に用心を重ね,いいクリスマスを迎えたい.
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:21
2007年12月15日土曜日
GP
土曜日: 昨日の今日でちょっとお疲れ.先生にこの時期の下痢は TS-1 の排出した方がいいので下痢止めは飲むなのとのこと.というわけで今日明日はお腹の調子と相談して過ごす.それよりも目の調子が悪い.しょぼしょぼが極端になり,すぐに涙目となって目がかすむ,こんな時,PC の画面は最悪.
GP と言えば,今日明日とフィギュアスケートの Grand Prix Final がトリノで開催されている.娘はミキティが出ないので大変ご機嫌ななめ.出る日本の選手に対してやれ倒れろだの失敗しろだの,親譲り?の性格の悪さを見せている:苦笑.なんかお気に入りの外国の男子選手もいるようだが,テレビでは編集されて放送されないらしく,これについてもご立腹だ.受験勉強の息抜きにテレビを見てるのか,息抜きに勉強しているのか:笑.
同じく卓球も GP Final が開催されている.こちらは北京.すでに日本選手は負けてしまったが,これも世界各地で開催される GP プロツアーに参加した上位男女16名が出場資格を得る.ここでの成績が北京五輪への出場資格にも関わってくる.日本期待の福原選手は第1試合を予定されたが,彼女は中国でも人気が絶大だそうで,急遽中国でのテレビ生放送にあわせて,1試合目からもっと後の方に変更されたそうだ.日本だといくら福原選手でも,当日に試合順の変更などあり得ない.フレキシブルなのか,いい加減なのか:笑.
実は福原選手,昨年度日本選手権女子1位の平野選手と組んで,今年のプロツアーオーストリアオープンにおいて,元世界チャンピオン通しが組む中国ペアに初戦で勝ってあれよあれよと優勝したのだ.二人ともまだ現役でありシングルでは中国選手以外にこの二人には勝てる要素は全くない.このことは殆ど報道されなかったように思うが,これ奇跡ではないかと思う.例えは悪いが,弱小インディーズのタッグ王者が馬場猪木(古!)に勝つようなものだ.或は浦和レッズが AC ミランに勝ったようなものだ(御免なさい).というわけでこの勝利には心から拍手を送る.
GP と聞いて,何か忘れている気がしたが,そうだ,今日は大学の GP (Good Practice)プロジェクト(特色ある教育プログラム)のシンポジウムの日だった.途中中途半端に retire したので,どうなったか気にもなるが,まあそうそうたる面子で行っているので盛会に終了していることだろう.(実は途中で抜けれてちょっとけホッとしてる?!)
昨日は結果を聞いて,家内のテンションが上がり,勢いデパートへ行って(クリスマス)プレゼントを家族にたくさん買って来た.自分には定番の:笑,Fila のトレーナと来年用?の,帽子であった.帽子はちょっとキツかったが,来年になるとフィットしているはずだろうね:苦笑.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:29
2007年12月14日金曜日
2ヶ月経過
金曜日: 昨日じっくり寝たら,昨日の不調さが嘘のようにとれた.ただ少し喉が痛くなりそうな予感がしたので,イソジンで念入りにうがい.風邪薬を飲んでもよかったのが,今日は採血があるので変に影響のでそうな余計なことは自粛した.
また今日は快晴,気分も晴れて,いざ病院へ.今日は年末 or 新年からの治療計画を決める日,それから CT 画像を2ヶ月前のものと比べ治療効果を見る.かなりドキドキもの.家内は楽しみにしていると言ってた.
今日も高速,駐車場は順調で,なんかすべてがスムースに行く感じ.採血,検尿を済ませて例の新棟11階のレストランへ.今までは大抵お腹に優しいうどんだったので,やや緊張しながらクラブハウスサンドイッチを注文.:笑.マスタードに油断したが,特に胃腸に負担をかけることなく美味しく食べれた.うん,かなりの進歩.
1時間程待って診察室へ.結果は予定どおり?胃及びリンパのガンの方は順調に縮退.良かった!なかなか CT 画像をどう見るのか理解できかったが,先生の解説で,これが心臓,肝臓,と聞いているうちにだんだん飲み込めてきた.一番良かったのは腹水がなくなったこと.これがある限り,(ガン細胞が含まれてることがあるので)手術も出来ず他の内蔵への転移(特に肝臓)が心配されていた.腸,肝臓周りの腹水がないことは自分でも確認できた.また胃の炎症もなく,肥大していた胃壁も薄くなっていることがわかった.
もちろん,ガンが無くなったわけではないので,引き続き抗がん治療を継続.一般の腫瘍マーカは正常値(不思議)なので,ガン縮小のマーカとして肝臓ガンによく使われる指標を使うことになった.胃ガンの場合でも数値があがることがあるそうだ.実際数値は通常値を超えていたので,今後はこれを下げることが目標となる.
今後の治療計画だが,やはりシスプラチンによる腎臓への攻撃?はきつく,数字もあまり良くないので,これは止めようということになった.検尿による腎臓からの排出物に関して正常値なので機能としての問題はないそうだが,腎臓に繋がる細い管(だったと思う)がダメージをどうしても受けているらしい.これが壊れると何の治療もできなくなるそうで,大事大事をとりたいとのこと.
ここで代替の抗がん剤を3つ程教えていただいたのだが,皆複雑なカタカナで覚えきれなかった:苦笑.ただ腎臓に負担を余りかけないことは確かだそうだ.もちろんその場合はスキンヘッドへの道が待ってる.あーあっ:笑.家内も自分も髪なんか惜しくないので,すべては先生に任せることにした.(先生は決して強制しない.)
この場合,TS-1 とシスプラチンの場合と比べて,ちょっと投薬方法が変わるようで,今後の方針はまた外来で診察を受け決めることになった.休薬期間に週に一度また病院に通う.温泉湯治旅行は儚く消えてしまったが:苦笑,今日はとにかくガンが縮小していることが分かっただけで気分は晴れやかだ.いずれにせよ来週から2週間は休薬.少なくともクリスマスは安心して過ごせそう.大学にもこっそり顔を出す予定だ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:13
2007年12月13日木曜日
晴れない日
木曜日: 今朝は雨,多分退院してから,朝に雨が降ったのは初めてかな.今日は傘を探したのでそう思った.最近は新聞だけではなく,朝ゴミを捨てに行くのを日課にしている:笑.でも雨の日は気分が晴れない.
実は体調の方も少し晴れない.昨日あたりから,熱はないが頭がぼーっとしている.お腹も不安定だし,時折寒気もするし,副作用なのか,それとも風邪を娘 or 家内から貰ったのか(その割には鼻水もせきもくしゃみも喉の痛みももない,だから余計に?).明日採血があるので,少々不安だ.家内は一言 take it easy.
いやあ大変だね,この病気は.調子が優れないときの状況が毎回変わる:苦笑.目もしょぼしょぼするし,目から入る情報も一杯一杯になってきたので,今日は明日に備え(ついでに浦和 vs AC ミランにも備え),この変にして,大人しくしていることにする.(祝!入院から2ヶ月連続ブログ)
投稿者 ngcoryell 時刻: 16:13
2007年12月12日水曜日
Time Control
水曜日: 状態は殆ど変化なし.午前中は快晴.今週の土曜日までの締め切りが一杯あり,昨日はずっとそれを考えていた.それを次の日に持ち越すと,どうしても夢に見るんだよね.やっぱりこれはストレスなのかなあ.夜寝返りをうつと微妙に胃腸のバランスが崩れ,便所が近くなることに最近気づいた.このことを家内に話すと,そうなのよ,と相づちを打ってくれた.これまでの自分には無縁だったことがまた明らかに:笑.
土曜日までの締め切りは,来年の国際会議の申し込み.ハワイ!とベニスとニューヨーク(の田舎).自分の予定は立たないが,助教,ポスドク,学生もいるので放っては置けない.その前に,どうやって費用を工面するかもちょっと悩ましい.何とか来年くらいまでは食いつなげる予定なのだが.(今年研究費申請が全然できなかったので台所が厳しい.)
朝寝後,天気が良く気持ち良く起きたのだけど,いざ昼食をとろうとすると頭が少々重かった.風邪の症状は全くないので副作用か.いつも寝起きは調子よく,2時間程してから頭がボーっとするのだけど..こういう時こそ寝て直すのだろうだけど,天気がいいので上原ひとみを聞きながら10分だけ外にでかけた.
彼女のピアノは散歩のテンポにはちょうど良い.最新のアルバム Time Control にはギターも入っており、信じられないスピードでピアノとユニゾンでリフを弾くので全くたまげる.逆に寝る時にこのアルバムを聞くとびしっと目が冴える:笑.このアルバムはどちらかと言えば無機的な仕上がりで(感情たっぷりのバラードなんてない,と言う意味で),彼女の手は縦横無尽にピアノを駆け巡り,驚く程手数が多いのだが,不思議と五月蝿くない.何か猛スピードのフレーズの中にもテーマの骨格がしっかり聞こえてくるというか.うまく言えないが.とにかくこちらの気分に同調して,しっかり乗せてくれる.
そう言えば、上原ひとみの Time Control Tour 東京追加公演がこの間の日曜あった筈だ.今日は確か東京スカパラの武道館公演.来年早々には Police (Sting) が来るというのに,行けないのが本当に残念.これら皆,メイルで申し込み案内が来ていて,思わずポチっと押しそうだったのだが:苦笑,ぐっとこらえた.我慢我慢.
それよりも,今は如何に時間をうまく使うか (Time Control),年末の温泉湯治旅行についてよく考えよう.(サッカーを観ながらね.まだ間に合うみたい.)
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:04
2007年12月11日火曜日
Wisconsin Ginseng
火曜日: 今日も晴れかと思ったら,午後から雨に.昼前の日光浴はかろうじて出来たので良かった.窓際に座って今日は漫画を読んだ:笑.午後は散歩に出れないので,家中の部屋に掃除機をかけた.おかしい,息子の担当だった筈なのに.でも今家を一番汚しているのは自分だろうから,まあやむなし.奇麗になるとリフレッシュするしね.
先週金曜日に,UCLA の友人から,これを飲めといって Ginseng を二箱いただいた.友人は夫婦とも台湾出身で,恐らく中国3000年の秘薬:笑,を持って来てくれたのかと思った.が,実は Ginseng とは朝鮮人参のことであった(大感謝).これまでも韓国の友人にいただいたことがあったが,この手の知識は殆どなかった.朝鮮の名は入っても中国でも古来から服用されてたようであった.Ginseng は中国語の英語読みらしい.
いただいた箱を開けてみると(写真参照),Ginseng の粉末やエキスではなく root(根)がたっぷり入っていた.(家内曰く,これ高いぞー)ふと見ると Wisconsin Ginseng と書いてある.というからには米国産だ.家内が早速 web で調べたところによると,Ginseng には韓国や中国産の Asian Ginseng とアメリカ産の Wisconsin Ginseng があるそうだ.
これ名前だけでなく,見た目もちょっと違い,かたや皺がタテに入り,かたや横に入るのですぐ区別できる.実は効用も違い,Asian Ginseng は "Heating", つまり病気の回復時や調子がでないときの,Energy Boost に使われる.これは一般に知られているとおり.一方 Wisconsin Ginseng は "Cooling",すなわち,体の機能を正常に戻す,免疫力その他の体のシステムを強化する,ために使われるそうだ.
つまり,Wisconsin Ginseng は「治る力」を強めてくれるようだ.これはとても嬉しく家内と二人でとても喜んだ.ゆっくりゆっくりこの root を煮込んで,お茶のように,あるいは Chicken Soup として飲めばいいということであった.また効果は人により違うので強すぎる場合は root の量を調整してくれとのこと.
来週からまた休薬期間が始まる.治療中は色々制約があり,気持ちはともかくとして受け身で過ごしていたが,また少し行動をともにし. Wisconsin Ginseng にも try しようかと思う(前回はタヒボ茶を飲み始めたが下痢が酷くストップしてるのだ:苦笑).
今年の正月は残念ながら化学療法を受けることになる.なので来週からの2週間は貴重だ.クリスマスがあけたら,近場でいいので娘もつれて湯治にでもでかけようかと,家内と話をしている.行けたらいいなあ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:26
2007年12月10日月曜日
CT の1日
月曜日: 今日も快晴.体調は非常に感覚的なものだが,やや胃腸に違和感がある.痛いわけでないが,何となく CT に向けて不安.今日は高速はすいていて,1時間未満で到着.駐車場も順調で検査の2時間前に病院入り.どうも平日の道の混み具合は全く予想できない.受付を済ませて久しぶりに本屋に出向く.思わず衝動買い:笑.
CT は Computed Tomography の略で,コンピュータによる断層撮影,放射線などを利用して物体を走査しコンピュータを用いて処理することである.ちょっと調べてみると広義では.ポジトロン断層法 (PET)やや核磁気共鳴画像法 (MRI) なども含むようである.いわゆる CT 検査では,人間の輪切りなどの断面画像が得られるが,今日は画像処理技術向上によって3次元グラフィックスとして表示されることも多い.我々の研究分野では,この技術で生体内の血管の3次元構造を再現したり,生体に限らず車のエンジンの複雑構造を再現するのにも用いられる.
余りこのようなモデリングには関わってこなかったのだが,昨年から民間企業との共同研究で,この3次元再現画像から個々のパーツをラベリングする仕事を受け,多少は興味を持っていた.が,まさか自分自身が輪切りにされるとは思いもよらなかった:苦笑.今回の画像は14日(金)に見ることができる.入院時にとった CT 画像は,あまり直視できず(脂肪が多いなあと思う程度:笑),普通は写らないリンパが写っている,胃壁が厚いですね,との言葉のみが残っている.さて14日はどうなってるか(期待と不安で一杯...).
今日受けた CT では造影剤にヨウ素を用いる.注射で投入するのだが,喘息のある人にはよくないらしい.自分も喘息持ちであったが家を変えてからは一切生じてなく,今回も発作はでなかった.面白いのはこの注射を打つと,背中から後頭部にかけてホッかホッかになるのだ.でも看護婦さんに言わせれば,それは錯覚で,実際に温度は上がってないとのことだった.体内のセンサーが騙されるのか,センサ情報を処理する脳内プログラムが騙されるのか,今度この辺りに詳しい(部屋向かいの)同僚の先生に聞いてみよう.
検査は順調に終了し,新棟最上階の眺めのいいレストランに行った.日当りのいい窓際に案内されると,神宮球場その隣の美術館?が紅葉の映えた木々とともに見える.奇麗だ,家内の話によれば銀杏並木は葉っぱが散り,黄色の絨毯のようだったそうだ.我々の駅前のキャンパスもそうなってるかな,と思いめぐらした.写真を撮ろうと試みたが,逆光かつ窓越しで,技術もなくまるで×だった.最近の高機能デジカメではうまく撮れるのかしら.
家に帰ると息子がいた.息子は某プロサッカーチームの下部組織で神奈川における各種スクールのインストラクター,コーチが仕事になっている.それこそ幼稚園児からジュニアユース果てはママさんまで大忙しのようだ.先週入院中に FM 横浜にママさんチームで取材を受けたとのこと(本人は出なかったらしい.)写真はその模様である.(より詳しくは,http://blog.fmyokohama.co.jp/santa/blogs/304311.php 灰色のトレーナ)
結構有閑ママさんにもてるらしく,息子もちょっとは成長しているみたい.何が?:笑.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:40
2007年12月9日日曜日
K-1
日曜日: 今日も快晴.昨日あんなに頑張って食べたのに体重は更に 400g 落ちててがっかり.まあ本人は頑張ってるのだけど,食べている量は知れているので,仕方ないか.それでも昨日は満腹感があまり抜けず,眠りも浅かったし,寝起きも今ひとつだった.ついでに,昨夜見た K-1 グランプリの興奮?もどこかに残っていたようだ.
昨日は夜9時から,立ち技格闘技世界1最強を決めるという K-1 をじっくり見た.K-1 とキックボクシングやタイ式ボクシングとどう違うのかも知らない程度のファンであり,特に贔屓の選手がいるわけでもないが,プロレスも含め格闘系スポーツは好きなので,10年以上この K-1 のプログラムはフォローしている.真剣勝負の場とはいえ,10年も立てばいろいろストーリが生まれ,一種のドキュメンタリー風にも構成されている.
やはり一触即発のスリリングなところがたまらない.巨人大鵬卵焼き(死語?)ではないが,どちらかと言えば,強者に立ち向かう新進気鋭の若者を,強者が一蹴する展開が好きだ.(2,3年前のホースト VS ボブサップは面白かった.若者が強者を2度撃沈させたのでがっかりした.2度目は研究室の合宿の飲み会の最中で,一人部屋にもどって見てたのを思い出す;苦笑)
この K-1 グランプリ,1日に準々決勝から行うトーナメントで,昨日みた準々決勝4試合はどの試合も因縁(主催者がしくんだ?)があり,実際全選手実力者ばかりでどの試合も手に汗握って(ちょっと大げさ)見てた.となると,陸上競技の予選のように強いものが流す試合というはなくなり,1試合目からガチンコ勝負となる.
これはこれで面白いのだが,一日に決勝までやるとすれば,最初の試合で体力を消耗し,あるいは怪我をするため(特にベテランは),準決勝,決勝に続く程,試合はどんどん面白くなくなる.要するにただ試合が巧いだけの者や,とてつもない身体と体力がある者が最後に勝つという結末になり,最近は3年連続後者がチャンピオンとなっている.
ようは一か八かの全力投球型ヒッターや,スタミナが心配される年寄りの名ファイターは,必ずけがも含めて途中で消えるので,これがいつもちょっといまいましい.(K-1 Max の魔裟斗もそうだった.)大会自体は大盛会で良かったと思うのだが,関係者はきっとこのトーナメント方式に頭を抱えていることだろう.来年からは方式が変わるような気がする.(というか変えて欲しい:笑)
自分はこの手のスポーツは決してオタクではなく,健全なファンであるだけなのだが,余程昨日の試合に興奮したのか?,ちょっとだけ触れるつもりが,かなりの行数になってしまった.そもそもとして自分がプロレスやら格闘技が好きになったのは,高校1年の時に水疱瘡で入院し,その時の退屈しのぎに,新日本プロレスのリアル感に溢れる(その時はリアルだと思った!)勝負(坂口対大木だった:笑)を見て以来だ.
まあ,少なくとも元気は貰えたし,将来このブログを振り返ることがあれば,余程暇だったんだなあ,と笑うことだろう.もちろん大晦日の2つの格闘技興行は今からとても楽しみにしている:笑.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:16
2007年12月8日土曜日
一瞬の風
土曜日: 今日も天気は快晴.そろそろシスプラチン(味方なのに,時々中でも暴れる:笑)の副作用も治まりつつあるという感じ.このシスプラチンのおかげで今回も2kg も体重が落ちた.ちょうど5週間前の同じ頃やはり同様に減っていた.まあ食べれないから当たり前か.食欲も戻って来たので,ちょっと増やしたい.まあ地道に.
スラムダンクに続いてスポーツものの小説を楽しんだ.「一瞬の風になれ」は本年度本屋大賞や吉川英治文学新人賞に輝いた秀作で,高校の陸上競技を対象にした小説だ.スポーツが好きなら是非ということで,同僚が送ってくれた.3冊の書き下ろしを1日で一気に読ませるタイプの内容なのだが,目がショボショボしていたため:苦笑,1日に読めるところまで読んで,4,5日で読み終えた.最後は花粉で涙目になっているのか,感動でそうなってるのか.
