金曜日: Partial Response ですね、月曜日の精密検査の結果を見て、主治医の先生は声に出してカルテに書き始めた。 Partial Remission は医学用語で、意味は a decrease in the size of a tumor(腫瘍), or in the extent of cancer in the body, in response to treatment 、日本語では「奏効」と言うそうだ。英語の方が分かりやすいと、皆で笑った。と、カルテに書けば無機的だが、「はっきり言って相当良くなっています。僕が見てきた患者さんの中でもこんな例は少ない」と言葉にされると、実感が湧いてくる。
先生の話を聞いている間、自分の頭の中は真っ白:笑、先生の示す説明が一瞬頭に入るがすぐに抜け、体系的には理解できなかった。その分家内が冷静に聞いている。診断結果はだいたい次のような感じ。CT によれば、まず胃の周辺部の転移に関しては、リンパ節のまわりは縮小し転移は消えた!、胃と腸が近接する箇所はまだあるようなないような。胃壁はまだ少し厚いので、がん細胞自体はまだ存在する、ただ脂肪の映り具合等を見ればかなり改善されている。さらに丁寧に肺と肝臓、胆のう、脾臓等への転移をみたが「のうほう(漢字は難しい!)」は少し見られるが、基本的に奇麗で転移は認められないとのこと。
内視鏡の結果も今回ははっきり見た。最初に撮ったときは、見方が分からない上に、自分の臓器内部に腫瘍があるのがおぞましく、ちらっとだけ見て、詳しい(写真の)説明も受けなかった。今日は(月曜日に少し聞いていたので)心に余裕があった:笑。入院当時は胃の「しわ」というか「ひだ」がなくなり、ガン細胞が壁を平らにしていた。さらにはその周りに白く変色した潰瘍が不気味に存在していた。一方今回とった写真では、とくに酷かった患部はほぼ元通り豊満なひだひだ?に戻り、また色も赤みが増してかなり奇麗になっていた。もちろんまだがん細胞と思わしき場所があるが、全体的には相当改善された様子が素人目にもわかった。
血液検査もほぼ健常者並の数値だった。が、唯一の悪い話は血便だったこと。前回は見られなかった出血が見られた。もちろんこのような病気で副作用のある治療をしているので、何が起こっても不思議ではないが、一つの可能性としては、例の胃と腸が近接しているところのがん細胞の影響で出血してる可能性があるとのこと。結腸のところに存在するがん細胞がなくなると、逆に穴が開いて大変なこともあるそうで、今後これについては経過観察することに。手放しで喜ぶよりは、気になるところがある方がより慎重になるものだ。少し消化のいいものを摂取するように言われた。
もちろんまだ Partial であって Complete ではない。薬もこの先効くかどうか不明なところもある。でもとりあえずは頑張ってきた甲斐がちょっと(かなり?)あった。先生から握手をされ、4月から復職の許可も得た。ハワイのお土産は不要ですから、との冗談もでた。まだまだ治療は続くが、それを超える motivation を得た。引き続き多くの方への感謝の気持ちを忘れず、また決して驕らず、治療治癒に高い気持ちで臨みたい。
2008年2月29日金曜日
Partial Response
投稿者 ngcoryell 時刻: 20:31