優しく殺して、なんて、このブログに相応しくないタイトルである:笑、が、もちろん、これはそういうことではなくて、歌のタイトルの一部。この後に続くのは当然「 with his song 」で70年代に大ヒットした曲。CM にも使われたので当時は世代を問わずこの曲を耳にした人がいたのではないかと思う。
自分がいかにうまく訳したところで、彼の歌でやさしく私を参らせて、くらいだろうが、これを「やさしく歌って」と邦訳した方のセンスに脱帽。まさにそれがすべてである。歌手はロバータ・フラック。覚えやすい聞きやすいメロディに彼女のソウルフルな声が乗り、「Strumming my pains with his fingers」と始まると、本当に今でもぞくっとする名曲だ。
80年の後半くらいか、会社時代の友達と毎年の恒例行事として、よみうりランドイーストに Live under the sky という野外ジャズコンサートにでかけていた。毎年毎年ビッグなアーチストが出演し、スペシャルセッションも組まれ、夏の野外の開放感もあって本当に気持ちの良い一夜をすごせたものだ。
そのコンサートにロバータ・フラックが出演した。他の出演グループがマイルスだったか、ハービーハンコックだったか、ちょっと記憶にないが、少なくとも自分はロバータ・フラックが目的だったわけではない。でもちょっとこ難しいジャズのバンドの間に登場した、彼女の歌は非常に我々をリラックスさせてくれたと思う。
彼女の曲についての知識はこの曲以外は何もなかったので、ただただ音の流れに身を任せていた。そしてすっかり陽がくれ、夏の夜が深まろうとしたときに、いきなり無伴奏で「Killing me softly with his song」が始まったのだ。なんとも言えぬ安心感とともに、ほぼ全員が総立ちになったのではないかと思う。あのタイミングであのメロディ、あの歌を歌われるともう鳥肌鳥肌。結局その日の最も印象に残った曲になった。
今週始め、以前一緒に演奏したことのある女性から、今度この曲をやりせんか、と「やさしく歌って」を挙げてくれた。そのタイトルを聞いた瞬間に上記のことが一瞬にして頭の中を駆け巡った。さて自分は何をやるのだろう、歌かしら、ギターかしら:笑。ギターとピアノのデュオとうのもありか??でもせっくなら、Strumming my pains with his fingers と誰かに歌ってほしいなあ。
ちなみにこの歌は、すばらしい歌手がいるから、と聞きつけたコンサートで、人生を変えるほどのその歌に酔いしれる、といった内容です。
2008年5月29日木曜日
Killing me softly
投稿者 ngcoryell 時刻: 21:32