この本は前から気になりつつ買う余裕もなかったが,こういう時間をとれるので自宅療養も捨てたものではない:笑.陸上競技と言えば,個人競技の代表的なスポーツで,究極の目標はオリンピック金メダルやインターハイ優勝とかになるが,それは一部の才能溢れた人達の目標である.多くの凡庸の人達には,如何に自己ベストを更新するか,が大切なことであり,結果として,試合の勝敗がついてくる.
この本では,主人公を通して,短距離走のための技術とメンタルのかかわり合い,試合や記録会における成長や挫折が3巻を通して細かに書かれている.が,これらはどちらかと言えばサブ的なもので,メインは高校の陸上競技部(団体)としてのチームの素晴らしさ,個人競技でありながら,個性のぶつかり合う部員が互いに切磋琢磨し,チームとしての共有感を持つことの感動であろう.
特に,陸上競技の中での「団体競技」であるリレーがこの本の華となっている.個人の能力以上に「バトン」を渡すことの重要性が(技術的に限らず)描かれており,リレーというののは,試合に出ている選手から選手へ渡すだけのもでなく,世代から世代へ,そして部員から部員へ受け継ぐものだと述べられる.特に最後に,卒業したばかりの OB から補欠選手も含めて6本の鉢巻きが渡されるところには,グッとくるものがあった.
一方で,この本には地味な陸上競技部の地道な努力と感動が書かれているわけではなく,登場人物は,十分な運動能力や才能をすでに有している.このあたりは,「スラムダンク」に通じるものがある(以下括弧).運動能力,身体能力は高いが陸上競技は素人の神谷(桜木),天才的な素質があるが,あまり努力しない市ノ瀬(流川),そのライバルの仙波(仙道)そしてサブプレーヤの面々.
このように能力の高い選手達が集まって,インターハイを目指すところも共通している.これが単なるスポーツヒーロものや根性ものになっていないのは,いずれも主人公だけでなくサブプレーヤも含めたその努力や挫折の日々についても,きちんと書かれているからであろう.またやはり過去に挫折を味わった,人間味溢れる監督が率いているチームでもある.
陸上競技における風は,自らが走ることによる生じる風であり,一瞬の風になれることの喜びをこの本から感じることができた.勢い自分の高校や大学におけるクラブ活動を思い出していた.自分は色んなことに手を染めていたので,ここまで一つのことにストイックにはなれなかったなあ,とか,イベントの最後でいつも歌ってた寮歌を結婚式で皆で歌った時は泣いた(家内も)とか.やはり多感な時代を共通の目標に向かって頑張ってたときの仲間は今も良い友人だ.
改めて,一人で頑張るわけではない,ということを感じさせてくれた本であった.感謝 to all.
投稿者 ngcoryell 時刻: 23:24
2007年12月7日金曜日
ちょっと一息
金曜日: 国際会議も無事終わったようで,関係者はちょっと一息かな.こちらは毎日一息つかせてもらっているが今日は大忙し.朝から病院に出かけ,検査,診断をうけ,その後新横浜のホテルで友人に会う約束.病院と近くのコンビニ,公園以外にでかけるのは本当に久しぶりだ.
今日の診察結果はまずまず.腎機能は少し落ちているが,それほどでもないということで,再び経過観察.恐らくこのまま正常に戻るだろうということだったが,1週間後に今度はもう少し精度を上げるチェックをする.やはり腎不全になるのが一番恐い,ということであった.腫瘍マーカに関しては,よく使うマーカは正常値の範囲なので,また別のマーカを使うことになった.来週は10日に CT を撮るし,14日には2クールの治療効果がより具体的にわかる.
外来の精算を終えて(診察と採血だけなら1000円未満ということに驚き!シスプラチンの値段はもっと驚きだけど:苦笑),そのまま新横浜に向かった.UCLA の友人は,京都での学会を終え,今日東京でも講演し,その後夕方新横浜まで新幹線で出て来てくれた.学会の話,家族の話,内緒話,でもやはりメインの話題はガンの話となり,お土産に中国3000年の秘薬をいただいた.「もしかして坊主でないかと心配してた.でも,今日会って以前と殆ど変わらぬ様子で安心した.来年また会えるね」といって別れた.わざわざ来てくれた気持ちも嬉しいし,何よりもリラックスした時間を過ごせたのが一番の薬だろう.
夕方6時に帰宅した.10月以来こんなに外出したことがなかったので大変疲れた,今日はブログもちょっと一息としよう.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:46
2007年12月6日木曜日
チキンラーメン
木曜日: 副作用は左程ないとは思っていたが,昨日の夜は食欲が出ず少々気分が悪かった.また今朝程また便が緩くなった.朝は気分は悪くなく食欲も普通だ.ただ夕方からはやはり食欲が出ず,体力温存でひたすら寝た.
高校の恩師が,昨年やはりガンで入院された.手術よりも抗がん治療を選ばれ,現在も治療中と伺っている.やはり入院と自宅療養で対処されてるそうだ.退職を半年早められ治療に専念された.今年,母校を退職された先生方の集まりの写真を見せていただいた時,スキンヘッドの先生が元気そうに写られており喜んだものだ.
その先生が,中高での何かのイベントの際に,生徒によく疲労してくれたのが「チキンラーメン」の歌だ.あまりよく覚えてないが「好き,好き,好き,チキンラーメン」で終わったような気がする.その当時はもうカップヌードルが発売され,だんだんとカップ麺が主流になっていき,袋に入った即席ラーメンはすたれて行く一方だった.
実は家内が懇意にしている,本屋のおばさんのご主人も食道がんだそうで,二人でいろいろ食事の話をしているときに,「チキンラーメン」が食べ易いそうよ,との話題になったようだ.チキンラーメンといえば最初から乾麺にチキンエキスが含まれているので,湯をかけるだけで食べられる.子供の頃はラーメンとしては食べたことはなかったが,お菓子としてポリポリ食べた(ベビースターラーメンというのもあったね.).
で,前回の下痢からリカバーしつつあるときに,試しに買って来てくれた.まだまだ現役で売られている(写真参照).一週間程前に食べてみると懐かしい味.今の自分には,ラーメン1人前の縮れ面が食べても食べても減らなかったが:笑,何とか完食した.食べれるものだと感激し,レパートリーが増えたと喜んだ.その時に,高校の恩師を思い出した.先生もチキンラーメンを食べながら頑張っておられるのだろう.
今日京都での国際会議が終わる.午後の研究室の学生の発表も無事終わったようだ.昨日の午後までプレゼン資料のやりとりを行っていた.その甲斐があったね.自分自身の発表は中国からのポスドクに任せており,これも無事終了との連絡があった.この会議では論文発表以外にも Exhibition があり,企業や大学からの製品,研究を展示する.実は自分はこの Exhibition の責任者だった.展示募集まで頑張ったが,現場のしきりは当然できず,後はメンバーにお任せした.まだ詳しい状況はうかがっていないが,恐らく大禍なく無事終了したことだろう.ひとえに感謝感謝である.
明日は外来で診察,その後 UCLA の友人に会うのを楽しみに今日は早く寝る.
投稿者 ngcoryell 時刻: 22:20
2007年12月5日水曜日
Big Hugs!
水曜日: 今日も天気になりそうだ.この部屋は南東で最高に日当りが良く,昨日は外は寒かったそうだが,室内は暖房なしで30度くらいまで上がる(この部屋は温度計付き).途中上がりすぎないように,窓をあけて調整するくらいだ.結局昨日は暖房をせずに一日過ごした.で朝になっても20度くらいはあるので,病院自体が暖かいのだね.半袖の看護師さんも多いし.
昨晩はやはり少しだけ副作用に苦しんだ.消灯するまでは全く普通で,21時からこっそり「何でも鑑定団」を見て(日曜の再放送をよく見る:笑)目を閉じ始めて静寂が訪れたら,足のだるさ(運動もしてないのに)を感じるようになり,そのうち全身まで広がる.その結果やたら体を伸ばしたくなり,いわゆる朝起きたときにするような全身による伸び,をベッドの上で繰り返す.
その行動は意識するときもあり,無意識でしていることもある.胃も時々同様なアクション(正確な表現は分からない)を起こし,それがゲップというかしゃっくりのような感じで現れる.結構驚くが,特に痛みを伴わない.この2つのことで気分を害されるが,特に気持ち悪さとか吐き気が殆どないのが救いだ.というわけで寝入っては起きるの繰り返し.幸い,朝3時頃目覚めた時,少し窓をあけて外の空気をすったら,気分は一新した.そこから先は,これらは左程気にならず,浅いながらも少し眠ることができた.
24時間以上点滴を受けているので,看護師さんはほぼ2,3時間おきで病室を訪れる.昨日は眠りが浅かったので,入って来られるのが全部わかった.看護師さんは,点滴が予定通りのスピードで投入されているかということと,点滴をしている腕に異常がないかチェックしてくれる.点滴している腕は自由に動かせるので,布団の中に手をいれていると,看護師さんは,気づかれないように(気づいてたけど:笑)そーっと腕を取り出し,寝間着を長袖をめくってチェックしてくれる.とても丁寧だ.でも取り出した腕はそのまま放置される(実害はありません;笑).
最近?この点滴を時間通りに正しい量を輸送するためのポンプがある.1回目の入院の時は使用しなかったが,今回(高い部屋だからか?)はシスプラチンを使うときだけに使用した.この医療機器,薬やチューブをとりつけて制御するのかと思ったら,全く予想外れで,普通の点滴のチューブをこの装置につけるだけ.単に2つのクリップに挟んでいるように見えた.多分点滴は脈動なので,このインターバルをセンシングし,さらに挟み込む圧力によってコントロールしているのだろう.ということを先生と看護師さんにうかがったら,「さすが理工学部!」と言われた.(大学では恥ずかしくてこんなことは聞けないくらい装置音痴だけど:苦笑)
なんとか今回のシスプランは乗り切れたように思う.が,投与後,ガンの縮小のチェックに加え,より頻度をあげて腎機能をチェックすることになった.新たな検査はなく,尿の量と採血だけ.今は水分を徹底的にとっているので尿の量は非常に多く,昨日の午後から今朝までに約3リットルもあった.いやあ良く出るね.今日は朝食前に採血し,その結果を待って退院した(結果はセーフ).更に今週の金曜日(7日)も外来で再度採血チェックして腎機能の判定を行う.7日は UCLA の友人に新横浜で会う予定があるので,忙しくなりそうだ.
ちょうど再入院と時期を同じくして,京都で国際会議が開催されている.多くの海外からの友人も会場でこちらの状況をうかがったらしく,頻繁にお見舞いのメイルが入る.(嬉しい&ありがたい)「会議は順調!でも hiro のいない会議はどことなく静かだ」「皆寂しがってるぜ,来年はベニス(World Congress 開催場所)で待ってるからな」などなど.来年ちょっとお世話になる予定の EU 大学院の chair からいただいたメイルの最後の言葉が,通例どおりではなく "Big Hugs!" であった.この言葉今度お借りしよう.
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:38
2007年12月4日火曜日
握手
火曜日: 昨日の夕方から点滴を流している.電解質と多少の糖分を含んだ水分を1時間 100 ml 程度.明日まで3リットル以上シスプラチンと一緒に流す.加えて口からも水分を十分にとる.これで腎機能が落ちたら,やはりシスプラチンは辞めることになる.先生曰く,抗がん治療を受けている患者の5%は副作用の方で亡くなるのだそうだ.なのでできるだけ慎重にしたいとのこと.
すっかり点滴に繋がれるのに慣れて,一回目の入院の時は点滴していない方の腕で片腕タイピングだったのが,今はごく普通に両手で打てるようになった.いいのか悪いのか.でも時々繋がれているのを忘れて,点滴台を引っ張って倒しそうになる.でもまだ便所の時には(大きい方ね),要領が悪い:苦笑.
新しい主治医の先生は今回は二人とも男性.一人は30台前半,もう一人は20台後半くらい.二人とも真面目で眼鏡をかけたとっちゃん坊やだ:笑.言葉遣いも丁寧で好感がもてる.でも..点滴の注射針を刺す時は,なかなか入らず痛かったぞ!若い方の先生に,どうやってネットに繋いでるのですか,と聞かれたので,調子にのって HSDPA モデム等の話で盛り上がった.
今朝6時に起床して,朝食までの間に日曜日の深夜に見損ねた,小橋建太の復帰戦を Youtube でみた.こんな時 Youtube は本当に便利だ.小橋選手はトップ・プロレスラーであり,1年半前に腎臓がんを煩い,腎臓を一つ摘出後,リハビリに励み練習に練習を重ね一昨日の日曜日に復帰した.試合では目一杯の攻撃の後,最後は三沢の厳しい攻めに屈した.テレビもこの団体もうまくこれを利用して宣伝にしている感もあるが,そんなことを抜きにしても,小橋の頑張りに心から拍手した.皆泣いてた.
昨日の夕方,外来の方の主治医(この病院の化学療法の責任者)が,部屋に来られ,戻られる際に,「これからです.一緒に頑張りましょう」と両手で自分の右手を強く握ってくれた.両手による握手は今まで経験がなく,思わず左手を添えて応えた(涙がでそうだった).そのまま,星野 JAPAN の逆転快勝を半分寝ながら見た.小橋選手の試合後の握手,星野 JAPAN の勝利の握手,先生による握手,すべてを力にしたいね.
後2時間あまりで消灯.ここまでは◯,シスプラチンとの勝負?は消灯後に始まる.できれば副作用の方とは闘うことなく握手して別れたいものだ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:32
2007年12月3日月曜日
チーム力
月曜日 今日は再入院の日.体調は左程変わらず悪くない.横浜を出るときは曇り,首都高も渋滞で止まることはなく1時間で到着,駐車場にもすんなり停められ,非常に順調,病院に入ることからちらほら雨が降って来た.
今度の部屋は1号棟ということで,地図には新棟,6,7号棟しかなく,どこかと思ってたら,いわゆる病院を入って受付とか支払いや薬を貰うメインの建物だった.今回は2倍弱の値段を払っているので,どんなにサービスがいいのかとちょっとだけ期待.さっそく部屋に通され,いろいろ看護師さんと話し合う.1回しか入院していないが,部屋の支度や検査への準備が非常に入院慣れしているようで(まあ元気だしね),看護師さんに驚かれる.
一号棟は建物自体は古いが,部屋は十分にリフォームされている.7号棟は廊下からしていかにも病院という感じだったが,今度は廊下が広く,ホテルほどではないが(うちの父が入院していた大阪の病院はホテルのようだった.値段は前回よりも安くて),それなりの落ち着きがある.窓からは,病院の入り口と駐車場それから煉瓦の学会の入っている建物も見える.
さて部屋のドアは濃い木目調で,中はカーテンでトイレ洗面部と奥の部屋を仕切れるようになっている.基本的なユーティリティの違いは殆どなく,ソファがちょっと豪華なくらいか.その他床はタイルばりで,今回はパイプむき出しでなくちゃんと天井が張られている.更に電話が使え,テレビが無料である!食事の内容は全く変わらなかった.ゴージャスな筈だったが:笑.
写真は2泊3日の新しい病院オフィス.壁から出ているライトが格好いいね.ナースコールもライトのオンオフも皆手元のスイッチでできる.ベッドは基本的に変わりなし.ちょっと固めのベッドに,タオルケットと薄手の羽毛布団がついている.まあ確かにちょっとは豪華であるが,倍近く出す必要は全くないと思った.今回は2泊3日だったので,また日にち指定だったので,ちょうど空いた部屋に入ったのだけれど.なかなか真のエグゼクエィブにはなれないものだ:苦笑.
先日書いたように,このところスポーツ中継を楽しんでいる.昨日の星野ジャパンは気合いが入った.投手力を含めた守備力と大砲いなくとも機動力があれば勝てることが,WBC の王ジャパンや,昨今の日ハム,ロッテ,中日を見てればよくわかる.上原の落ち着きぶりも凄かったが、なんと行っても川上と岩瀬がここ一番の見せ場(ピンチ)で2アウトから三振奪取したのにはしびれた.監督,コーチ陣を含めたチーム力は,これまでで一番のような気がする.今日の台湾戦も勝ってもらいたい.(消灯で見れないので先に書いている.)
最近、テレビから,本から,漫画から,そして自分の経験から,チーム力とは何かというのを学んでいる.如何に本人に能力があろうとも,一人ではできないということだ.そこから生まれるものには,大小の差はあれ感動が生まれる.たった2泊3日の入院だが,面倒を見て下さる新しい主治医の先生2人に看護師さんたち,それに外来の先生も加わる.そこに患者としての自分が加わり初めてチームとなる.明日からのシスプラチン投与,前向きに頑張る.
投稿者 ngcoryell 時刻: 16:48
2007年12月2日日曜日
再入院前日
日曜日: 今朝も体調に変わりなし.朝入浴時に少し発疹が見られたが,午前中のうちに消えた.今日は久しぶりに晴れたので,午後からまた体力アップのために散歩にでかけた.小高い丘は木々に囲まれ,下の方の平地では親子連れがにぎやかに遊んでいる.平日は近くの陸上部がトレーニングをすることもあり,平地から丘の上までダッシュしてきて驚いた.紅葉している木々は奇麗だけど,丘の上では風も強く,枯れ葉が舞い始めている.冬が来たって感じ.枯れ葉をうまく写真にとろうと思ったけど,これはテクがなく失敗した:笑.
さて明日から2泊3日でまた大学病院の方に再入院する.結構きっちり薬の投与日が決まっており,胃がんの場合はシスプラチンは3週間のうちの8日目,食道がんの場合は初日から投与するそうだ.もっとも8日でも9日になったとしても,だからダメということではないらしい.
この大学院病院は常に満床のため,12月3日から2泊3日という予約入院は,そうそうきちんとできるものでなく,主治医の先生の至急という一筆をいただくことととあまり部屋を選ばないということが肝心だ(その上,直接入院係に電話をしていただいき理工学部の先生だから.という一押しをして貰った).今回は2泊3日と短いので,個室でも大部屋でも空いたところに入れていたくようお願いした.
予定日に入れない場合もあると言われていたけれど,家内は12月6日に定期健康診断があり,また12月7日には UCLA の友人と会う約束をしているので,3日に入院予約がとれないと,すべての計画がおじゃんだったが,昨日午後無事一部屋(個室)があいたとの連絡が来た,良かった.
今回も個室だが,前回入院したところ棟とは別の棟に入院することになった.看護師さん等スタッフが変わるのはちょっと残念だが仕方ない.更に今回は値段が2倍弱の部屋となった.経済的には痛いが,まあ2泊3日なのでプチエクゼクティブの気分を味わうか.残念ながらこの間書いた眺めの良い新棟ではなく,1棟ということであった.やはり建てられた順に番号がついていくのだろうから,最も古いんだろうな(報告します).
さて今回の入院は,あのシスプラチン投与である.もう一回終えているので心構えは十分.本当はこれも日帰り点滴のプランもあったのだけど,腎機能が落ちたので,今回は前日から水分を流し,2日目にシスプラチン2時間+水分24時間を加えて3日目の午前中に退院というプラン.前回投与してからめっきり食欲が落ち,水分があまりとれなかったので,入院という安全策をこちらからお願いした.
