木曜日: 今日も体調は昨日までと左程変わらない.ただ今日から少しライフスタイル(というには大げさだが)を変えてみた.どのように変えたかは,また追々述べることにして,すぐには結果を求めず,徐々に改善することを期待する.
まだ大して読み進んでいないのだが(並行して、週刊誌,宮部みゆき,息子から借りたスラムダンクを読んでいる:笑),記憶が新しいうちに「癒す心,治る力」のうち「こころ」に対する記述にも触れておくことにする.
筆者は,生体システムの中に,心のメカニズムも組み入れるべきだと考えている.というのは,DNA から細胞,更にはもっとマクロな器官に備わっている,損傷を受けた際に自然治癒していく力が,心にも備わっているからだ.強烈な悲しみも,時間とともにあるいはセラピストの力を借りながら穏やかになれる,ということに相当する.ただ,この心のメカニズムが,システムのどの階層(例えば DNA よりも更に深い層)に位置しているかは不明だとしている.
「こころは原因か結果か」という議論が,やはり心理学や宗教,哲学と同様に医学の世界でもあるようで,科学の世界ではどうやら「結果」ということになっているらしい(同僚の先生の書物でも同じような意見だった(と思う)).しかしこの筆者は,心が原因で多くの治癒を体験したことにより,この意見を否定している.例えば,病理学的に決して効果がないとされている薬を用いても「治る」と信じることで治癒する「プラシーボ反応」を例に挙げている.
この「こころ」は,受け手一人で形成するものでなく,特に病人の場合は対話する人の発言にも大きく左右されるので,対話できる相手を(カウンセラーやセラピスト)を選ぶことの重要性も説かれている.例えば,現代医療にたずさわる医者の心ない一言(もう無理です.的な発言)がどれだけ,治癒能力を後退させるか,あるいは,相互イメージ療法と呼ばれる方法で,治るイメージを双方が共有することで,どれだけの治癒効果があったか,筆者の例も含めて紹介されている.
まだ「こころ」にまつわる章は始まったばかりで,完全には理解しきれていないし,誤解している点も多いかと思うが,少なくとも今の自分で「納得」して消化しきれた部分についてのみ記した.やはりポジティブに考えること,ポジティブな意見を共有できる方達と話し合うことが重要なのだ.(ちなみに,入院していた病院の先生のうち最初に診て下さった先生は,科学的には証明されてないんですが,という注釈つきで,ポジティブに考えることの重要性を説明して下さった.)
この本では,戦争ではないのだから病と「闘う」という表現はおかしい,「受け入れる」ということも書かれている.こちらは,受け入れた上で闘っているつもりであった.この当たりが,「治療」と「治癒」の根本的な考え方の違いなのかも知れない.
2007年11月15日木曜日
癒す心
投稿者 ngcoryell 時刻: 22:04