日曜日: 目は少しずつ改善.利き目の左の方の調子が戻って来た.左の方が視力は悪いのだが,近くに関しては以前から左の方が安定していた.右目は遠くは◯なのだが近くは今イチピントがぼけていた.なので左の回復は嬉しい.お昼には息子と庶民目標その2であった吉野屋の牛丼にでかけた.無事並盛りをお新香とともに完食.この進歩.でも昨日の MACと同じようにあまり美味しくなかった.前は結構好きだったのに.それよりも息子が初めて奢ってくれた.今日は歴史的な記念日だ:笑.
歴史と言えば,好き嫌いはともかく,授業やテストに関してはまるでダメで,まともな成績をとった記憶が一切ない.娘に言わせると,それは全体の構図や関係性を理解しないからよ,暗記じゃないんだよね,と言う.それはまさに物理や数学の公式についていつもこちらで言ってることではないか.娘は理系なのであまり歴史は関係ない筈なのだが,センター入試があるので社会も大事なようだ.といいつつ,得意科目は「倫社」らしい:笑.だって近代史を理解するだけでいいじゃん,とのこと(短いってことね):笑.これこの科目だけは高校で文系を入れてもかなり上位の成績のようだ.が,理系なので倫社が得意でもねえ...と親としては複雑(冬休みも倫社をやってるらしい.うちの大学を受けるなら化学ももっとやれよ!)
家内はかなりの洋物ミステリー好きで,家にはミステリー,SF, サスペンスものの洋書に溢れている.もちろん毎日の映画( WOWOW, CS など)も彼女には欠かせない.(最近アマゾンでの洋書オーダーの仕方を伝授したので,定期便のように洋書が届く:笑)また,テレビ番組でも歴史もの特番には,和洋問わずミステリーなところが含まれているので面白いとも言っていた.ディズニー?映画の「ナショナルトレジャー」1,2が何で面白いのか,フリーメイソンって秘密結社があるんだぞ,と教えてくれた.息子に何時映画に行くのかとか,と聞いていたが,本来なら家内と映画に出かけていたのでちょっと申し訳ない.(今は人ごみを避けてる映画館は×.それ以前に今は目が見えないけど:苦笑)
自分は全く歴史には不案内で,学科や大学院の教養高い先生方とその手の話が始まると,全くついて行けず,しかもうかつな発言もできず:苦笑,いつも蚊帳の外で寂しくしている:爆.でもモノにまつわる歴史や伝統は大好きで,大切にすべきことだと思ってる.(なので「何でも鑑定団」のファンです.自分には骨董の趣味はないけど.)今は面影もないけど,会社勤めの際は,所謂トラッドなスタイルが好きでかなりこだわっていた.でも所謂 IVY スタイルは嫌で,少しモダンな要素を入れた方が好きだった.なんて懐かしいね.MENS CLUB なんかも愛読していたし:笑.
オスカーピーターソンを観たイギリスでも,帰国時間を惜しんでかけつけたのが,バーバリーの本店だった.帰国前日に行くと翌日からバーゲンということだったので,帰国時間を確かめつつ,また狙いの品物を定めつつ,帰国当日の午前中にダッシュして,狙いのレインコートをゲットした.伝統のバーバリチェックを少しモダンにしたチェックが出始めた頃で,それを格安で買って帰った.もう25年も前のことかな.もちろん物持ちがいいので:笑,機会は少ないが今も大事にここ一番の時に着るようにしている.いいものは時間に関係なく素晴らしいよね.
長い前ふりになってしまったが,実はここからがメイン:御免なさい.その時の海外出張は実は3週間世界一周の旅で,ヨーロッパに渡る前に,アメリカも訪ねた.新婚旅行で行ったハワイを除けば初の海外.サンフランシスコ,アルバカーキ,ボストン,プロビデンス,ニューヨーク,パリ,ロッテルダム,ロンドンを訪ねた.何れも当時会社で使用していたエンジニア用のソフト会社訪問と学会参加が目的だった.当時はもちろんメイルもウェブもなければファックスさえ一般的では無かった頃である(テレックスはあった,死語:笑).
そんな中で初めてだというにの,旅程を勝手に変更して,まともな英語も出来ないのに,いきなり電話してキャンセルだの予約をしていたのを思い出す.今でもヒヤヒヤするね.具体的にはボストンとプロビデンスの間にニューヘブンがあったのだが,どう理由かそこをキャンセルして,ボストンとプロビデンスの滞在を1日ずつ延ばした.ボストンでは今は高級ホテルが立ち並ぶベイサイドにある,ボストンパークプラザホテルに予約を入れた.これも歴史のあるホテルだ.1階に RED ROBSTER じゃなくて,有名な REAGAL SEAFOOD もあった.もちろんそんなところには入らず(入れず:笑),フィッシュマーケットでクラブ(カニ)サンドを食べてしのいでた.もちろんボストンの歴史を辿るフリーダムトレイルも歩いたし,フェンウェイパーウにもいって,レッドソックスのサヨナラ勝ちを地元の人達と一緒に興奮した.(ちなみにあの頃は一ドル250円くらいで,マクドナルドで食べるというのは,とても高価なことだった.)
飛行機もキャンセルし,ボストンから Amtrack でプロビデンスまででかけた.後にも先にもアメリカで地下鉄以外の列車に乗ったのはこの時だけだ.外で「プロビデンス」と駅員さんが言ってるのに,ドアが全然開かない(自分であける!)ので焦った記憶もある.さて,1日早くついたので,そのまま目的のソフトハウスを訪ねた.ABAQUS という,今では業界 share NO.1 の解析ソフトを作っている会社だ.その会社はまだ出来たばかりで小さく,普通の家だった.自分もまたこのソフトの日本人ユーザ第1号として訪ねた.
一日早い訪問にも拘らず,皆暖かく迎えてくれた.その日の夜は創業者の家に招かれ,フリーウェイを一時間弱走り,森の中の邸宅に入った.庭と言うか森と言うか,馬,犬などの動物も沢山いた.夕食になり,一家の主が皆のステーキを切り分けるといった,テレビのドラマの一場面を体験してる中,奥様が「ABAQUSはこの家で生まれたのよ」と話してくれた.ABAQUS というのは ABACUS のもじりで所謂ソロバンのことだ.社のシンボルとしてソロバンの絵も使われている.奥様は更に「あのソロバンのさす数字は,ABAQUS の生まれた日でもあり,娘の誕生日でもあるの」と教えてくれた.まさにソフトの歴史があのシンボルに築かれているのだ.この日以来,今でもウチの研究室では,(授業では使っていない!)ABAQUS を使い続けている.今では創業者も引退し,会社自体も大手に売却されてしまったが,あの創業者の想いがソフトにしみ込んでいる間は,今後も使い続けることだろう.
なんか年末スペシャルのような,超長文となってしまった.自分にとって明日ではなく今日が1年の区切りと思っている.本当は明日からが抗がん治療第3クールの開始だったのだが,主治医の先生の治療計画,と言うよりは思いやりから,明日からの1週間も休薬期間としていただいたのだ.なので,明日からの7日間は噛み締めるようにゆったりと過ごそうと思う.きっと自分の歴史の中で思い出深い1週間となるだろう.
2007年12月30日日曜日
歴史
投稿者 ngcoryell 時刻: 15:18