話変わって,昨日観た浦和対横浜FC は最高に面白かった.鹿島の FAN だから浦和がビビり気味なのが面白かった訳ではなく,最下位降格の決まっている横浜 FC のベテランの意地のようなものが感じられた.カズに山口に小村に三浦(淳),彼らのボール回しのうまさ,それにカタカウとか根占選手のような若い選手がうまくかみ合い,前半は完全にボールを支配していた感じ.カズがアシストした最初の1点はぐっと来た.
さすがに老人?ばかりなので,後半は疲れてオフェンスは絶対ダメと思ってたけど,逆に全員守りのような感じになるので,1点取れない浦和にますます焦りを感じた.田中達也とか小野まで投入し,ワシントン,田中二人のシュートが FC を襲うのだが,キーパー正面かゴールの枠を外れて万事休す(田中の速さ,シュート感は素人目には凄いね).途中で放送局も浦和優勝を諦めて?,鹿島の方の中継になったので,横浜 FC のベテランの試合後の表情が観れなかったのは残念.
というわけで,娘はミキティが GP Final に出れないのがショックで勉強できてない,なんてことをのたまっておられるが:笑,こちらは,今日は朝から気分も天気もよく,明日への準備は万端整った.では頑張ってきます.
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:02
2007年12月1日土曜日
師走
土曜日: 昨日まで(新聞の)天気予報は大外れ,一昨日は一日傘マークだったのに結局曇り.昨日は一日お日様マークだったのに結局曇り.今日も一日晴れマークがついているけれども朝起きたときは,曇りだった.第2クールに入ってから全部曇り.太陽が恋しい毎日である.だってひなたぼっこ(死語?)は気持ちいいじゃない?(結局昼間ちょっと晴れて,まったり本を読んだ)
肌がカサカサになるので,家内から借りた乳液を顔やとくにカサカサしているところに塗っていると,間違って「ムヒ」を塗っていることに気づいた:爆.あれえ変だなあ,乳液ではあるが,確かにムヒかゆみ止めと書いてある.この手の乳液は家内も娘も使い,いろんな種類があるようでこんがらがる.両手に乳液をつけて,顔中にムヒを塗ってる姿を是非想像して下さい:笑.結局父ちゃんは洗面所にある,「ベビー」ローションを使うことになった.
娘は今年大学受験であり,一応受験勉強をしている(ふり?).成績はもう悲惨であり,本人もこちらも「一浪かなあ」と思っている.家内は,それでなくても受験生がいる上に,世話しなきゃいけない人間が増えたので,「これ以上面倒なことは辞めて」と言っている.そりゃそうだろう.娘に数学や物理を教えることがあるが,教え方がやはり大学の先生で,高校生であることを忘れて熱く?語るので,その時はわかるそうだが,結局そのやり方では自分ではできない,と最近では構ってくれなくなった.
結構娘は(父親に似ず?似て?)プライドが高く、中学からのお友達が一般推薦入試でウチの大学の文系にうかったらしく,猛烈にプレッシャがかかっているようである.先日志望校を聞くと,ウチの大学も含めてほとんどが記念受験みたいだ(模試の判定は全部 E!今のところちょっとレベルを落とした国立でも C とか D とか)あれあれ.面白いのは国立を除き,文系と理系両方受けると言う.理系科目で受けれる文系もあるからだが,今のところ経営か情報にいきたいそうだ.まあいいか.娘には言ってないが,父親も,医学部と理工学部系と政治経済学部に願書を出したのだ(血だねえ).
今日から師走だ.昔は12月は師が走ったのだろうか.我々が忙しくなるのは(まあ年中忙しいけど),特に期末テスト,採点,卒論,修論,博論,入試,採点と続く1月下旬から2月中旬まで.この頃はさすがに海外出張等にはでかけられない.今年はこれらの行事には参加できず(多分),嬉しいやら寂しいやら.
12月になり娘の尻にも火がついて欲しいものだ.こちらとは言えば,新聞のテレビ番組を見て,午後は J リーグの最終節(浦和が勝つ?,実は僕は鹿島のファン)を見て,夜は星野 JAPAN のアジア予選を見るつもりなのだが,夜はフィギアのフリーもあるようだ.どうせ,またミキティといいながらチャンネルを奪われる気がする.(結果,鹿島優勝:おめでとう!,ミキティ3回転ぶ,娘の機嫌悪し,トホホ.)
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:45
2007年11月30日金曜日
メディア
金曜日: 目は相変わらずしょぼしょぼするが,体調は今の自分にはいたって普通.結局昨日は雨が降らず,明け方頃少し地面を濡らした程度だった.雨が降れば庭の水撒きが不要なので,家内が喜ぶ.入院前は,あまり家にいなかったので,物理的に無理だったが,今なら手伝える.次の休薬期間に久しぶりにやってみようか.
今は24時間家にいるので,必ずしも全員は揃わないが,3食とも家族と食べる.もう20年以上暮らしていて初めて気づいたのだが,皆まず食卓につくとテレビを点けるのだ.もちろんまわりにも,そのような知り合いや友人がいるので不思議ではないのだけど,ちょっと驚いた.まあ家内が,食事の時にテレビを見ながら一家団欒していたというのは聞いていたので,きっと子供達もそうなんだろう.
自分の小さい頃は,そもそもテレビのないところで食事をしていたし,移動してテレビアニメを見ながら食事をさせてもらえるのは,本当に特別なときだけだったので,所謂テレビっ子ではない.ハリスの風も巨人の星も明日のジョー(古!)も皆少年マガジンで読んでいた:笑.なので,小学生の頃「昨日のテレビみたか」的な話題には,かろうじてついて行けた.テレビは見てないが,ストーリは知っているので,適当に合わせる.ときどきアニメと原作が違うときや,アニメの方が原作より先に進んでしまうことはあって苦労もしたが:笑.
といわけで,今もテレビはそれほど見ないのだが,工業製品のハイテク化には興味があるので,それなりの装置は家にはある:笑.また,自分にとってテレビは,音楽やスポーツのライブ中継や,まれに映画,特別番組を見るためだけにあるのだ.それでも入院してから,野球のクライマックスシリーズ,日本シリーズ,アジアシリーズ,サッカーの五輪予選,にアジアクラブチーム選手権,東京女子国際マラソン,千葉国際駅伝,男女バレーボールワールドカップ.女子フィギィアの GP シリーズ,など,(全時間ではないけど)殆ど見ているね:爆.これも休職中の特権?
視聴率重視で構成されているいろんな局のスポーツ中継に辟易とすることもあるけれど,まあ平均的には楽しんでいるかな.それにしても,テレビを含めたいろんなメディアの流す報道が我々に与える影響は非常に大きい.今日たまたま同じ日に謝罪会見した,横綱や若気の至り丸出しの弟ボクサーなんかも,それぞれ過程は全く違うが,メディアによってより悪い方悪い方に追いやられ,利用されている気がする.(それにしてもあの兄弟は言葉遣いで損してるね.マジにできないのか,メディアの先導なのか)
病気になって初めて,ガンという病気が,それこそ毎日のように何かのメディアで取り上げられていることに気づいた.朝日新聞ではいろんな患者さんの治療や生き方が連載されてるし,何週間か前には,それこそうちの大学病院の外科教室の教授(王選手の主治医の先生)がインタビューに答える形で,胃がんの治療に関する,全面広告が出ていた.その他,テレビ,週刊誌,映画...いやはや.今までは当事者意識がなかったから気づかなかっただけよ,と家内は言う.
で,読まない訳ではないのだけど,正ならいいけど負のスパイラルに落ちると嫌なので,読むとしても斜め読みだ.そんな中,直接はガン治療には関係ないと思うが(ガンの遺伝子を持っているという意味では関係あるのだが:笑),日本で世界初の「万能細胞」を作ることに成功したニュースはちょっと心にしみた.(自分より若い先生で,皮膚科の先生であることにも驚いた.)
今晩はミキティが出るらしく,娘と一緒にフィギアを見ることになっている:笑.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:21
2007年11月29日木曜日
休職
木曜日: 今日も曇り.雨になると新聞に書いてあったが,ずっと曇り.曇り空の中少しだけ散歩に出かけた.第2クールに入ってから天候が悪くなった.なんかこちらの気分にもシンクロしている感じだ.このところ重々しいことばかり書いた気がするので,今日は気をつけよう.
昨日の教授会で年度末まで約半年間の休職が認められたそうだ.終わりの時期ははっきりいって誰も分からない.主治医の先生によれば,薬と体の相性によって,薬の効く人にはあっと言う間に腫瘍がなくなる場合があるし,効かない人には長期戦が強いられる.なので半年と言うのは,先生のこれまでの経験から来るものなのか,切りよく年度末にしたのか,適当に書いたのか,全く不明.3月31日までというのは,個人的にはちょうど良い頃かなと思う.すべてがリセットできて4月1日からスタート.これが今の目標.
ところで,教授会では休職とでたが(これは慣例的にそう報告),実際は病気療養のため「休職」ではなく「欠勤」扱いが,規約に基づいた書類上の処理となる.実際に提出したのも欠勤届けである.両者がどう違うかと言えば,長期の病気療養の場合はまず欠勤扱いとなり,勤続年数により有給となる期間が決まる.自分は10年選手なので,その場合20ヶ月までは療養できるそうだ.(給料は本給+家族補助,住宅補助だけになり,それ以外の手当はなし)
で,上記欠勤による有給期間を超えて,更に療養が必要な場合は上から「休職」を命じられる.この時休職できる期間は更に20ヶ月で,この場合もおよそ有給が認められるみたいだ.そうでなければ家族が食べて行けないし,治療費も馬鹿にならないからね.ということは計40ヶ月(3年4ヶ月)は療養できるってことか.こんなに休めるものなのか,と驚いている.他の大学もそうなのかなあ.数字自体にはあまり実感がわかないが,このような大学のバックアップがあるのは安心できる.でも,まあ取りあえずは,4月1日のリスタートが目標だ.(また同じことを書いてる:老人力だね)
老人力と言えば,夜寝のときに必ず小便のために一度目が覚めるようになった:笑.痛みで目が覚めることはなくなったので,それは嬉しいのだけど.というのも第1クールで腎機能が落ちたため,意識して水分をとってるからだ.日頃からそんなに水をとる方ではなかったが,入院時は胃の調子も悪く1日1リットルもとれなかった.で,看護師長さんや栄養士さんにこの点を強く叱られて退院した.ポカリスウェットのお湯割り作戦に変えて,今は1日1.5リットルは飲めるようになった.たかが飲むだけが結構難しいのだ.目標は第2クール修了までに2リットルにすること.
入院時に遡って欠勤にしたため,やはり遡っていろんな申請書の書き直しが必要で,秘書さんが大変らしい(御免).何せ休職中は大学にはいてはいけないそうだから.この件で,昨日今日色んな方から連絡をいただき,改めて大学のシステムはよく考えられていると思った.何でもさささっと規約が出て来るのだけど,頭ごなしに適用というよりは(そうかも知れないけど),皆で頭をひねって,最適解をいただいている気がする.これはウチの大学のいいところかな.
来週から国際会議が始まり,うちの修士学生も参加する.この2,3日は彼らのプレゼン資料の作成や解析の相談に大わらわだった.学生は夜型,こちらは朝型(というか朝のみ)で,うまくかみあって何とか間に合いそうだ.来週は点滴再入院の予定なので,ベッドの中からエールを送ることになるだろう.頑張れ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 16:28
2007年11月28日水曜日
楽観主義
水曜日: そろそろ薬の効果が蓄積されてきたのか,副作用の方もちらほら感じるようになってきた.肌がややカサカサになり,接触部が痒くなったり,頭が痛くなったり,でもその程度だ.気分が悪くて寝込むことはない.1回目の経験から吐くことはないとわかっているし,食欲も左程減退していない(でも体重はどうしても減って行くね).また集中力の持続しないので,朝寝,昼寝,夜寝の時間が早めになり,その分良く寝ている.TS-1 に体が慣れて来たのか,それが良いのか悪いのかはわからない.
あなたは Optimist か Pessimist かと問われれば,究極の選択をせまられると Optimist かなと思う.「最後はなるようになるさ,喜楽に行こう」派なのだろう.でもそこに至るのは随分ぎりぎりの時点で,実際仕事や学生の指導の時には,常に最悪のパターンを考えて(特に悲観というわけではないが),その上で作戦を考えて,最終的に「Take it easy.」となる.ここまで来ると,「何とかなる」レベルが結構落ちているので,おおよそすべての結果はオーライである:笑.
ここ一番の団体戦ラストでの試合や,人前でプレゼン(国際学会発表,ギター,歌:笑)など緊張するときは,自分が出来ないことはしない(無理なことはしない),自分ができることだけを誠実にやる,と言い聞かせた上で「なるようになる」と開き直る.結局はどれだけ,意識しててもしてなくても,自信があるのか,ということだと思う.だから自信のないことに対しては,もう凄く悲観的になり,その分早め早めに準備することになる.とまあ,別に特別なことでも何でもない話だが,これでずーっとやってきて,いろんなイベントに対するスケジューリングや危機管理能力は高まった気がする.
ところで,この病気は,結果およびそこに至るプロセスに対して医者の方も含めて誰も確固たる「自信」を持てない点で非常に特殊だ.また最悪のパターンを考える(時々は考えるけどね)ことは精神上よろしくなく,そうそう凹んでもいられない.患者も医者も,できる限りのベストを尽くしたという自信をもって臨めるならば、後は positive な意味で「なるようにしかならない」と結果を受け止めれるのかと思う.主治医の方は治療にベストを尽くしていただき,こちらは治癒にベストを尽くす.
息子に「誰にも経験できることではないことを経験してんだから,ありがたく思わなきゃ」と軽口をたたかれ,第1クール後の細くなった記念?写真を見ていたら,娘から「おお遺影か」とからかわれ,きっと(多分ね)二人とも「治る」と信じてくれている,あるいは「治らない」なんて思ってもいないわけで,それがまた自分に力を与えてくれることになる.この Critical な病気には,間違いなく,周りからの encourage が大きな活力になる.本当に感謝でいっぱいであり,逆に復帰できたなら,自分がお返ししなきゃと思う.
来週から始まる京都の国際会議に参加する UCLA の友人が,移動の合間に横浜に寄る,とメイルをくれた.もう嬉しくて泣けてくる.また 2008 年度に ECN の修士学生に続いて,MIT の博士学生やが,自分の専門分野(計算力学)を学びに日本に来たいとメイルをくれた.来年のことを語ると鬼が笑うかもしれないが,また今は大学を休んでいるので手続きが面倒かも知れないが,「何とかなるわいな」と受け入れることにした.good luck.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:17
2007年11月27日火曜日
水紋
火曜日: 今日は曇りだ.極めて残念.太陽がくれるエネルギーは大きいと実感する.さて,昨日は副作用は少々の頭痛を感じた程度で収まり,2日目を迎えた.下痢については完璧に克服し,食欲も十分に戻ったが,これからまた腸壁が傷むかもしれず,ここは油断しないで,地道にいくことにする.正露丸はやっぱりいい.
といいつつ,昨日は息子が家におり自分以外の夕食はステーキだというので,少しだけご相伴に預かった.鶏肉以外の肉は久しぶりで,サイコロ状にカットされた肉をいただいた.何を心配しているかと言えば,胃の中にいれた瞬間に痛みが来ないかとか,やはり油はどうしても使うのでまた下痢しないか,とか.
結果的に問題なく,そのまま今日の昼食でも,昨夜の分の残りを食べることになった:笑.久しぶりに食べるお肉は美味しいね.塩でささっと焼いてポン酢で食べる.工夫を重ねて料理してくれる家内に本当にありがとう.これで思い残すことなく:苦笑,また魚と大豆の生活に戻れる?
ところで,少なくとも「痛み」に関しては,今のところ殆どなくなった感じだ.自分で驚くくらい続いているのブログ(遠い昔1日坊主であった)から,過去の痛みに関する記述を拾うと,
・時折,食べ物を飲み込んだとき,特に大きなものを飲み込んだとき,お茶や水で流し込んだときに,メカニカルに刺激するのか,この2,3日,鋭い辛い痛みが走るようになった.(10月27日)
・よっと体を起こす時,背中の痛みに加えてメカニカルにお腹の痛みも生じるので,この瞬間が病人みたいで(病人か!)情けなくなる.(10月23日)
・昨夜は鈍いような漠然とした痛みではなく,キュッとしまるような,感覚が鋭敏になっているような感じで目覚めた.痛いというよりは不快感.(10月20日)
1ヶ月前と比べると良い方向に向かっていることは実感する.加えて定常的な胃の重さや鋭い痛みも今はほとんどない.もちろん,違和感はまだ残っているし,体内の化学反応は鋭敏に感じる.もうかなり敏感に胃腸内の動きを把握でき,そろそろガスが胃に充満し患部を刺激するぞ,とか一気にお尻までガスが伝播し?,そのまま抜ける(おならではない,微妙に違う,臭いがない).などが分かるようになった:笑.
とはいうものの,余り浮かれないで,毎日,寝ぼけながらイメージを持って患部と対話をするようにしている.これまでのイメージは赤く燃えてたり,激しく振動していたりしたいた.今朝のイメージは,静かに水紋が広がる感じ.かなり大人しくなったかな.このまま良い子になって欲しいものだ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:51
2007年11月26日月曜日
第2クール突入
月曜日: 朝起きて早速,外の空気を吸いに外に出た.まだ夜明け前で薄暗い.寒さには強いので余り気にならない.ふと家の正面にまん丸の太陽が,と思ったけど,これは月だ.満月だったんだ.今日は満月を見ながら深呼吸をして(近くのおばさんが不思議そうにみてた.)部屋に戻った.
朝8時半 TS-1 を服用した.3カプセル.およそ12時間後夕食後にもう3カプセル服用する.今朝も起床後の体調は十分.目は相変わらずショボショボ涙目だけど.TS-1 は腸壁を壊す可能性があること,様子を見て適宜事前対応(下痢止めなど,僕は正露丸派;笑)するように伺っている.
今診てもらっている先生は,不要な薬は飲むな,タイプの先生で,腫瘍以外の病状には自分で考えて自分で対処しなさい,てな感じである(悪く言えば抗がん剤以外興味ない?苦笑).とても自分の性格にあっている.一応胃を守る薬他は貰っているが,自覚症状に応じて家内と相談しながら,服用している.
だいたい TS-1 を服用して2時間くらいで,(仕事等をしていると)頭が痛くなり,やや気分が悪くなることは分かっているので,その前に先手をうって寝ることにしている.今日は初日のせいか,午前中は床に入っても左程気分は悪くなかった.
治療を再開したので,昼食後散歩に行こうか迷った.寝て体力温存か,外に出てエネルギー(何の?)充填か悩んだが,やはり外に出ることにした.免疫力低下ももちろん気になるが,しっかり抗菌すれば大丈夫と,家内も賛成してくれた.なるべく人のいるところは避け,コンビニで用を済ます程度,坂はなるべく上り下りするよう心がけて20分程出かけた.
ところでうちの研究室のホームページが刷新されたようだ.以前はバリバリに Flash を使ったページで,担当者が卒業したら,殆ど誰も更新できなくなった:苦笑 ので,もっとシンプルで見やすいものに変えてもらった(まだ Flash は使ってるみたいだけど).とても良い(自己満足).
