2008年1月17日木曜日

五感の変化

木曜日: 同僚の先生の著書「錯覚する脳」には,五感の話が書かれている.また「無感覚体験装置」(だったような)なるものを体験した感想も書かれていて興味深い.もともとは「心」と「脳」の関係の本で,いずれもエンジニアとしての立場でストレート(単純?)に書かれているので分かり易いし,共感できるところも多い.

「心」についてはまた別の機会にして,今回は五感が副作用でどう変わったか,ということについてまとめる.ここでは「錯覚する脳」の言う通り,センサーと脳内プログラムに分けて考えてみる(というか思い出してみる).結局人間の感じる感覚は,センサー情報を脳内プログラム処理した結果ということだ.

味覚: これは副作用で舌というセンサがいかれたのか,脳内プログラムがちょっと間抜けになったのかは分からない.例えば一頃ポカリスウェットのお湯割りばかり飲んでいたので,それで舌が馬鹿になったという感じもする.今は,甘みや辛みなどの基本的な味覚は◯,だけど所謂うま味がちょっとわからない.野菜,さかななどは大丈夫.鶏肉もオーケー.

残念ながらゴージャスに料理された牛や豚の個々一番の微妙な taste がぼけてしまう(シンプルな料理だとまだ大丈夫なんだけど).口に入れたときは良いけど,噛んで飲み込むときに,少し違和感(酸味を)感じる?.こんなのが好物だっけ,って感じ(無論残すこと無く今は食べれる)なのでちょっと残念だが,とても安っぽい味覚になってしまった.(甘いものは全く問題ないので,太り過ぎに注意:苦笑)

聴覚: これは変化なし.目が絶不調の頃,まわりの情報を耳からとろうとしているのは良く分かった.とくに布団に入ってるときは,まるで無感覚装置にいるような感じになれた(耳鳴りもよく聞こえた).布団の中では面白いことを経験したが,これもまたの機会に述べることにしよう.

視覚: これは角膜に傷がついて,完全にセンサーが壊れた.これまで左目が近視(0.1くらい),右目が普通.遠くを見る時は右目,近くを見る時は左目を使っていた.なので,実は右目は(老眼ではなくて)近くの焦点がぼけやすい.これまで眼鏡をかけると老眼が顕著になるが,裸眼では近くのものは左目で十分対応できていた.

が,両目の角膜が傷ついたとき,遠くは無論,近くも殆どぼやけて見えない.まじめな話18ポイント以上のフォントを使って,目をモニターに近づけて blog を書いていた:苦笑.その後右目から序々にセンサとしての機能が復活してきた.もともと右目は近場がボケ気味,左目は相変わらずの霞目.なので近くも見えないと思いきや,少し時間が立つと,焦点が合って見えるようになってきた.これは明らかに脳内プログラムが,左右センサーの情報とこれまでの記憶を頼りに,独自の情報処理によって,ピント合わせをしてくれているのだと思う.偉い!

嗅覚: これもセンサー自体としての機能は変わってないと思う.が,副作用によって,明らかに,ある臭いに対して敏感になってる.自分の場合は,シスプラチンの時に強烈な食欲不振になった.この時は特に,妊婦さんと同じように,炊きあがったお米の匂いが受け入れなかった.これは数ある匂いセンサーの一部が壊れたというよりは,シスプラチンが脳内プログラムの一部を書き換えたに違いない.

触覚: これはセンサー自体が完璧に変化した.まず乾燥肌になり,それに伴う不快感が増大(女性の方々には普通らしい).特に手のひらのカサカサが特に顕著で,みるからに皺だらけ,ひび割れなどで痛々しい.特に指にできた無数(ちょと大げさ)のリンクル(皺)によって,指紋センサーによる認証が全くできなかった時には悲しくなった.一方で水分を外部から十分に与えてあげると,今度は指紋が見えないほどつるつるになる(不思議).この時には,PC のタッチパッドが指の動きに対して滑るっていうか,反応が遅くなった感じがする.また指の動きも以前よりはあきらかに緩慢になった.これはギターを弾いて初めてわかった.

とまあこんな感じである.この後1週間くらいすれば,今度の薬は手足のしびれが来るかも知れないそうだ.今からワクワク?ドキドキ?するね(来ませんように!).明日は病院で外来で投薬の点滴を受け,そのまま帰宅予定.一日仕事だ.今週は体力をつけようと意図的に食欲旺盛にした.明日の採血はどんな結果だろうか.ぼちぼちであればいいけど!

 

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