2008年1月24日木曜日

シミュレーション

木曜日: すっかり今日は晴れ,体調も晴れ晴れと行きたかったが,昨晩は少し頭痛がして,またお腹も少し反応してて何やら嫌な予感.風邪を引いたか,と少々びびったが,頭痛は治まり,お腹も少し軟らかくなった程度で済んで一安心.それそろ薬投与から2週間で,先生の話では,手足にしびれを感じ始める頃なのだが,特に自覚症状なし.まあないにこしたことはないさ.

午前中,娘が iMAC の前で何やら一喜一憂しながら声を上げているので,何かと思ったら,センターの採点が終わり自分の点が分かったので,幾つかの有名予備校のサイトにアクセスして合否の判定をシミュレーションしているようだ.センターだけで合否の困る私立も今はある.もちろん国立については,足切りかどうかチェックしているだけなのだけど.

予備校は生徒のデータプラスこうやってアクセスする学生の情報を持っているので,結果の信憑性はそれなりにあるのだろう.で結果を聞いてみると,センター合否で出した私立が1勝2ボーダー,国立前期の足切りもボーダー,後期日程はどういうわけか判定不能,トホホ,しかも行けそうな私立には勿論行かないそうで(だったら出すな,シミュレーションだけしとけ!),2月中旬の有名私立の(記念)受験にかけるようだ.変なプライドが高いのはどちらに似たのか!?

ところで,シミュレーションはうちの研究の主軸であり,計算機を用いて物理現象をシミュレーションしている.マクロな超高層ビルの耐震解析から,ミクロな材料の破壊解析まで幅広く行っている.もちろん解析手法の研究もある.今年度あるプロジェクトで某企業と共同研究することになった.ウチがシミュレーションの専門であることを受けての指名だった.

ところが,確かにシミュレーションに関するプロジェクトだったのだが,仕事はシミュレーションそのものではなく,ラベリングという画像処理の技術開発だった.具体的には,例えばテレビ画像に移るサッカー選手を特定して,その動きを追うというものだ.(ラベルというのは,個体を判別して番号付けすることに相当する.)という技術は,すでにリアルタイムできるものが十分開発されているので,何を今更と当初は思った.

実際話をしてみると,3次元のラベリング処理であった(これまでの技術は2次元画像,そこがポイント).例えば 2次元 CT 画像を重ねることにより3次元画像が出来上がるが,その中で個体を判別するということだ.企業側もこれまで開発していたのだが,あまりに計算時間がかかるので,give up.で,何の脈略もなく:笑!,たまたま産学プロジェクトに係わってたウチに依頼が来たのだ.

こちらも常識程度の知識しかない素人なのだが,まあ新しい試みで修論と卒論でやらせてみた.大学の基礎研究は失敗してもいいのだ.(裏話であるが,この企業の担当者,社内プロジェクトで社長に200倍高速化する,と宣言したそうだ.)と,こちらでも地道に始めたが,素人の強みで,意外な発想が功を奏し,かつ担当した修士が極めて優秀でプログラムセンスがあり,3次元ラベリングの最大200倍高速化に何と成功したのだ.(素晴らしい! to 修士の学生さん.)

更に予想外の展開として,晴れて特許申請することになった.本職のシミュレーションの方が遥かに自信があるのに,これまえでは特許とは無縁だったんだけど(まああまり興味もなかったが):笑.いやあ何事もチャレンジしてみるものだ.

余談ではあるが,学部の学生は(知ってか知らずか:笑),その技術を医療画像に使った.結果,病院で見せてもらった自分の CT 像と同じようなな Free 画像から,「肝臓」が抽出されて,ついでに「腫瘍」までマーキングされていた.自分が病院でみたときには何が何やらさっぱりわからなかったので,もしかしたら今後は開発した技術が役に立つのかもしれないね.

夕方,たまたま全豪の準決勝を見た.フランスの新鋭(ランク外)がスペインの強豪をなぎ倒して決勝に出る試合を見てガッツが入った.この試合でも,サーブの判定に,上記のような画像処理技術を使っていたので,思わずニンヤリした.昨年は青天の霹靂の年だった.今年はこれ以上は悪くならないだろうと思ってるのだが,出だしは今のところ好調のようだ.

 

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