新しいページでは,特に people のところが気に入っている.先生以外は皆研究室 T シャツを着て笑っている.先日,今すぐ外出できるとしたら何処で何をしたいか,考えた.いろいろ願望はあるけど,今はやっぱり一番は大学に行って研究室のメンバーに会いたい.この第2クールが終わる年末には顔を出せるように頑張る.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:27
2007年11月25日日曜日
第1クール終了
日曜日: 今日も晴天,体調はまずまず.昨日は朝寝ができず,ずっと起きて動いていたので,今日はやや疲労が貯まっている.身体全体というよりは,心なしか胃腸が元気のない感じ.動こうとすると,ちょっと待てって言われているような.明日からの化学療法に身体も緊張しているのかしらん.
昨日先生からは,年末はどこかに行かないのですか?,是非出かけた方が良いですよ,と言われた.普通は大阪の母のところに家族で帰っている(子供達は,お金をせびりにプラス年に1度のすき焼きを食べに帰りに:笑)が,今年は娘が受験のために,帰省する予定はなし.まあ年末,正月は家でのんびり(つまり今と一緒?)することになるだろう.
こちらの甘い?考えでは,2月にはだいたい目処をつけて,3月は(無茶苦茶酷い状況でさえなければ)ハワイの学会に参加しようと考えている.まあ実際は学会という名目で,ゆっくりと海辺で療養したいだけなんだけど:笑.と,横で家内が,このまま3クール,4クールいけばちょうどシスプラチンの日と重なる!と夢のないことを仰る.まあこの位余裕が出たということで.
ちょうど第2クール開始に併せて京都で国内学会が始まり,2週目の入院シスプラチン投与と同時に国際学会がこれも京都で始まる.どちらも研究室ではメインイベントだったので,不参加は非常に残念.もちろん,いずれも助教さん達や研究室のポスドクや院生が切り盛りしてくれるので心配していない.両学会の盛会を祈るとともに,研究室の皆の健闘を期待している.
明日から第2クールが始まる.だいたい第1クールで要領はつかんだので,今回は先手先手で対応できるような気がしている(いつも考えが甘いけど:笑).寝る時間が増えるが,それに備えていただいた(感謝!)本や DVD が積まれている.ともかく学生も先生抜きで頑張ってるので,こちらも前向きで頑張る.
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:11
2007年11月24日土曜日
第2クール前の外来診察
土曜日: 今日も体調はいい.一つ気になることがあるとすれば,今週くらいから目がやたらショボショボするようになった.初めはあまり気にならなかったが,最近は涙目でモニターを見て本を読んでいることもある.もしかして花粉症?うちの家族は,自分以外全員花粉症だが,ここ数年花粉が出始めた頃になると,鼻が反応するようにはなってた.先週くらいから家内が飛び始めている,と言ってたし,毎日樹木たっぷりの公園にいてるので,その可能性はあるね.まあ実害は今のところない.
今日は午後12時ぴったしから病院で外来検診.下痢にはあせったが,今日に備えて体調を整えて来た.特に前回の検査では腎機能が落ちているということで,食事内容には気をつけたし,水分をできるだけとるようにした.振り返ってみると,35才くらいまでは,卓球の試合前に怪我をして(足や腰や肩など色々),如何に試合の日までに治すかとか,コンサート当日や貴重な練習日の前に,喉が痛くなり,声がでなくなったときに,必死にのど飴やここ一番の抗生物質を投与して,なんとか急場をしのいだとことを思い出す.
予定どおり9時に出発し,高速も左程込まず10時前には到着.駐車場待ちをしている間に前回の反省を活かして,先に受付を済まして採血.土曜の朝はやはりすごく患者さんが多く,色んな方がいて思わず席を譲らなきゃ,とか考える.採血の流れはよく10時半過ぎには終了.お昼には早いし,どうしようかと家内相談し,この病院で最も新しい棟の最上階が眺めがよく,レストランもあるというので,見学に行くことにした.
写真はその新棟から見た,新宿の高層ビル群.いやあ奇麗だ.その反対側は新宿御苑?が見えるという話だ.最上階には,三田にあるキャンパス同様,高級シティホテル直営のレストランがある.いい値段だ.成る程,この新棟の個室は高い筈だ.ここに1ヶ月も入院すれば,ボーナスが丸々無くなるのもわかる.と早々と退散して,病院横のレストランでうどんをいただいて,診察室へ.
今日いつもの内科外来ではなく,普段我々が定期健康診断で胃カメラやバリウムを飲むところで特別診察.この病院の化学療法の責任者でもある先生から,採血の結果をうかがう.焦点は第2クールの治療をどうするか決めること.腎機能が落ちたままだったら,シスプラチンだけでなく別の薬(髪の毛が抜ける!)を使う予定だったが,幸い無事回復(やった!)していた.
ということで,第2クールも薬は変更なし,になった.ただし腎機能を落とさないように,シスプラチンの投与前後にたっぷりと水分を体内に流すことになり,12月の3日から2泊3日で再入院することにした.その方がこちらも安心だ.先生とは様子を全部話すことを約束しているので,ひどい下痢をしたこと,薬を飲まなかったこと,この1週間は調子がよかったこと,等を話し,先生からは,何故腎機能が落ちるか,下痢をするかの話をうかがった.やはり抗がん剤恐るべし,という印象だ.問診してる限り効果が出ていそうなので,第2クールの間に CT をとることにもなった(ドキドキ).
今日の予定外は,薬をもらうのに2時間まったこと.その間に,同僚からいただいた本を読み始める(陸上競技もの).目が疲れて来たところでようやく順番が来た.今日は夕方から研究室 OB の助教さん達が家に来るので慌てて家に戻り.1時間半ほどいろいろ打ち合せをした,1ヶ月ぶりの再会で話がはずむ.終わった頃にはどっと疲れが出て,そのまま2時間程寝た.いや,疲れたけど充実した日だった.明日は1クール目最終日休薬最後の日である.晴れるといいな.
投稿者 ngcoryell 時刻: 22:16
2007年11月23日金曜日
食欲の秋(もう冬?)
金曜日(祝日): お腹は今日も順調だった.昨日は少し食べ過ぎ?(とはいっても知れている)たか,機能から少しずつまた普通食に戻しており,夕食の後の飽満感が中々抜けなかったので,ちょっとお通じ?が心配だったのだが,今朝も無事だった:笑.そろそろ終結宣言か.
休薬期間になって突然酷い下痢になり,食事がまた逆戻りし,かなり焦ったが,おもゆ,おかゆ,おじや(雑炊)とバージョンアップ:笑(おもゆは冗談)していってほぼ安定状態に.ここ2,3日のメニューは,まず朝はイギリスパン等の普通の食パンかロールパン.軽くトーストして食べる.バター等はなし.でも凄く美味しい.2枚食べれるが1枚にセーブ.副食はこれまでは卵とハム,ソーセージだったが,今は卵は午後に回して,はんぺんとか魚のすり身の入った団子や豆腐を食べる.後はみかん.
これまでは,入院中も前も,断然リンゴ派だったのだが,また下痢にはリンゴジュースがいいとか話にも聞くのでリンゴを喜んで食べてたが,あまり改善しなかった.実は病院の副作用マニュアルに,下し気味の時はリンゴよりみかんの方が良い,と書いてあったのを思い出して,みかんに変えたら調子が戻った.元々昔の粉末の頃からオレンジジュース派だったのだ.(凄いたわいもないことなのだけど,クリティカルな身体になると微妙なんだよね.)
昼はだいたい主食にうどん(もちろん関西風)か,おじやに生卵とお醤油をかけて食べている.副食はだいたい,昨日の夕食の余り物を少々.学生だったころは,ご飯に生卵をかけてよく食べていた.合宿なんかで「勝つために」と食欲のないところを胃の中にかっこんでいたのを思い出す.
夕食は,とりそぼろやサケの雑炊が主食.今は油気の多いものはなるべく避け,タンパク質は,大豆(豆腐ですね)かさかなで補い,時々チキンも食べている.同じく野菜も今は生でなくゆでて,ブロッコリ,白菜,かぼちゃ,人参,さといも,ほうれん草,さつまいもなど一緒に食べる.今週に入り食欲は自分なりに旺盛で(それでも娘より全然少ない:笑),おやつも食べれて,ちょっと嬉しい.
あまり水やお茶が飲めなかったときに,「水分をもっととりなさい」と周りから言われちょっと辛かったことがあった.その時も副作用マニュアルにあったポカリスウェットをお湯で割れば,快適に飲めることがわかった.これには電解質イオンも含まれ体内に吸収されるのでその点でもいいかな,感じている.
と,頑張って食べてるのだけど,毎日200gずつ順調?に体重は落ちている(これは多分散歩でカロリーを消費するため?).まあどこかで収束するだろう.折しも新聞やテレビで「東京ミシュラン」の話が出ている.終わったら食べに行こうね,と話がはずむが,それもいいが,今は吉野家の牛丼かメガバーガーかな?とちっとも自然派になりきれない:笑.いかにも自分らしい.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:17
2007年11月22日木曜日
体力
木曜日: 「今週は4日間だから」と娘がいったように今日は休日前.毎日が休日である身にも曜日感覚はあるが「祝日」感覚が消えていて,明日が休みであることが実感としてなかった.今日明日と大学で秘書さんに色々雑用をお願いするつもりだったのだが,「金曜日」はお休みですよ,と言われてやっと娘の言葉がわかった次第.これも老人力?
昨日のオリンピックをかけたサッカーを見てると,体力(ここではスタミナ)がつくづく問われるスポーツだと思った.最後まで攻守に走り続けた選手を見ていたく感心した.そういえば,昔はシーズンの度に一試合だけ必ず息子をつれてヴェルディの試合を見にいったが,ラモス選手や北澤選手の体力には脱帽したものだ.(つでに北澤選手のミドルからふかすシュートも)
SLAM DUNK でも,40分動き回れる体力が勝敗の鍵を握る,といった記述が多い.それはそうだろう.出てくる人物はすべて何かしらに秀でているのだが,体力が落ちて交代となるシーンも多く,そこから物語が更に展開するしかけになっている.非常に巧みだ.卓球は体力はあまり要らないですね,と言われることが多いが,とんでもない,夏の暑い日に何試合もこなすにはそれこそゴリラ(失礼)なみの体力が要る.
「治る力」も基本は体力だ.退院したころは,近くの散髪屋までですら,家内が「車で送ろうか」という感じだった.あの時は,寝て治す,のが良いとも感じてた.(本当の善し悪しはわからないし,また次のクールでも戻るかもしれない.)今は,普通に歩け,ちゃんとコンビニまでお使いにいけるようにもなった:笑.店員さんは,毎日同じような時間に現れて,漫画を買って去って行くおじさんにチェックを入れていることだろう.
入院するまで,25年間朝は腕立て伏せをしていた(サッカーのトレーナをやってる息子にはもっときちっとやれ,と叱られるが).これは会社勤め時代,頭よりも体力勝負の時があり,それ以来続けないと不安なくらい今まで続けて来た.
入院後はもちろん自粛というか,出来る筈もなかったが,この2,3日また少しだけ始めた.たった5回だけ.身体を支えた瞬間から,身体を地面に水平にするまでの時間が速い!.腕の筋肉が落ちて支えきれないからあろう.なんだこれは,と思った.が,できたのでちょっと安心した.週末までに地道に一回ずつ増やして行く予定だ.(お腹は今日も順調!)
投稿者 ngcoryell 時刻: 16:47
2007年11月21日水曜日
Quality of Life
水曜日: 今度の診察は土曜日.今の担当の先生は金曜日が外来の日だが,金曜日は祝日のため,特別に土曜日に診てもらうことになった.主に腎機能のチェックをして月曜からの第2クール目の治療方針が決まる.場合によっては,短期入院する可能性もある.(また薬を変更しスキンヘッドになるになるかも知れない!)
シスプラチンの時もそうだったが,点滴治療の方が体内にどんどん水を流せるので,腎機能を少しでも高めることができる.無論,入院よりは自宅の方が快適なのは言うまでもないが,入院の方が効果が高いのであれば,進んでその方を選ぶ.
さて体調の方はすっかり回復し(家内も!),腹痛も下痢もお腹に貯まるガスも殆ど(感じられ)ない.違和感はもちろん少々あるが.最近は毎日の天気が気になり,晴天が待ち遠しい.今日は朝から新聞で24時間太陽と星マークだったので,昼食後の散歩が待ち遠しくて(子供と言うよりは,犬だね:笑),昼食をとった後すぐに出かけた.
出かける時は,大きめのマスクをし,息子の土産に買った major league の帽子を借りて出かける.今日は近くの公園のちょっとした丘まで登って休憩.そこでは適度の風を受けと太陽の光を浴びることができるので快適(単なる日光浴).しばらくそこでウダウダしてから帰ろうとして,帽子がないことに気づく.
来る途中でマスクをはずした時に風が吹いて来てマスクが飛びかけた.その時に落としたのかと思い,帰りは道々探しながら戻ったのだけど,見つからずへこんで帰宅.家内に「ちょっと遅かったね」と言われ帽子のことを話すと,「最初からかぶってなかったじゃない,部屋にあるよ」と言われ,嬉しいやら情けないやら,老人力はまさに全開である!
とまあ昼からこのような生活をしている人はいないと思うが:苦笑,ふと生活の質とは何か,と思うようになった.普通の生活ができることがどんなに幸せなことか,が身にしみてわかる.同時に厳しい抗がん治療を拒否し,普段の生活に戻られる人達の気持ちもわかるような気がする.今でしか経験できないこの気持ちは今後も大切にしなければならないね.
投稿者 ngcoryell 時刻: 22:49
2007年11月20日火曜日
ライブ
火曜日: 今日は下痢もすっかり収まり,腹痛も殆どなく、喉のいたみも消え,体調としては絶好調?だった.一方で,家内は少々寒気を訴え,見るからに風邪のようだ.明らかに無理をかけているので(感謝&陳謝),こちらが元気にしている時くらいゆっくり休んで欲しいのだが,こちらからは何もできないのが心苦しい.
音楽にせよスポーツにせよ仕事にせよ,ライブが好きだ.なので,時には観るだけでなく,自分でも演者になることもある.音楽やスポーツについて書くと熱くなるので:笑,別途横に置くことにして,仕事のライブと言えば,やはり学会や講演会に参加することだ.特に国際学会であれば,自分を発信できるだけでなく,生の情報を得ることができる.また多くの友人達との再開,新しい出会い等,気分をリフレッシュしてくれる.
残念ながら年内の国内外の学会はもちろんキャンセル.(来年もどうなるかわからないが,3月にハワイで開催される学会にはできれば養生を兼ねて参加したいね.)それでも来年の国際学会への参加には今から予定をたてねばならないので頭が痛い.でも復帰を念頭に(念願として)計画だけはしっかりたてて置くことにした.ダメでも研究室の助教さん達に頼めるし.
今日はそんなこんなで,やはり国際関係の仕事で目一杯忙しかった.一つは12月頭に開催される国際学会での学生の発表原稿の校正.これはやはり自分以外では無理なので,頑張ってやった.それから,来年度フランスからの留学生受け入れの打診.これは EU の新しい大学院制度に基づく話で,来年度自分自身(ほんの短期だが),夏休みを中心に Visiting することになっている関係で,修論指導ということで受け入れ依頼がきた.もちろん◯なのだが,ペーパーワークが幾つかあり,国際センター所長に投げたところ,一瞬にして片付けてくれた.フットワークの軽さに大感謝.
修論,卒論の指導と言えば,今はメイルでちまちまアドバイスしているが,やはりライブ感に欠ける.これは仕方ないのだけど.ちょっと(かなり?)話は飛ぶが,新しい MAC OS Leopard では,新しく Video iChat ができるそうで,これは,テレビ電話風に使えるだけでなく,プレゼン等のファイルも共有して両者で観ることができる.これは指導にも使えるかなと思った.
本当に寒くなった(毎日書いてるね:笑).特に今日は午前中くもりだったので,暗くて寒くて,早く陽が昇らないか待っていた(新聞には3時から晴れるとあった).2時頃から太陽が出て来た.早速電脳ガジェットを持って散歩に.この使いにくい機械もようやくちゃんと動くようになってきた(今日は GPS で遊んだ).ちょっと気も晴れる.
投稿者 ngcoryell 時刻: 22:23
2007年11月19日月曜日
イメージ
月曜日: どうやらお腹の方も一段落ついてきたようだ.酷い下痢状態からほぼ普通に戻って来て安心.押し込まれるような酷い痛みも収まった.気分も落ち着いて今日は happy かと思いきや,朝ちょっと喉の奥の上の当たりに軽い痛みが.家内にも同じような症状が.もしや風邪?幸いイソジンうがいで今は大丈夫.寒くなって来たのでこれからは要注意.
ところで,スラムダンクの重要なサブキャラの「ゴリ」(主人公しかこう呼ばない)が,試合途中で痛めた足首をテーピングしながら「俺は県大会で優勝することを,高一の時から毎日思い続けて来たんだ」と控え室で語るシーンがある.この後,精神は肉体を超え(本文通り),試合に戻りプレイを続ける.
よくスポーツ心理学で「試合に勝つことをイメージしなさい」と指導する話はよく聞く.それの効果をとりざたされることは余りないが,逆に心理的にプレッシャを感じて,本来の力を発揮できなかった話はそこいら中に転がっている.このようにスポーツ競技では,こころの持ち方が極めて重要である.
同様に,治癒力を高めるためのイメージ療法というのもあるそうだ.無論これも専門家によって多種多様あるようだが,興味深いのは,専門家により患者をトランス状態にさせ,患部と対話をさせる方法.患部がどう治して欲しいのか,それに対してどうしたいか,等を聞くのだ.例えば「患部が暖めてて言ってるので,暖かいタオルで暖めてあげた」とイメージさせる.これにより治療の効果が上がった例が幾つもあるということだ.
さて,せっかく1日3回も寝ており時間はたっぷりあるので:笑,横になりリラックスし夢心地のところで,患部をイメージしてみることにした.意外にぼーっと画像が浮かんでくるものだ.突然胃の痛みが増したときに,白っぽい色が炎の色になったりする.そこで少し患部と対話する(というか一方的にこちらから思い込むだけ:笑).お互い早くよくなろう,とか.(悪い細胞のまま元気になってもらっては困るので,この辺りが難しい:苦笑)
ようは,リラックスすることがいかに大切で,プレッシャはストレスを溜め込むことが,いかに身体に悪いかということだろう.振り返れば,pressure free, stress less で過ごして来たつもりだったけど,実際はそうではなかったのかも知れない.今は復帰をイメージするとともに,その後の過ごし方についてもちょっと考えるようになっている.
投稿者 ngcoryell 時刻: 22:44
2007年11月18日日曜日
本日は晴天なり
日曜日: 今日で休薬期間2週間のうち1週間が終わり.やっと下痢の症状も落ち着いてきた気がする(ちょっと嬉しい).が,油断は禁物.継続して食事は柔らかいもの中心.下痢が長く続くとトイレに臭いもしみ込むので,かなり家族に迷惑をかけている(消臭剤だらけ:苦笑).これでちょっと安心.幸いトイレ以外は大丈夫とのこと.
今日は本当にいい天気だった.太陽からも沢山エネルギーを貰いなさい,と神の啓示を受けているので:笑,朝から部屋の中に太陽を一杯いれながら,空気の交換.今日の朝はいつもより食欲もあり,出だし快調.もう10年くらい出かけない日曜日の午前中は,たいていコーヒーをたっぷり2杯のみなら,まったり過ごしていたものだが,今日はそんな感じ.違いはコーヒーがポカリスウェットのお湯割りになったくらいか:苦笑.
昼食後は,テレビの前で東京女子国際マラソンに釘付け.優勝した選手と名字が同じでということもあり,以前から注目し応援していた.アテネ五輪の時は,海外出張からの戻る飛行機の上にいたので実況を見れず,成田空港で売店のおばちゃんに,買う物も買わずないで,マラソンどうなりました?と聞いたのを思い出す.あれウチの姪っ子なんです,なんて冗談をいいながら(大変失礼しました).
なので、今回のレースも着目していた.テレビを見ながらコースを調べ,入院していた近くを走るんだ,とか思っているうちに,最後の坂でライバルを振切って優勝.強いねえ.あのストライド,腕の振り,筋肉もあり強さを感じる.嬉しい誤算は,テレビから絶え間なく聞こえるこの選手の名前が,何か自分にも頑張れと言ってくれてる気がしたことだ.(かなり厚かましい:笑)
レースが終わって,まだ日が出ているうちに,散歩にでかける.すかさず家内が「走らないでよ!」まあ気分はそうなのだが,まだまだ普通に歩くのが精一杯.近くの公園で太陽を浴びながら深呼吸.写真は近くの公園のスナップ写真.携帯でもこんな青空が撮れる.十分にリフレッシュして帰宅.これからはスラムダンク時間:爆
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:52
2007年11月17日土曜日
SLAM DUNK
土曜日: 体調は昨日とほぼ変わらず,印象的には非常に緩い傾きで改善中てところか.幸い気分は悪くないので,午前中は軽く仕事と朝寝,午後はだいたい読書や音楽や散歩でリラックス.夕方もう一度寝る.
新聞に「スポーツマンに影響を与えた日本の漫画(アニメ)」という記事が掲載されていた(る?).覚えているだけ書くと「キャプテン翼」「SLAM DUNK(スラムダンク)」「はじめの一歩」「六三四の剣」,後は初のアメリカンフットボールの漫画等.このうち幾つかはアニメやコミックとして国際的に親しまれている.
特に「キャプテン翼」は,多くの J リーガのみならず,欧州のトッププレーヤの愛読書でもあり,翼に憧れてサッカーを始めた人は内外を問わず多いようだ.面白いのは,現在翼は(まだ連載している)欧州でプレイしているそうだが,漫画の上でなく,実際にレアルマドリッドのオーナーが,翼はなんでウチでプレイしないんだと怒ったそうだ.
著者によると,翼を初めた時は,日本はサッカー低迷期でとにかく日本が強くなることを(極端に言えば,連載が終わる頃にはワールドカップ優勝できるくらいの力をつけているように)motivation にしていたそうだ.同じように,アメリカンフットボールの漫画が人気が出たおかげで,アメリカンフットボールの用語やルールを知っている若者が増えたそうだ.この影響力とは凄いものだ.
自分は「スラムダンク」は読んだことはなかったのだが,海外を含めて若者に莫大な人気があることくらいは知っていた.また息子も娘も家内も大ファンななことを自宅療養をしてから初めて知った.実は「難しい、字の小さい本ばかり読まないの!」と言って,家内が息子の部屋から漫画をもってきてくれたのが読み始めたきっかけだ.(最初は”派出所”を持って来てくれたのだが,これはパス:笑)
いつだったか,学内のプロジェクトで RA の学生達と懇親会を行っているときに,韓国からの留学生が「私はスラムダンクに憧れて,なるべく舞台となっている高校に近い大学に留学することを決意し,この大学に参りました.残念ながらキャンパスが違っていました:笑」と自己紹介してくれた.スラムダンクは湘南辺りの高校を舞台にしている.
というわけで,家内にリクエストすると,ちゃんと息子が全巻揃えているというので,1日2巻ずつ読むことにした.シリアスな面と漫画特有のふざけた面がうまくミックスした,少々のキャラのかぶりをものともせず,ひたすら直球一直線の仕上がりになっている.コマ割りも大きく眺めるように読めるのだが,余りに面白すぎて,本当にお腹にひびくのだ:笑笑.著者のバスケット愛がジンジンと伝わってくる.これは人気でるわ.主人公に限らず,すべてのキャストから元気を貰っているこの頃である.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:57
2007年11月16日金曜日
ライフスタイル
金曜日: 今日も体調は昨日と左程変わらず(ちょいへこみ),が,お腹の痛みのやってくるインターバルが随分と長くなった.まあ痛みも減って来た気がする.これも少しライフスタイルをちょっと変えた効果か.ライフスタイルを変えるといっても,全然大したことでなく,友のアドバイスと本を読んで自分で今できる範囲の些細なことをしようと思っただけ.
少しだけ書くと,まず無駄な薬(抗がん剤じゃないよ!)を一旦やめることにした.例えば今胃潰瘍でもないのに,胃散を抑える薬を飲んでいた.それから胃の粘膜を強くする薬等.これらは外来で診ていただいた先生も「要らないんじゃない」という suggestion があったのでそうすることにした.それから食事の内容も少し変えた.まあこれは今消化系がよくないので,自動的にそうなるわけだが.
今一番意識しているのは「呼吸法」について.「癒す心,治る力」には呼吸法について本当に詳しく書かれている.が,自分自身をこれを読む前から少し気づいていた.例えば,お産を楽にする呼吸法があると聞いたことがあるが,今ちょっと苦しんでいる間欠的な痛みに対して,呼吸をうまく合わせれば痛みが和らぐのだ(逆にうまくシンクロしないと逆効果).
「癒す心,治る力」には何種類もの「呼吸法」が詳しく記されており,中でも新鮮な空気の中で大きく深呼吸することが大事だと書いてある.新鮮な空気の心地よさは病院で嫌程実感しているので,早速取り入れることにした.朝6時に起きて新聞を取りに外に出た時,午後散歩に出かけた時には,公園で深呼吸をすることにした.これでかなり気分がリフレッシュされる.
3時頃公園まで散歩すると,幼児を連れたお母さん達,学校が終わった子供達,犬の散歩の人達がいる.そこに中年のおじさんが,定期的にやってきて何もせず,時折深く息をして帰っていくので,そのうち不審人物に思われるかも知れない:苦笑.写真は,家の壁にくっついていた親子バッタ.頑張って張り付いていた.随分寒くなった.後2週間で暦上では冬が来る.
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:53
2007年11月15日木曜日
癒す心
木曜日: 今日も体調は昨日までと左程変わらない.ただ今日から少しライフスタイル(というには大げさだが)を変えてみた.どのように変えたかは,また追々述べることにして,すぐには結果を求めず,徐々に改善することを期待する.
まだ大して読み進んでいないのだが(並行して、週刊誌,宮部みゆき,息子から借りたスラムダンクを読んでいる:笑),記憶が新しいうちに「癒す心,治る力」のうち「こころ」に対する記述にも触れておくことにする.
筆者は,生体システムの中に,心のメカニズムも組み入れるべきだと考えている.というのは,DNA から細胞,更にはもっとマクロな器官に備わっている,損傷を受けた際に自然治癒していく力が,心にも備わっているからだ.強烈な悲しみも,時間とともにあるいはセラピストの力を借りながら穏やかになれる,ということに相当する.ただ,この心のメカニズムが,システムのどの階層(例えば DNA よりも更に深い層)に位置しているかは不明だとしている.
「こころは原因か結果か」という議論が,やはり心理学や宗教,哲学と同様に医学の世界でもあるようで,科学の世界ではどうやら「結果」ということになっているらしい(同僚の先生の書物でも同じような意見だった(と思う)).しかしこの筆者は,心が原因で多くの治癒を体験したことにより,この意見を否定している.例えば,病理学的に決して効果がないとされている薬を用いても「治る」と信じることで治癒する「プラシーボ反応」を例に挙げている.
この「こころ」は,受け手一人で形成するものでなく,特に病人の場合は対話する人の発言にも大きく左右されるので,対話できる相手を(カウンセラーやセラピスト)を選ぶことの重要性も説かれている.例えば,現代医療にたずさわる医者の心ない一言(もう無理です.的な発言)がどれだけ,治癒能力を後退させるか,あるいは,相互イメージ療法と呼ばれる方法で,治るイメージを双方が共有することで,どれだけの治癒効果があったか,筆者の例も含めて紹介されている.
まだ「こころ」にまつわる章は始まったばかりで,完全には理解しきれていないし,誤解している点も多いかと思うが,少なくとも今の自分で「納得」して消化しきれた部分についてのみ記した.やはりポジティブに考えること,ポジティブな意見を共有できる方達と話し合うことが重要なのだ.(ちなみに,入院していた病院の先生のうち最初に診て下さった先生は,科学的には証明されてないんですが,という注釈つきで,ポジティブに考えることの重要性を説明して下さった.)
この本では,戦争ではないのだから病と「闘う」という表現はおかしい,「受け入れる」ということも書かれている.こちらは,受け入れた上で闘っているつもりであった.この当たりが,「治療」と「治癒」の根本的な考え方の違いなのかも知れない.
投稿者 ngcoryell 時刻: 22:04
2007年11月14日水曜日
治る力
水曜日: 今日も昨日と変わらず,間欠的な胃の痛みと下痢状態が続く.間欠的な痛みの周期は何で決まるのかわからない.横になってお腹の状態を観察していると,どうもガスか定期的に生じて,それが胃を膨らませた時に腫瘍を刺激しているのかと思われる.問題は何故ガスが定期的に生じるのかのだが,やはり消化器系が弱ってるのか.
今週から読み始めた「癒す心,治る力」には興味深い記述が多く見られる.まず人体は個が集まり全体を成す「システム」であること.従って個が機能していないときに,個に偏った「治療」を施してもダメな場合がある.本来人体は自然治癒する能力を備えているのだから,システムの一部の別の箇所が機能していないことにより,自然治癒能力が低下していると考えた方がいい場合がある,ということであった.
最も興味深かったのは,人間には1次呼吸系と2次呼吸系があるそうだ.2次呼吸系というのは通常の肺で行う呼吸のこと.1次呼吸系というのは,うろ覚えだが,頭蓋骨,脳,脊髄..等で行っている微妙な振動(脈動)のことで,この1次呼吸が不安定になると,システムそのものが不安定になる.この微妙な振動は,オステオパシー医学(非薬物的治療を行う医学)の熟練医は,頭に手を当てるだけで感じることができるという.
この1次呼吸が不安定の場合には,頭蓋骨の噛み合わせが悪いことがしばしばあり,この本に出てくる熟練医者は,「たぐいまれな手技」のみでこのずれを直し,一言「お終い」といって治療を終えるそうだ.例えばどうしても治らなかった潰瘍性大腸炎が,この方法で治った等,数多くの実例が記されている.大事なことは,この治療で患部を治したことではなく,人体の持つ自然治癒力をもとに戻した,ということである.
まだ1/3も読切れていないが,自然治癒力を正常に戻す,向上させるにはどうすればいいか,生薬に関する細かい説明や心の持ち方も含めて詳しく記されている.これを読んで学んだ(多分)一番大切なことは,「何でもあり作戦」でいいのだけれど,自然治癒力(治す力)を向上させるには,治療に対して「受け身」では行けないということだ.自分で治す努力を怠らない,それは自宅にいる間しかできないだろう.少しライフスタイルを見直そうと思った.
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:34
2007年11月13日火曜日
タヒボ
火曜日: 成る程,抗がん治療を休止した時の体内の状況が理解できるようになった.正常細胞も元気になるが,悪玉も同様なわけだ.引き続き間欠的な痛みと,軽い下痢が続く.気分は悪くないし,熱もないので,痛みをちょっと我慢する以外は普通に暮らしている.夕方学科の先生から電話があり,一人だったので電話を受けると「寝てなきゃダメじゃない」と叱られた.この手のやりとりは会社時代に一度あったなあ.あの時は喘息だった.
さて,休薬期間はタヒボ茶を飲むことにした.これは大阪の実家からの「厳命」
であり,家内は嫁としての「義務」を全うして,病院にもしばしば持って来てくれた.が相談の結果,休薬期間に飲むことにした.写真はタヒボ茶のパッケージ.随分とモダンだ.健康茶としても知られているそうだが,ガンにも効果があるといわれている.実際,母や姉や入院前にホームページで見たところによると
・腫瘍に効くと言われている成分が含まれており,特許が認められた.
・元々の発見者は,西を代表する国立大学の医学部教授だそうだ.
・奈良に住む叔母がこの先生と知り合い?で,自分がガンになったときに,これを勧められた.
・叔母は抗がん治療と並行してこれを飲み,無事生還されて今でも元気である.
・健康茶の濃さの6倍の濃度にして飲むと,ガンにより効果的.すごく苦い.ちなみに母曰く,父は(4年程前ガンで他界)「こんな苦いもの飲めるか」といって拒否したそうだ.
・治療を受けている病院の先生は,飲むことについてポジティブではないだろう.
ということだ.昨日から飲み始めたが,苦さは特に気にならない.主に本を読みながら,あるいはメイルを見ながら,ちびりちびり飲んでいる.まあ水分はできるだけとるように言われているので,頑張って飲み続ける.
昨日友人が 「Spontaneous Healing,癒す心,治る力」という本を送ってくれた.所謂「治療」と「治癒」の違いについて述べられている.前者は現代の医療技術による「治療」のことで,後者は心を含めた身体の持つ自然「治癒」力のことである.まだ全部は読めていないが,作者のワイル氏は後者を推進する医師であり,豊富な実例と実践が記されてある(それこそ何でもあり,タヒボもこの類).読み進む程興味深い記述があり,今先進「治療」を受けている自分ではあるが,病気に向かう姿勢や頑張る元気の原動力となりそうだ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:10
2007年11月12日月曜日
休薬開始
月曜日: 今日から待ちに待った?休薬期間の筈だったが,敵もこちらからの攻撃が緩まったとみたのか,お昼頃から反撃を始めた感じだ.具体的には,結構な頻度で胃の痛みがやって来る.なんか通りそうにない隙間にぐっとものを押し込まれたような感じ.これまでとも少し違うかな.また体が何となく熱っぽい.ちょっと予定外であったが,じっと我慢して結局は,これまでどおり朝寝,昼寝をして少し落ち着いた.少なくとも精神的には負けない.
休日があけると,研究室,学科,学会からのメイルが舞い込み,新たな週が来たんだなと思う.これは療養中の身でなければ感じないことだろうな.研究室からのメイルで,今年の合宿は「つま恋」(ヤマハリゾート)だそうだ.つま恋と言えば,今の車の前の RVR を買った際に,もれなくつま恋一泊旅行がついてきて,家族で行ったのを思い出す.あの頃のガキンチョどもは可愛かった.
ついでに、つま恋といえば,30年程前に,たくろう・かぐや姫の24時間ライブがあった.高校生の頃友達と2人ででかける予定だったが,お固い?高校だったために校長自ら行くな,と言い出し,結局行けなかった.そのコンサート,去年だったけ,Forever Young と題されてまた開催された.これまた行けなかった(行かなかった)のだが,行った友人から記念バッジをもらった.今年の夏休みに去年のコンサートのビデオを見ることができ,いたく感激,その感想を,お遊びのつまりだったこの blog の2回目にで書いた.なんか奇遇だ.
さて,こちらも休薬期間中は何でもありなので,「タヒボ茶」というものを飲むことにした.結構強烈.これに関するエピソード(この使い方は変か?)はまた後ほど.胃の痛さは別として,副作用の気分が悪く波はなくなった.休薬期間が楽になるという期待は甘かったが,まあ闘病とはこんなものだろう.2週間頑張る(トホホ).
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:11
2007年11月11日日曜日
1クール投薬期間終了
日曜日: 今日も天気が悪く寒そうだったが,昼からは日も射してきた.食欲は戻りつつあり、食べる量も「娘のダイエット食」くらいの量になってきた.水分もすんなり摂れるようになったが,このところの変化に胃の方がついていけず、常に胃の中で反応が生じている感じ.時に痛むし,腹も下し気味である.まあ明日からはまた変化があるだろう.
ちょうど検査から1ヶ月たった一昨日病院に出かけた.外出着に着替えていると,己の体型の変化に驚く(スリムになったてこと.相対的にだが:笑).まず,ポロシャツ,いつもはあまりにピッタシサイズで,寧ろお腹の線が浮き出てみっともなかったシャツが格好よく見える(赤の Fila).ちょっと大きめだった Levi's は,歩く程にずり落ちそうな感じ.時計はなんと肘のあたりまで(これは嘘),余裕たっぷりでぶらんぶらんしている.(女性の場合は痩せたら手首から抜けるのよ,ブレスレットの場合とは家内の弁)まあ嬉しいような,悲しいような.動き回らないので足の筋肉はすっかり落ちてしまった.これは悲しい.
研究室の OB から花が届けられた.凄く奇麗だ.ありがとう.でも生花はあまり家に置かない方がいいとのことなので,家内と相談した結果,先週入院した義父のとことに持っていこうということになった.義父の方は,何とか手術せずに済み,来週には退院できるようだ.よかった.家内もこれで少しは落ち着くだろう(一頃は本郷と信濃町の病院を慣れぬ首都高を駆使してはしごしていた).
一応一段落するので,振り返って,腫瘍による自覚症状,特にひどかったときの状況を記しておこう.(あくまでも個人的な症状)
・胃の重たさ: 鉄のかたまりか何かをみぞおちに乗せられている感じ.時に押し込まれ,時に引かれ,繰り返しを受けているうちに,胃が口から押し出されそうになる.その時何か金属をなめているような味が喉の奥でする.
・鋭い痛み: これは連続的なものでなく,瞬間的なのだが,間欠的にやってくる.太い注射針を刺したときのような痛みが,胃の中央部よりは,胃の周り,その周辺部に生じる.
9月初めあたりからじんわりと感じ始め,仕事にでかけると忘れる,それが2週間続いたので,最初は近くのいつも診てもらっている医院にでかけた.まず胃潰瘍を疑い1週間特効薬を服用したが改善しないので,胃カメラをとることになった.で,今日に至る.胃の悪性腫瘍は,自覚症状を感じた時点では,すでに初期ではないそうだ.ついでに言えば,必ずしも痩せるわけではないのだ.
幸い,治療を始めてからは,食後の胃の葛藤はあるものの,上記重たさや痛みは随分軽くなった気がする.明日から2週間休薬となるので,壊れた健康な細胞の復活を期待するのだが,同時に腫瘍も我が物顔で振る舞うのではないか,という不安ももちろんある.そこは事前に家内と練ってあり,いよいよ何でもあり作戦が登場する予定である.
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:48
2007年11月10日土曜日
これまでの副作用
土曜日: 昨日の外来診察で精神的,肉体的にそうとう疲れたらしく,アドレナリンが出きった今日は体がどんよりしており,いつもより朝寝も長く,昼も寝床中心で過ごした.でも,いよいよ今日明日で1クール5週間のうち3週間の投薬期間が終わる.結局 TS-1 + シスプラチンによる(自覚症状を感じた)副作用は次のような感じである.
・気分の悪さ,吐き気:気分の良い悪いは波がある.波の高さは,平均すれば,少々の我慢と,大人しく寝ることで回復できる程度なので,これはラッキーだった.吐き気は1,2度あったが,結局吐かなかった.食欲が戻りつつある今でも吐き気は全くない.これもラッキー.
・食欲:これは病院にいる間は,一気に落ちた.つわり状態も経験した.ご飯の匂い,みそ汁の匂い全部駄目.これにはメゲた.だが,退院後は復調.量的にはまだまだ.家内によると,1週間で,離乳食から,幼稚園児,今は小学3年生:笑,くらいにまでは回復した.ただ,お腹の中は常に化学反応状態?なので,食べると未だに一瞬驚く=痛む,ことがある.ので,いつも様子見様子見食べている.
・肌の変化:肌が乾燥肌になった.またちょっと色に元気がなくなったか.昔からある痣や傷跡などは,殆ど死んだ色をしている.全身発疹はなかった.寝間着などが接触するところには少々できる程度.口内炎は,唇にだけできた.で,熱いお茶が飲めなくなった.幸い口内は今のところ大丈夫.味覚も落ちていない(ラッキー).
・その他1:声がハスキーになった.寝起きは完全なかすれ声.家内曰く,水分がたりてないからよ,そんな気もする.なので会話自体少し疲れる.それから,口の中の状態に非常に敏感になった.特に朝起きると口の中が気持ち悪く,まず一番にうがいをするようになった.これ,食事をする時に,本当に食道を通り易くするために小さく小さく食物を噛み砕くので,それが歯の細かい隙間にたまることにもよるのだろう.
・その他2:上記はあくまでも,自分で感じた副作用である.自分で気づかなかった体内の変化は血液検査の値に現れ,昨日も書いたように腎機能が少し低下している(その他は大丈夫のよう).抗がん剤恐るべし.まあこれは自然治癒力に期待しよう(するしかない).
・余談:入院しているときの,抗がん治療マニュアル(副作用への対応)には「性生活」という項目もあった:笑.看護師さんが毎日オリエンテーションしてくれたのだが,誰もこの項については説明してくれなかった:笑笑.恥ずかしいのか,不要と思ったのか:笑笑笑.(内容は行為?に関するものではなく:笑笑笑笑,子種が減るとか増えるとかの話である)自分としては、機能低下自体は,自覚症状としてないような.笑笑笑笑笑,
肌や唇の荒れには,家内の乾燥肌用ローションやリップクリームを,また歯ブラシ以外の細かな歯のケア道具も家内から借りて使っており,非常に助かっている.ほーら普段の我々(家内と娘)の気持ちが分かったか,とからかわれている次第.とまあ,完全に支配下に置かれている状況である.明日は1クール投薬の最終日だ.一応わくわくしていたりする.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:34
2007年11月9日金曜日
一勝一敗?
金曜日: 今日は退院後初の外来診察日.1時から2時までの間に受付,診察の前に採血とレントゲンを撮らなければならない.だいたい家を11時頃に出る予定.そこから逆算して,今日は早めに朝寝.午後は昼寝ができないかも知れないので,努めて体力温存.
さて,高速は予想通り渋滞.実は車の移動はちょっと体にきつい.無論体力が落ちているので電車での移動はもっと悲惨だと思うが.まずシートベルト.胃およびその周辺に病巣を持ってるので,固定される位置が非常に微妙で,その圧迫感により違和感が増す.加えて加速度により(胃に感じる)慣性力が結構負担.しかも渋滞だったので,そのアップダウンが多くて結構まいった.でもまあ,何とか慶應病院にたどり着く.
受付まで時間があるので,新しく病院敷地内にできたスタバで軽く昼食.屋外の方が気持ちいいのでテラスに陣取る.落ち葉もありそれなりの風情.もちろんこちらはコーヒーは駄目なので,持ち込んだ水とおにぎりで一服(家内はちゃんとオーダしたよ).写真はテラスから撮った写真.よく見ると店内,真ん中に青い液晶画面があり,数字が800と書いてある(のがわかる?).実はこれは薬の受け取りの整理番号である.つまり,薬の順番待ちの間スタバでお茶できるということだ.他の病院は知らないし,場所が場所だけにそんなに儲かるわけでもないと思うが,素晴らしいコラボ,ビジネスモデルだと思った.
予約していた割には,1時受け付け開始の5分前に受付した割には,診察順番はラスト.待っている間に,宮部みゆきを読み始めるが集中力が続かずパス,少しして復活したので,軽く英語論文の査読を敢行.だいたい目を通しておいたので細部だけチェック.コメントだけメモした.入院したときにお世話になった看護師さんが来て,こちらの様子をうかがってくれる(覚えてもらっていて嬉しい).なんやかやで2時間くらい待った.
さていよいよ診察.細部の検査はしてないので,X 線と血液検査からの判断.ちょっと嬉しい話,腹水は減ってますね.次に今日1番のヒット.先生ずっとうなった後「腫瘍マーカの値は正常なんですね..」「これはいいことでもあるのですが,(実際は体内には腫瘍があるので)むしろもっと大きい方が(変化がでるので)治し易いんだけどな...」問診,触診を受け,「今日の印象では効果は現れています」,気分的には一勝かな.
でもいい話ばかりでなく,残念な話もある.やはり点滴「シスプラチン」の副作用は強力だったようで,血液の値から判断すれば腎機能が少し低下しているようだ.入院から退院までずっと正常値だったのが少し閾値を超えた.腎機能が落ちると今後の治療が大変面倒くさくなるなので,強行はしたくないとのことだった.幸い TS-1 による影響はなく,これから休薬期間に入り正常状態に戻る可能性が高いので,その値を見て今後の対処を考えることになった.(やっぱり一敗だろう.)
TS-1 とシスプラチンは良いコンビであることは間違いないのだが,シスプラチンがすべてというわけでもなく,他にも2つ同等の選択肢がある,だからその当たり心配しなくて良いと言われた.だけど...「この二つは例外なく髪の毛が抜ける」ということだ.なのでまずは皆髪の毛に対する副作用のないシスプラチンを使うということであった.もちろんこちらは何でもありの気概できているので,スキンヘッド問題なし:笑.でもできるなら使いたくないので:苦笑,これからの腎機能の回復を期待するともに,これからの2週間は,塩分控えめ,水をとにかくたっぷりとることに決めた.
はてまた今夜は疲れている筈なのに,アドレナリンのせい?か,気分も悪くなければ,眠くもない.でもこのしっぺ返しは多分くるだろうから,今日は大人しく早めに休むことにしよう.
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:30
2007年11月8日木曜日
退院1週間
木曜日: 退院して一週間たった.入院時も含め時間が経つのが無茶苦茶速い.オフィスにいると年々月日の経過の加速感は感じていた.入院したときに,看護師さんから皆さん退屈だと仰られますと聞いていた.なので毎日が苦痛なのかと思っていたが,全然誤解だった(少なくとも今の自分は).まあ充実し過ぎている,というわけでもないのだけど:笑.退院後の生活はだいたい次のような感じに落ち着いて来た.
4〜 5時:目が覚める.
6時:起床
6〜 7時:入浴,新聞,メイルチェック等
7〜 8時:朝食
8時:TS-1 (抗がん剤)投与!
8〜10時:うだうだ
10〜12時:朝寝
12〜13時:昼食,メイルチェック等
13〜16時:うだうだ
16〜18時:昼寝
18〜19時:夕刊,メイルチェック等
19〜20時:夕食
20時:TS-1 (抗がん剤)投与!
20〜22時:うだうだ
22時:消灯
22時〜 :夜寝
よく寝てると我ながら感心.もちろん寝付くまでに本を読んだり音楽を聞いたりするのだけど,割にさくっと寝入ってしまう方だ.(寝付きの悪い家内によく文句を言われる:笑)目覚めた後は,だいたい調子がいいので,そのすきに頭の使うこと,液晶画面相手にしなければいけないことをする.
副作用には波があり,大きめの波が来るタイミングは大体わかり,そのタイミングに合わせて眠るようになった.(頭を使いすぎたときは,より大きめの早めの波が来る.)うだうだしている時間は,仕事をするときもあれば,web サーフィン,電脳ガジェットで遊んだり,あるいは本当に何もせず瞑想(迷想,妄想)している.
明日は1週間ぶりの外来検診.採血とレントゲンしかとらないので,何がわかるわけでもないのだが,久しぶりに外に出るので嬉しい.(とは言っても,車で door to door だけど)家の中の景色もちょっと飽きて来たので,外の空気の写真をとって来よう.
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:56
2007年11月7日水曜日
継続は力
格闘技系の雑誌に,日本を代表する世界的なブラジリアン柔術の大家の記事が掲載されていた.選手としても指導者としても大成された方である.その経歴を見て少し驚いた.某国立大学出身の方で,「高専柔道を継承し,主将として七帝大戦で母校を優勝に導いた」というのが(柔道時代の?)特筆された実績なのだ.
驚いたのは「七帝大戦」というところ.これは日本の旧七帝国大学の運動部が年に一度一同に介して対抗戦を行うもので,自分が所属していた卓球部でも大事な年間行事の一つであった.が,30年前ならまだしも(この方は僕よりも全然若い),伝統はともかくとして,その実力レベルは所謂全国レベルからは程遠い(偏差値の高い大学間の大会だから当然,もちろん個人的に凄い人は,この方のようにあるだろう).
つまり日本を代表するトップアスリートの経歴の1番目に,「七帝大戦で母校を優勝」と書かれているところが,何とも不思議だったのだ.他の競技では,例えば卓球ではまずこんな経歴はありえないから.また,このような実力者が,七帝大戦活躍された以上の実績はなかったのか,とも思ったわけである.不思議反面,もちろん嬉しかったけれど.
先の OB 卓球大会は,この七帝大も含めた全国国公立大学の OB 達が集う試合である.夏の現役の大会は,全国国公立なので七帝大よりは勝ち抜くのは大変だが,それでも全国大会とは言え,全日本レベルでは到底ない.であるが,やはり同じような環境で練習を切磋琢磨した仲間で通しで試合なので,盛り上がりは凄く,気合いも入る.頑張って勝ち上がったときの気分は最高である.
その大会を経験した OB 達の大会も同様に盛り上がる.真剣勝負だけでなくレクレーションの意味も含めて.今年は全日本レベルの選手が集まった某大学の OB チームが,若い殆ど現役の OB を含めたチームに負けた.まともにいけば10年は優勝し続けると思っていたが,やはり名選手もやはりそれなりに aging が始まるのだろうか.結局そのチームが優勝したのだが,その中に横浜で何回かお手合わせしたことのある(1勝1敗)選手(自分より少し若い)がきちんと勝っていたので,これまた感心した.
「継続は力なり」というが,やはり地道に続けることが大事である.休んでいるものは自動的に力が衰える,というのは年をとってくれば顕著になる.(往年の名選手ともいい勝負ができる:笑)才能が努力に勝るのは若いときだけ.やはり中年以降のスポーツは,体力プラス努力なのだ.
1クール5週間を2クールという長丁場,現在1クール目の2週間と3日目.この治療の継続により,また体力が戻ってくることを切に望む...
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:42
2007年11月6日火曜日
ギャップイヤー
火曜日: やはり入院中に読んだ脳に関する本の中にギャップイヤーという言葉があった.ギャップイヤーというのは,脳の活性化のためには,仕事から離れて1年間くらい遊ぶ期間があった方がいいというもの.実際に英国では,高校か大学を出て1年くらい就職しないで自己の充電期間にあてても何ら問題ない(例えば就職に不利になるとか)そうである.
日本はと言えば,そんなフリータな1年があったらもう大変,就職に対して不利になる,というのが,まあこの学歴社会の一般的な見方だろう.実際大学教員や研究者が履歴書に空白の1年というのを残さないために,有期でも何でも職位が必要とやっきになるのが実情である.(日本の場合は大学の4年間がギャップイヤーだと揶揄する向きもある)
で,今の自分はと言えば,幸運にもちょうどギャップイヤーの時間を貰ったのかな,と思っている.ひたすら寝ているだけなので:笑,活性化するかどうかはわからないが,少なくとも入院する前よりも,直接の仕事が手から離れた時間だけ,多種多様なことを考えられるようになったのは事実だ.ゆっくり休みながら活性化させる,うまくいけばとても素敵なことだ(実際は退化しているだと思うけど:苦笑).
先ほど娘が,ウチの大学医学部の10年程前の物理の入試問題を持って来た.日本語すら分からないという.よし活性化させるか,と考えてみる.確かに問題の意味が理解できれば,非常に簡単な問題である.うちの学部ではこの本文は日本語不明瞭,意図がいくつにも読み取られる,との理由で多分大幅書き直しになるだろう.でも恐らくこの出題者,問題も自分で作らせて,それに対して如何に論理的に解答を導けるか,ということを狙っているのか,と思う.それはそれでいい選抜方法である(ちゃんと採点してれば:笑).
というわけで、思いかけず頭を使ったのですっかり疲労困憊である.ギャップと言えば,10月は入院騒動で,丸々一ヶ月が空洞のように空いてしまった感じだ.その間に夏から完全に秋になっていた(もう冬の方が近いね).写真は,一昨日うちの庭でみつけた秋の景色である.これもギャップが気づかせてくれたものだね.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:51
2007年11月5日月曜日
あっと言う間
月曜日: 昨日の夜中に息子が戻ってきて,一瞬目で挨拶をくれた.ちょうど入院する週に彼も一人暮らしを始めた.だいたい日曜の夜に帰り,仕事休業の月曜日は家でゆっくりして火曜日にまた出かける.無論こちらが入院する予定はなかったので,しばらくの間は家内と娘だけの危なっかしい?家だった.その息子,さすがに一家の一大事だと思ったらしく,月曜日は家の掃除機がけをしてくれてるようだ.今日も,埃っぽいので出てくるな,と言われた.知らぬ間に成長するもんだね.
昼食前に,電子レンジの修理が来た.どうも対症療法はできるのだが,根本的な修理は難しいそうだ.なのでまた再現するかも知れない.(何か,こちらの状況と似てる:笑)応急処置をしておきましたが,また動かなくなったら,コンセントを抜いて5分程放置してから使用して下さい,とのことであった.「このコンセントを抜く方法,父ちゃんがいつも電化製品を直したる,といってやる方法と同じね..」フフフ,現代の電化製品はすべてリセットで大抵解決するのだ.
今日は,大学のメイルサーバの交換日.だいたい筋書きは完璧でも、予期せぬことは常に起こるもの.だいたいクライアントの方もああでもない,こうでもないと時間を費やす.自宅からのアクセスでは,最初は調子がよかったが,途中から色々細かい点が気になって来た.そのうちに,秘書さんから,web 見れない,プリントできない,とのメイルがやってきた.(メイルが着く方が不思議;笑)まあ落ち着くまでにはもう少し時間がかかるだろうね.担当者の方本当にご苦労様.
まあ何とかメイルが使えることが分かったので,昨日さぼった研究室関係のメイルを一気に片付ける.奨学金関係と卒論関係.やっぱり学部生はこれからという時に放って来たので,かなり心配.特にウチの研究室はチーム制をとらず個人で頑張らなければいけないので,後を任された先輩諸氏は大変な思いをしていることだろう.先週までの進捗を拝見して各自にメッセージを送った.
一昨日の OB 卓球大会やはり盛り上がったとのメイルをいただいた.ちょっと羨ましい.大学の部活同期から,会場で入院のことをこっそり聞いたらしく,お見舞いのメイルをいただいた.監督には連絡しておいたのだが,同期には連絡する余裕がなかったので,どうにも気がかりだった.でもこれでスッキリ.大学時代の部活の同期は,やっぱり特別な仲間だからね.
今日はあっと言う間に過ぎた.また,悲しいかな集中力が2時間はもたないこともわかった.悲しむというよりは段々とペース配分が分かって来たと解釈しよう.仕入れた週刊誌すら読み切れなかったので,これは明日の楽しみにとっておくことにする.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:54
2007年11月4日日曜日
Born in the USA
日曜日: 本当に何年ぶりだろうか,8時間続けてベッドにいた.もちろん何度か目を覚ましかけたり,うつらうつらはしたのだけど,たっぷり長居したので後ろめたい気持ちも:笑.でもいい話だけでもなく,途中久しぶりに検査前の時のような,鋭い痛みが1時間程続いた.半分眠りながらひたすら収まるのを待つ.化学反応,今やっつけてるところ,とおぼろげに念じながら.腫瘍による痛みの場合は,酷くなると神経を麻痺させるしか方法はないので(父がそうだった),こればかりは勘弁して欲しいなあ.幸い,眠りからさめると落ち着いていた.
今日は長くぼさぼさに伸びた髪とひげをそりに散髪に外に出た.鏡に映る姿は,時間が経つにつれすっきりしていくのだが,やはりかなり細くやつれたのがわかる.娘にも改めて言われた.確かに10月9日から数えて3週間強で5,6 kg は落ちてるものね.幸い食欲は順調に戻りつつあるので,何とか長期低落傾向を食い止めたいものだ.写真は,散髪の帰りに撮った,無事入院から戻って来たマーチ.その横は愛車のアウトランダー.これにまたいつ乗れるのか.
入院中に読んだ本の中の一つ,村上春樹による音楽評論は秀逸だった.ロック,ポップス,ジャズからクラシックまで,この人の曲や演奏者,作曲者に対する表現力は驚嘆に値する.どうすればこんなに多様に言葉が紡がれているいくのか.クラシックはわからないが,よくジャズやロックの評論に,ただただ抽象的なだけの表現の文章を拝見するが,それとはちょっと質が違う.無論抽象的な表現な方が多いのだが,必ずそれらに対する裏付けが,豊富な作者の経験と綿密に調べたその曲や芸術家の背景や歴史とともに語られるのだ.
ブルース・スプリングスティーンの Born in the USA は,アメリカの独立記念日?かなにかの花火大会の時に大音量で流れ,周りの若者達(そのときはこちらも若者!)を熱狂の渦に巻き込んでいたのを思い出させる.で,自分もただただ,若者のの国粋?意識を昂揚させるだけの唄だと思い込み,意味なく盛り上がっていた.でもこの曲,本当はアメリカの貧しいワークアウト層出身の若者(ブルース自身そうだった)を元気づけるための唄だったそうだ.実際に世の中にこの曲が出るまでもいろいろな紆余曲折があったようだ.
ブルースが抱く悩みは,スーパースター,億万長者になった自分自身が,ワークアウト層のこの唄を歌うことによる矛盾にあるという.またこの悩みは後年もずっとつきまとっているそうだ.(でもこのような矛盾というのは,多かれ少なかれ誰でも抱えているものだ.レベルは違うが,あの日本シリーズの交代劇だって,善悪の問題ではなく,自己矛盾の中でとった指揮だと思う)とまあ,1度の読後感のみで書いているので細かいところは違っているかも知れないが,こんな感じで全編詳細に書かれていて読み応え十分.クラシックのことは曲も演奏者も殆ど知らなかったが,それでも面白かった.「意味がなければスウィングはない」というのが本のタイトル(だったと思う).
というわけで,休日らしく一日が過ぎた.やろうと思ってたことは皆ペンディング.明日出来ることは今日するな.これは社会に出てからのモットーの一つである.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:56
2007年11月3日土曜日
私にキスして
土曜日,文化の日: 本当に良く寝る.夜寝て,朝寝て,昼寝ると言った感じ.寝て体力を温存しているときに,体の中での Chemical Reaction を促進させているとでもいうか.胃にまだ違和感がないわけではないが,それでも入院の頃とくらべると雲泥の差.また,どんな姿勢でも眠れるようになった.これは my bed の特権かな.
にしても,楽しみに手に入れた,Window mobile 思いどおりに動かない.そもそも User Interface に慣れていないこともあり,何でも手探り.HSDPA 通信, GPS, MAC とのリンク,なんでこんなにうまく行かないのかねえ.残念ながらあまりに minor すぎて,web にも情報は一切でてないので,まあ自分が実験台になっているということか.
何度か宅急便が来て,入院と同時に壊れた windows Note の代替機が届いた.ソフトも併せて送ってもらい,これからインストールしなくては.根っからの MAC 使いではあるが,この Think Pad だけは思い入れがある.MAC と同じで,やたらに軽くしないで堅牢なところが好きだ.親会社が変わっても designed in Japan は息づいてるし.このシリーズになって5代(台)目かな.
入院シリーズ: 車が無事修理されて戻って来た.4気筒のエンジンのうち1つが機能してなかったそうだ.ちょうど定期点検のときだったので無料で生還.ところが...今度は電子レンジが突如不調に...(この手の不調は家内が不機嫌になるのでなるべく勘弁して欲しい).最近の家電は24時間サポートがついており、電話をしたところインバータの故障ということになった.さすがに重く入院は無理なので,月曜日に往診してもらうことになった.
昨夜の夢は前向き?だった.出れない筈の学会に出席している夢だった.もう一つの夢は奇跡みたいだった.なんか学園祭で歌うことになりそのリハーサル.新しく買ったギターがあまり鳴らず弦も切れていたが,なんとかスタート.陽水の「限りない欲望」を歌おうとして,最初の音で外して大慌て:笑.そのままめげずに続行,キーを変更して別の曲へ.これが,20才くらいまで,恥を知らぬころ,よく歌っていた曲.その後現在まで殆ど口にしたことはなかった.その曲を歌い始めたのだ.夢の中で歌っている自分と,それを客観的に見ている(コードと歌詞を確認している)自分の両方を確認できた,不思議なひと時だった.今日のブログのタイトルはこの曲のタイトル.
今日は OB 卓球大会で盛り上がっている筈である.明日には様子が知らされるか?また,海外から査読依頼が届いた.1対1なので結論が欲しいそうである.頼りにされている間はやらせていただこう.その他,宮部みゆきの「模倣犯」を読み始めた.この時期殺人事件はいかがなものかと,ふと思ったりするが:苦笑.描写が細かいなあ.家内は,赤川次郎くらいの方がいいんじゃないの?というのだけど.と,ここまで書いて睡魔が..おやすみなさい..
投稿者 ngcoryell 時刻: 19:24
2007年11月2日金曜日
休日前
金曜日: 久しぶりに朝を家で迎えた.明け方に一度目が覚め,しばらくゲップを出すため!(寝るのは気持ちいいのだけど,そのうちガスが貯まってきて目が覚める)にソファに腰掛けてじっとしている(これって外から見ると妙だろうね).無事出せてもう一度床へ.
6時半頃から家族が起き始め朝の準備が始まる.テレビが朝のニュースを流し,家内と娘がいろいろ会話している.それを寝床から聞いているわけだが,全くそのペースの早さについていけない,こちらも朝型で,朝からそのテンションはやめて,とよく言われたが,今はその逆.頭がなまって行くのか,退化していくのか.
毎日がお休み状態になると曜日感覚がなくなる.なんとかキープする目的もあってブログをつけているわけだが,それでも,明日が休み,ということに気づくのに時間がかかった.そうか国民の休日だ.OB 卓球大会が明日あるとの連絡をもらって思い出した.この大会第1回から関わっており,顔を出せないのがとても残念.世代は違えど,共有しているものが同じ仲間達が集うと,大会も after 大会も異様に盛り上がる.明日も盛会だろうな.
自宅に帰り,多少(かなり?)の融通(わがまま?)がきくようになり,食欲も少しずつ上向きに,病院ではゼロであった食欲が,昨日は離乳食,今日は幼稚園児のお弁当,くらいにまでは回復.水をとること,栄養をとること,は退院前のオリエンテーションで散々言われたので頑張りどころ.入院前の生活と比べると,寝ること,食べること,が努力項目になるとは思いもよらなかった.
今週の前半は,入院3週目ということもり,あまり詳しく病状について話さなかった方々から,突然のお見舞いや電話をいただいた.皆さん,外科手術がそろそろ終わり,体力回復時期か,と思われたそうだ.同様に水曜日,「抗がん治療から始めると聞いて,なかなか受け入れられなかったよ」と大学の常任理事の方が来て下さった.「元気そうでよかった,行けるよ大丈夫だよ,是非これを読んで」と,我が大学の創設者(1万円札の方)に関する本を差し入れていただいた.時間は一杯あるので是非読みたいのだが,ちょっと字が小さい&漢字が多い:苦笑.
また前の会社の同僚から手紙をもらった.一つは,シニア向け雑誌に掲載された,我がアイドル Larry Coryell インタビューが同封されていた.レアもの.困難からいかにはい出したか.もう一つは,一緒によく陽水を聴きに行った方から.今も Birthday Mail は送りあってる.つい入院する一ヶ月前にやりとりしたばかり.ラジオ出演記念テレカありがとう(携帯の使えない病院では貴重!また使うときがあるだろう)その他,ドイツからまた2通の encouraging mails をいただいた.一つは重厚な激励文,もう一つは軽やかなブラックジョークの混じった(僕ならこちらかな)激励文.
今日は調子が良かったので,例の電脳ガジェットの封を開けて,遊び始めた.が,なかなか思うように設定できずややフラストレーション気味.加えて画面がやはり小さいので,すぐに疲れる.これは本を読んでもだいたい同じ.でも,一日の中でも,緩やかな波がいつ現れるのかがわかってきた.このリズムをうまく利用し,逆らわずに(変に頑張らずに),明日からの休日を過ごそう.
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:36
2007年11月1日木曜日
退院の日
木曜日: 入院している間に随分と寒くなったようだ.今日顔を合わせた方皆さん「寒くなったので気をつけて下さい」と言って下さる.この部屋は暖かかったのであまり気づかなかった.でももう11月なんだ.病室の Check out? は9時半なのだが,今日この部屋に入院する方が決まっているわけではないので,11時くらいまでは部屋にいていいそうだ.常にこの病院は満床ということで,午後には新しい方が入られるのだろう.
例によって?モノが増えており,それをパッキングするのに一苦労.今日は家内が車で来てくれるので,まあなんとかはなるだろう.入院中は下着と寝間着しか替えないので,非常に楽だった.逆にいつもの格好に戻るのが面倒臭い:苦笑.そろそろ着替えるかと思いきや,替えのポロシャツがないことに気づく.そんな早く退院するとも思ってなかったので支度してこなかった:笑.たまたま,ボストンレッドソックスの松坂 T シャツが手元にあったので,これを着て上着を羽織って帰ろう.
午前10時過ぎ,家内が車で到着.今度は車の調子が悪くなり,全くスピードが上がらないとのこと.ゲゲゲ.これで坂を登り高速走行するのは心もとなかったが,それでも何とか家にたどり着いた.(早速ディーラーに電話.しばらくお泊まり:またもや新たに入院!することに:苦笑)
久しぶりの自宅,車に乗っていただけなのだが,体力が落ちていてホント辿りついたって感じ.今日の日に備え,寝る場所を2階から1階へ,トイレや洗面所に近い和室に,息子と家内が移してくれた.そのままぐったり寝込んだ.夕方起き上がったものの気分はあまりよくない.病院に慣れた体を今度は家に合わせるのに苦労している,とでも言うか.先行きがちょっと不安に..
が,頑張って(この場合無理して)夕食を食べていると,家内から,赤ん坊の離乳食と一緒だね,とからかわれる,帰宅した娘からも全然痩せてないじゃん,と笑われる.日本シリーズを見ていて俄然元気が出て来た.山井投手すごい.あそこで岩瀬投手に替える落合監督もすごい.レッドソックスの優勝も嬉しかったが,中日の優勝も嬉しい.思わず気分が高揚し,勢い食欲も出て来て,デザート(果物と栗まんじゅう)を少し食べた.
そのままメイル等を読んでいて,ふと時間を見ると夜10時30分.そうだもう消灯はないのだ.今日からマイペースで過ごせるのは嬉しい.急がず,焦らず,また,誠実に,さぼらず,一つずつコマを進めよう.
投稿者 ngcoryell 時刻: 22:30
2007年10月31日水曜日
外来治療へ
水曜日: 火曜日の夜には,気分の悪さも収まって来た.月曜の夜はあまり眠れていないので,それなりによく眠れた(夢の中でブログを書いているのにはおどろいたけど).朝の気分も上々ということで,シスプラチン(点滴による抗がん剤)の副作用は大部分去って行ったみたいだ.
月曜日の昼前から火曜日の昼前まで,ずっと点滴につながれていた訳だが,実際に抗がん剤を入れていたのは2時間程度.その前後に吐き気止めの薬も体に流してくれる.月曜の夜までは(多分吐き気止めのせいで)あまり気分の変化は見られなかったので,少し調子に乗りすぎたのかもしれない.本の読み過ぎ,家内の差し入れのカツサンドを食べる,Web サーフィンなど.そのしっぺ返しが夜中に来たのだと思う.
月曜の夜中は,気分の悪さというよりはむしろ精神的なプレッシャがきつかった.点滴に繋がれている自由のなさからくる不安感,次から次へと湧いてくるネガティブな考え,寝てもすぐに目が覚める悪循環.今思い出しても大変な夜だった.
火曜日の朝は,いろいろと忙しく、検査や部屋の掃除やベッドシーツの交換などで気が紛れれていたのだけど,昼前から,少し体を横にしたところで,昨日のブログの状態に陥った.とにかく何のやる気もでず,ひたすら気分が悪い.これが夕方頃まで続く.先生他,人と話をしているときは瞬間忘れるのだけど.いや,この状態が連日続くと精神的に参るだろうね.事実,看護師長さんが家内にそっと耳打ちしたのが「うつ病になる方が多いので気をつけて」,とのことだった.
その他,2回程吐き気を催したとき(実際は吐かない)に,同時に大量の空気を吸い込んでしまい,ゲップを一気に出せない身には少しずつ細々と空気を吐き出すしか方法がなく,このときは肉体的にも精神的にも落ち込む.胃が全体収縮運動を一回した後で,徐々に動きを落ち着けて行くような,そんな感じ.胃にとてつもなく負担がかかる.
とまあ食欲はゼロで,病院食には箸一つつけれず,体重はまた減少.飲み薬に対しては食欲は改善していたのに,この点滴の前後でのこの気分の違いに驚く.でも二夜あけた今日気分は上々.(幸い盲腸で入院していた助教の方も無事今日退院することになったようだ.よかった.おめでとう.)
ところで,この点滴による副作用はともかく(それでも他の酷い方に比べると全然ましなようだ)として,飲み薬による副作用があまり見られなかったこと,加えて,血液検査の結果が悪くないこと,発熱がないこと,から明日正式に退院することになった.次の点滴は5週間後であり,それまでの間は3週間 TS-1(飲み薬),2週間休薬となり,十分に自宅療養(週に1回?外来で診察)可能ということらしい.(僕もそう思う)少々ホームシックになっていたのでこれはありがたい.5週間後の点滴の際に再入院するかどうかはこれからの体調次第.
さてこの間,外来の際にお世話になる先生とお話をさせていただいた.この病院の抗がん治療の責任者で,うちの大学のトップの方や前理工学部長も毎年診ておられるとことだ(定期検診).年は僕より5才下,すごく気さくな方だが,言うことははっきりと言われる.「今の治療法で効くはずです」「逆に効かなかったら,ちょっと困る(正直だ!)」,「こちらは情報を全部開示する,だからそちらも包み隠さずすべて話して下さい」すべて了解.闘いは本当に始まったばかりだが,最初のコーナーはうまく曲がれたような気はする.
おまけ: このブログに掲載されている写真は,殆どが Nokia N73 でとったものであり,それを bluetooth で MAC に送り iPhoto で加工して up している.とは言っても,作業としては2,3分だ.今日の写真は,この点滴の山を乗り切り,とりあえず退院祝い?に自分で買った,Windows Mobile 6.0 を掲載したスマートフォン(PDA)HTC-X7501 である.sim free なので今持っている携帯のカードを入れて使うことができる.MAC との連携も大丈夫な筈.明日は無理だろうが明後日は早速これで遊ぶ予定.望むらくは,早くこれを持って本当にモバイルしたいものだ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 16:45
2007年10月30日火曜日
点滴終了
24時間の点滴は無事終了.でも闘いは継続中.敵(心強い味方でもあるのだが)は思ったよりも手強く,月曜の夜から,食欲,本を読む気分,音楽を聴く気分すら阻害する.ひたすらすべての情報をシャットダウンして横になり目をつむるだけ.早く睡魔よ来い.朝はすっきり迎えたい.
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:45
2007年10月29日月曜日
点滴中
「不思議なもんで、なんか新しい薬と闘うような気がしているけど、そうじゃない。薬は味方で、でも強力すぎて、味方も苦労する、っていうやつなんだよね。なんていうか、ほら、いるじゃない、チームには溶け込めないけど、イザっていうときにすごい活躍するヤツって。」
「だからそいつにはおおいにがんばってもらって、その強力なチームメートとはできるだけ仲良くするっていうことだよね。みた目のイメージとしては、レッドソックスのマニー・ラミレスみたいな感じかな。ボンズもイメージにちかいけど、なんかこうラミレスの方がいいヤツっぽいでしょ。髪型がすごくてさ、ユニホームもダボダボ。ヘルメットなんかもえらくきたなくて、たぶん強烈な悪臭を放ってる。でもほんとにイザっていうときにすごい活躍をする。」
「Daisuke、心配するな、外野にうたせれば必ずとってやるし、いくら点をとられても、俺が絶対とり返してやる」みたいなことを、大事な場面をむかえたマツザカにボソって口走る(その息はタバコ臭いんだけどさ).」
これ我が良き友からのメイル(不許可掲載御免).ありがとう頑張る.点滴続行中.
投稿者 ngcoryell 時刻: 15:57
2007年10月28日日曜日
Don't Worry, Be Happy.
日曜日: もう3度目の日曜日.今日は台風一過で日当り良好,快適な日だ.昨日は久しぶりに快眠.途中あまり起きることなく,時計をみたらもう午前4時.これまではだいたい2,3時間で目が覚めていたので,これは大進歩.また見た夢が傑作.フリーフォール(無重力実験)の中で治療するというもので,いの一番に参加.無事克服して生還するという夢でした.フリーフォールは勘弁して欲しいが,結果には大満足.
明日からの点滴治療は1日勝負だそうだ.薬自体は少ないのだけれど,何リットルもの水も入れるためと伺った.いよいよ僕も点滴を持ったままトイレ行ったりするのね.新たな別の薬という意味では効果に対する期待感大なのだけど,でもどうしても副作用も気になる.そして自分だけは副作用が少ないとか言い聞かせる.
副作用と言えば,1週間程経過すれば,肌が少し弱くなる等のことを言われていた.これはちょっとそうかな,とも思う.ちょっとかさかさ乾いた感じがする.家内に寝間着と首がすれ違うところに発疹ができてると言われた.でもそれほどかゆくないし,そこだけなので全然問題なし.
知り合いの方が,「銀座をあるいていたら,そっくりだたのよ!」と買って送ってくれた.こいつ「Don't Worry. Be Happy!」って歌をうたってくれる.お腹出して寝そべっているとことまでそっくりだ(写真のとおり).歌ってくれるのは比喩でも誇張でもなんでもなく,仕掛けボタンを触ると再生されるのだ.明日つらかったらこのボタンを押そうではないか(看護師さんに頼む?).
今日も後輩が,一杯くだらない系(失礼)の雑誌を一杯持って来てくれた.明日は今までよりもベッドにいそうなので,頭を使わない雑誌は助かるなあ.ほんとこの部屋には,いただいた本と雑誌が溢れている.それから,10月24日,ついつい,電脳系小物(SIM Free 携帯+ PDA)を一つ Amazon で注文してしまった.さっそく家内が病院に持って来てくれたが(仕方ないねえとあきらめ顔),明日のことも考えると遊ぶ余裕もないので,あきらめて棚にしまった.早く点滴よ終わってしまえ.
いよいよ明日,たかが点滴されど点滴だ.念のためブログはお休みにしようと思う.妙な義務感で頑張って書くのも変だしね.その翌日に(元気だったら),あるいは後日まとめて体験記を書くことにしよう.といいつつ書くような気もするけど....:笑
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:47
2007年10月27日土曜日
細くなる食
土曜日: 入院する1週間前まではごく普通に食事がとれていたのが,健康診断日の前後から食べた際に何か食道でものがつかえる感じがしていた.結局それもそのはずで胃の一部が腫瘍により機能していなかったためだ.入院してからは、検査中は,頑張って食事を全部とっていたが,だんだんとそれも負担になってきた.胃をとった人の言葉がわかるようになった.
一旦気になるとその他色々なことが気にかかる.例えば「ゲップ」も出にくい状況.これは結構不快で,横になって出そうで出ないときのやきもきした気分は睡眠を阻害する.赤ん坊がゲップを出せないときに,背中をなぜてあげることがあるが,本当にそうしてもらいたいと思うときもある.(体の固くなり自分ではとうてい無理:苦笑)時間をかけて大人しくしていれば,そのうち出せるのだけれど.
抗がん治療が始まり,気分が悪くなったり吐き気がすることは殆どなく,そのあたりは恵まれているが,食欲不振は顕著になってきた.胃の機能低下に加えて抗がん治療の影響だろうか(マニュアルにもそうかいてあった).ご飯の匂いを嗅ぐのもつらい状況.病院の先生方,看護師さん達は手慣れたもので,とにかく食べ易いものを何でも,病院食を食べる必要はないのだから,と繰り返しアドバイスされる.
ついに昨晩から茶碗の蓋を開けるのも辛くなってきた.素直に白旗を上げ,今朝朝食前にコンビニで,食べ易そうな小さなロールパンをゲットした.幸い,果物やゼリーは冷蔵庫が豊富にある.口当たりのいいものは皆オーケー.匂いのキツい料理は「ほら食べてみんかい」と迫り来るようで,プレッシャーがきつい.この状態は予想外だった.
加えて食道近くに(多分)腫瘍があり,時折,食べ物を飲み込んだとき,特に大きなものを飲み込んだとき,お茶や水で流し込んだときに,メカニカルに刺激するのか,この2,3日,鋭い辛い痛みが走るようになった(しばらくすれば収まる).これを逃れるには,本当に食べ物を小さくして,少しずつ良くかんでゆっくりと胃に流し込むしかない.おかげで,全く大した量ではないのだけれど,時間をかけてゆっくり食事をするようになった.
写真は,健康診断から今日までの体重の変化である.食が細くなる,とはよく言ったもだと思う.身長からすればまだまだ「メタボ」ボティであるが,抗がん治療を開始してからストーンと落ち始めているのがわかる.ある程度までは shape up で嬉しい?が,それ以上は落ちないように頑張らなきゃ.今の救いは,果物がまだまだ美味しいことだ.(iWorks の Numbers で作成.default でできる絵がエクセルより素晴らしい)
このロールパンに変更作戦が大成功し,昼食,夕食とも量はともかく,苦痛ではなくしっかりと食べれた.体重低下を食い止めれるか!鋭い痛みは時々走るが,胃の重たさ自体はかなり軽減されている.トータルではいい感じではないかと思う.
夕方から夜にかけて,他の学科の先生,卒業生,学科主任の先生が見舞いに来て下さった.やはり外からの空気が一番.あっと言う間に時間が経過する.卒業生と学科主任の先生は年末恒例のコンサートでご一緒する仲だ.(コンサートについてはまた別の時に).卒業生は何と卓球の雑誌を,先生は癒し系のクラッシック音楽を差し入れて下さった.素直に嬉しい.さっそく iPod に入れよう.
今日いろいろ話をしている中,お近くの方でやはり民間療法で回復した人の話をうかがった.また良い意味でのジンクスの話もうかがった.また近しい方が全くこちらと同じ状況で抗がん治療からスタートする話もうかがった(一緒に頑張ろう).すべてが力になる.大感謝.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:05
2007年10月26日金曜日
入院スパイラル
金曜日: はや入院2週間目となる.昨夜は,ちょうど2週間前電話にて最後の外来での診察(宣告?)をして下さった先生が,久しぶりに顔を見せて下さった.アメリカ,関西と出張が続いていたそうだ(なんか自分とだぶる).「寝返りをうったときに,腹の向きで痛さ,不快さが変わる」と言うと,それについては一笑に付して「それは気のせい,気のし過ぎ」こちらは「体の中心まわりの胃の重さのモーメント」を持ち出して説明しようと思ったのだけど(アホちゃうか).実際そう感じるのであるが,先生に言われて余り気にせず少しお腹の下に布団を引いてみると快適.ちゃんと眠れた.
実は,日曜日にお見舞いに来て下さった義父も急遽入院することになった.義父は十数年前に大病を患っており,半年以上の闘病の末無事退院され今日に至っている.ベストではないにせよ,そこは病気とうまくつきあいながら,海外旅行,国内旅行と「そんなに慌てて行かなくても?」と家内と話すくらい,活発に行動されていた.が,最近また少し調子が悪いともうかがっていて,日曜日お会いしたときにはすっかり痩せられており,「どちらか病人か分からないね」と周りからからかわれていた.
悪い予感は当たるもので,今回も消化器の一つがパンパンに腫れているということで手術をするようだ.食べた時に食物が胃腸を通って行かない様子が,お互いそっくりだったので,こちらも病人ながら心配に思っていた.義父も元大学教員であり,引退して自分 homepage を立ち上げるなどインテリジェンス溢れる方である.義父が自分のホームページの一角に,長女一家(つまり,うちの家庭のこと)のページを作成したところ,google などで僕の名前を入れると必ずこのページが上位でヒットするようになった.御陰で,関係者にはうちのプライバシーが丸見えだ.うちの子供達の写真や小さい頃の作品群も掲載されていたが,さすがにそれらは本人達の反対に会い今は削除されている...とにもかくにも,義父の早い回復を心よりお祈りいたします.
というわけで,朝から色んな意味で気分がすぐれず,昼食は完全にアウト.妊婦さんのつわり状態?のようになり(耳学問ですが),ご飯の匂いを嗅ぐだけでも苦痛.あっさりギブアップして横になる.横になればいつでも眠れるのが得意技.少し寝て村上春樹の音楽本を読んでいると,「本日前首相の主治医による回診がある」とのアナウンスがあった.ちょっと緊張したが,ごく普通のおじ(い)さんによる問診と触診だった:笑.でもすごく柔らかい&優しい.声もタッチも.安心感を感じた時間だった.それを見つめる軍団の目は何か妙だったけどね.
その後すぐ,10年くらい研究のスポンサーをしていただいている会社の社長さんが来られて,退屈でしょうと映画の見れる携帯ビデオ機器を貸して下さった.これは助かる.特に夜の9時間消灯時間に威力を発揮するだろう.その後しばらくして,慶應の若い先生二人プラス研究室の秘書さんが来てくれた.この3名本当に仲が良く,映画「明日に向かって撃て」に出て来た男性2+女性1の雰囲気がある(ちょっとほめ過ぎ?ちょっと古いかもね).これまた色んなグッズや本,のどごしの良いものを差し入れて頂いた.あまりに楽しく時間が過ぎて思わず引き止めてしまった.ついでに話しながら夕食も頑張って,ご飯はあきらめおかずを中心に食べた.今日は入浴するので,その後いただいたみかんを食べよう.
写真は,先生の一人が作ってくれた星2つ.これは結構丈夫なんですよ.是非構造解析して下さい,と言われる.いやいや今はただ祈るのみ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:53
2007年10月25日木曜日
癒しぐま
木曜日: 今日は朝8時までに先生が次々と診察に来て下さった.昨晩は気分も悪くならず比較的良く眠れたと伝えると,いい感じですね,と言ってくれる.インターンの学生さんに,じっくりお腹を触診してもらった.今のところ彼の毎日の練習台だ.しばらくして,「あの,多分ですよ,多分ですけど,お腹のはりは減ってますよ,ぐるぐるはしてますが.」嘘でも?嬉しい(本当であって欲しいけど).
ところで,いわゆる教授を中心とした回診が毎週行われることになっている.残念ながら入院してからはまだ経験していない.一度白い巨塔の一シーンのように,ぞろぞろと廊下を歩かれているのを拝見したことはあるが.実は,病気の箇所が我が国の前首相と同じであり,この教授回診の先頭は,前首相の主治医(テレビでもお馴染み)だそうだ.早くお会いしたいのだが,学会でお忙しいらしく、今週も空振りか.
昨晩,このフロアの責任者の先生がいらして,しばらく PC 談義.自分の知る限り5年くらい前までは,医療の現場と言えば MAC だったはず.特に画像処理から統計処理まで,よく MAC の雑誌に特集掲載されていた (NIH Image とかね).ところが XP が出始めてからは,それほど違いが無くなったらしく,この病院はすべて windows でシステムが作られているそうだ.ずいぶんと昔,坂を上ったところのキャンパスの保健管理センターのシステムが MAC で構成されており(LC とか使ってたような),健康診断の記録を MAC に打ち込んでいるのを見て感心した記憶がある.ここももう変わったのかな.最近の intel MAC は,同時に両方使えるんですよ,と話したら,大層驚かれていた.
今日はも吐き気を催す程の不調さはなかったが,昼食頃お腹がちょっと痛み始めた.いつものような腫瘍のあたりだけでなく,下腹も含めて「差し込みが!」といった感じである.副作用からくる下痢,便秘もあるようなので,その影響かも知れない.先生曰く,やはり中で薬が闘い始めてるんですね..その影響でしょう,とのこと.昼食はせっかくパン食(家にいるときは朝食がパン.ここでは3食だいたい和食.まれにパンの時が有る)だったのに,さすがに食欲なく1/2でリタイア.
週刊誌を買いに売店へ(青年漫画).いつもであれば少しでも運動しようと階段を使うのであるが,今日は歩くとお腹に響き,上り下りだけでなく真直ぐ歩くのも心もとないので,エレベータを使用(気分はへこむ).いやあこれだと卓球は苦しいなあ(今は当たり前だろう),更にへこむ.
部屋に戻ると日当りがよくなりついうとうと.看護師さんが入って来て,「化学療法のオリエンテーション始めますよ」もう4日以上やってる.「点滴の際の注意事項」と「アレルギーの注意」を言って下さい.実はこのオリエンテーション,これまであまりされてなく,色々問題があったそうだ.それで「徹底する」ことになったらしい.アレルギーの中には発疹や喘息だけでなく,ぼーっとする,眠くなる,というのも含まれるそうだ.
注意事項の中に「点滴をしながら移動するときの注意」というのがあり「点滴のスピードが変わらないようにての位置を調整する」,具体的には普通に「手を下ろせばいい」のだそうだが,昨日教えてくれた可愛い看護師さんは「手の位置(高さ)が変わらないように」とのことだった.夕方先輩から指摘されたそうで,慌てて部屋に飛び込んで来て,「間違えたことお教えしちゃいました!昔はそう習ったんですが..」素直さに感心.でも僕は貴女の方が正しいと思うけどね.この実験は来週月曜日.
さすがに写真ネタが無くなって来た.夜は見えないのだけど,昼間ベッドでうつらうつらしていると,誰かに見られている気がする.ふと気づくと家内の両親からいただいたバスタオルであった(癒し系!).最後に朗報.あんちゃん先生が入って来て「骨に転移はない」とのこと.へこむ中にもいい話はあるものだ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:53
2007年10月24日水曜日
何でもあり
水曜日: 夜になると一斉に電気が消え,音も無くなる.そうすると自分の神経は,どんな些細な体の変化も感じ取ろうと鋭敏になる.昼間人と話しているとお腹のことは忘れるが,夜になると神経はそこに集中する.昨日、一昨日と治療の効果かどうかはわからないが,夜中に胃があばれることは少なくなった気がする.神経は痛みよりも,副作用の方に向いているようだ.昨夜はお腹の中のガスの貯まり方が気になり,寝付きも悪く,初めて寝坊.朝初めて看護師さんに起こされた(6時).
多少は学習したので,すぐに起き上がり MAC を立ち上げたが,一度にはメイルや web を見ないで少しずつチェック.頑張れ,ファイトメイルを拝見.俄然元気な気分になって朝食.ゲゲゲゲゲゲ.納豆だぁ(典型的な食わず嫌い).あっさりと KO されそうになった:苦笑.ひじきと野菜を中心に食事修了.今日は骨シンチの検査がある.アイソトープを注射して午後写真.これは念のため骨にガンができていないかのチェック.Yes だったら,ダメージ大きいだろうなあ.
さて,入院前までは,ガンと闘う人たちのブログを読ませていただくことがあったが,今はガンに関する情報収集を含めて,あまりチェックしようとは思わない.情報過多に一喜一憂するよりも,この病院に身を預けたので,素直に従おうという気持ちだろう.その方が精神的に楽だしね.昔やんちゃで歯のケアをあまりしなかった頃があり,酷くなった後で一生懸命歯医者に真面目に通いだした.歯医者の先生いわく,「こんなに真面目に治療に来るなら,なんでもっと早く来ないの!?」んー,結局はこれか.
一方で,身内にはいろんな方がいて,体に手をかざして光りをあてましょうか,とか,この健康茶でおばさんは治った,とかね.早速矛盾しているようだが,このような気持ちはありがたく頂くことにしよう.「勝ち方はどうでもいいから,必ず勝って下さい」とは,先日親友からもらった葉書に書いてあった言葉.「何でもあり」プロとしては,この言葉嫌いではない.(ボクシングの亀田家はちょっといただけないが)
ガンというのは治るための薬がなく,例えば検査中でまだ特別な治療を始めていないとき,普通に悪い細胞は浸食活動していると思うとちょっとブルーになる.何もしてないよりは,何かしている方が,何もしないよりもいいのではないか,と思うようにもなった.
といわけで,神頼みとか民間療法とか,にすがる人たちの気持ちも,今は十分に分かる.お茶を飲んだだけで,悪い細胞が消滅,なんて素敵ではないですか.まあ自分からは情報収集しないが,親戚が「このお茶のめ」と持って来たら喜んでいただくことに決めた.実は先週末から,姉の申し付けで家内が煎じて持ってきてくれている.写真は,うちのおばが「これと共にガンを克服したというお茶」の入った魔法瓶である(タヒボ茶という).更に今日は光り業(わざ)をもった義弟の妻も見舞いに来てくれた.いや手かざしって結構熱を感じる.先生が入って来たらどうしようかと無茶緊張した:笑.
途中,暖房器具の修理等もあり,今日は盛りだくさんで,副作用について意識する間がなく過ぎて行った.◯だ.食欲はまだ左程でないが全く食べれないわけでもない.主治医さんが言うように,体もだんだん順応しているのだろうか.ところで,研究室を任せて来た助教さんが,急遽盲腸で緊急入院した.うーんプレッシャかけすぎたか!? wish his sooner recovery. でも、今度は残るメンバーで研究室を見るからとの連絡が来た.うー泣かせる.余計なことは指示せず皆に任せよう.独立自尊.
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:20
2007年10月23日火曜日
初めての波
火曜日: 昨日は胃も比較的おとなしく,良く眠れた.良く眠れたら眠れたで,背中中が痛い.贅沢な話だ.よっと体を起こす時,背中の痛みに加えてメカニカルにお腹の痛みも生じるので,この瞬間が病人みたいで(病人か!)情けなくなる.6時に起きて,いつものようにメイルを処理し,web を見ていたら,少し気分が悪くなって来た.小さい字を見すぎたか.窓をあけて fresh air を少し入れて、また横になる.落ち着いて来たところで採血.
採血のときに右手を見て気づいた.ID がない.そうこの病院では,各人手首に ID をつけ(写真参照),診療や検査を受けるとき本人確認を行う.バーコードが見えるが,特に IT を駆使した情報処理はなく,ここでもアナログに「名前と生年月日を言って下さい」「じゃあ ID を(目で読んで)確認しますね」といった感じである.で,採血の時に ID がなかったのである.これは24時間風呂のときも常につけてなければならない.でも看護師さん慌てず騒がず,こちらの名前を信じて採血してくれた.まあ病状の重い方,お年寄りの方のためだろうね.ちなみに,ID はベッドの上に落ちていた.寝相悪し.
今日は特に検査などなく,1日部屋でゆっくりできる.途中害虫駆除に部屋に業者が入るそうだ.朝8時までに,だいたいインターンの学生とあんちゃん先生と二人から診断を受ける.学生さんの触診も1週間経つとさすがに慣れて来て,最初はハンマーで殴るような感じだったが,今は非常に滑らかになった.お腹だけでなく,首筋や足先まで見てくれ,前日から何か変化がないかチェックしてくれる.我々の解析と同じだ.やはり常に全体まで見てバランスを判断しなければ(職業病!)
食事中,主治医の先生がめざとく9枚の写真立てを発見.息子がママ似で娘が父ちゃん似であることが即座にバレる.娘は今年受験で,物理や数学を家庭教師しなければ,という話になり,「なら早く退院しましょう.来週中頃ですかね.」と,退院がやたら現実味を帯びてくる.一方あんちゃん先生(卒業後3年とわかる.まだ30前だ!)は,「やはり来週月曜日の点滴が勝負ですね..」と,プレッシャをかけてくる:苦笑.食後 TS-1 を3錠服用.また少し横になろう.
River を聞きながら横になっていたがまた少し気分が悪くなってきた.これがそうなのかと思いつつ,ただ吐き気まではいかない,ソファに座って,週刊誌や入院に備えて買いためた推理小説を読んだ.気分は左程改善せずこれで昼食を食べるのはきついね.で昼食はさんまに肉じゃがに野菜とフルーツ.結構責めてくるなあ,口あたりの良い野菜とフルーツから手につけ,後は義務感のようにご飯と肉じゃがを1/3食べて終わり.食後の方が気分は落ちつく.
食後,推理小説(半落ちってタイトル)を一気に読む.結構感動したが,その余韻に浸る間もなく,また波がやってきた.吐き気まではいかないが,むかつく感じ,屋形船で酔う(酒にじゃないよ)一歩手前の状況.横になって目を閉じて収まるのを待つ.これがなかなか収まらない.夕方まで大人しくして,ままよっと起き上がる.風にあたるのが最良かも知れないね.また復活仕掛けた頃,主治医の先生が来られたので,強がりはなしですべてを話す.「酷かったら薬を出しますからね.」
ここに来ていろんな闘いがある.食欲のない時の食事.とにかく体力保持のために食べなくてはならない.看護師さん,先生とも,普通食なのだから病院の食事が食べにくければ,コンビニでも,奥様でもとにかく食べ易いものを食べて下さいね,と言ってくれる.息子はチューブ,ゼル状のカロリーメートはどうか,とアドバイスをくれる.が,当面の課題は目の前の食事(これしかないから).たまご豆腐に八宝菜とご飯,頑張って半分弱かな.頑張った.後でのどごしの良いゼリーを食べよう.
食べると完全復活.不思議なものだ.で,このブログを書いている.今週は見舞客がない予定だったが,昨夜7時,となりの学会で仕事を終えた,声の大きい(ちょっとがさつ?),お互い計算機好きで結構馬の合う,同じ学科の先生が突如乱入してくれた.おい抗菌は大丈夫か?ひとしきり情報交換した後怒濤のように去って行った(ありがとう).今朝は,ドイツの計算力学のトップの方からお見舞いのメイルも届いた.ベスト&ワーストフレンドである岐阜の先生(Japanese バーバリア)から元気づけてやってくれい,と連絡がいったらしい.誠に光栄,これまた気分は最高であった.
今日は,副作用の一つの波を経験した.瞬間に起こる副作用と積み重ねによる副作用があるのだろう.今からまた薬の時間である.積み重なる副作用は嫌だなと思いつつ,一気に飲む.あとは寝るのだけが仕事.明日もブログを書きたいものだ.
投稿者 ngcoryell 時刻: 18:59
2007年10月22日月曜日
治療開始
月曜日: 今日から治療が始まる.昨日あたりから,先生,看護師さんから折にふれ「いよいよ月曜日からですね」と言われてきた.「昨日は緊張して眠れましたか?」とも聞かれたが,いつもどおり寝付きは良く,胃の重さに何度か目覚めたが,結構眠れたと思う.夢の内容は今ひとつ明るくないけどね.
9時10分: TS-1 3カプセルを経口投与.写真のとおり普通の大きさ.
10時10分:1時間経過.体が上気づいてきた,少し気分が悪くなって来た,すべて気のせいだろう:笑
11時10分:2時間経過.X 線検査のために廊下を歩く.少々呼吸が荒い?頭がふらふらする.これらも皆気にし過ぎのためか.意外に精神的に弱い?お腹と胸の間くらいで戦いが始まったのか,少し痛みをもってぐるぐるしている.
12時10分:食事.後で吐き気が出るといやだな,と思いながらも2/3は完了.食べる量は着実に減っている.食後も特に気分は変わらない.
13時10分:少しけだるい感じがして横になる.うつらうつらする.体がほてっているのは,気温が高いためか,体温が高いためか?ちょうど検温.36度5分平熱.
ここで眠る.家内と息子が来て目が覚める.ともあれ,薬そのものが体に合わず,即吐き気だ,発熱だということにはならないで良かった.しかし,看護師さん曰く,やはり少しずつ健康細胞に影響を与え,毎日毎日徐々に機能を低下させる,一方で体も少しずつ慣れていくので気づかない場合も多い(全くその通りだろう)とのこと.こればかりは定期的な血液検査で慎重にチェックを要するようだ.
今日は夕方前に,部屋(特にベッド周り)を消毒に来たし,食事の前後,外出前後の手洗い,うがいについては、本当に再三看護師さんから注意される.抗がん剤については,毎朝晩,必ず服薬したかどうかチェックにくるそうだ.後で,主治医の先生からうかがったのだが,このフロアには,血液の抗がん治療をされている患者さんもおられ,その方々は,もっときつい薬で治療されており,その場合は,清潔,抗菌はもう徹底的にするそうだ.生花も厳禁.でも消化器系は,それほどでもないので,花も構わないですよ,看護師さんはフロア全体を見てるので,どの患者にも公平に厳し目に注意するようですが,とのことだった.
冷血美人女医さんも,抗がん治療のあたりから,何度となく笑みを見せるようになった.やはり患者をリラックスさせるためか.これは単純にこちらも和むね.やっぱり.これから夕食を迎えるが,今の時点では,なんとなく食欲が湧かないくらいで,後は昨日までと左程変わらない気がする.とりあえずホッとしたが,でも食後の後薬を飲んだらまた状況が変わるかもしれないし...やはり精神的に疲れる.まあ現状には◯を出して、今夜を乗り切り明日からに備えよう.今日はこれでお終い!
投稿者 ngcoryell 時刻: 17:09